私は君の顔が見れなくなって、うつむいてしまった。君の顔を見ていたらなんだか泣きそうになってしまいそうだったから…
私がうつむいていると、温かい君の手が私の頬に触れた。
「あ〜ちゃん…無理して笑っとる…」
君は少し怒ったような顔をして言った。
なんで、君には私の気持ちが全てわかってしまうのだろうか。
「あ〜ちゃん……ゆかのこと、どう想っとる?」
突然のことに私は、頭が真っ白になって何も返せなくなってしまった…
「ゆかは…ゆかは、あ〜ちゃんのこと…」
—いやだ
今、君の言葉を聞いたら、すべてが消えてなくなってしまいそうだったから…
——聞きたくない
「ゆかは…」
「——やめてっ!」
私は耳を塞いで、床にうずくまった。
君は、ゆっくり私に近づき、包み込むようにやさしく抱きしめてくれた。
「あ〜ちゃん…何がそんなに怖いん?……
ゆかは、…あ〜ちゃんの本当の気持ちが知りたいんよ…」
君は、ふるえるような声で言った。
私の気持ちを知ってどうするんよ…
君は、どんな気持ちでそんなことを言っているの?
「…想っとらん」
「えっ…?」
思ってることと、逆のことが口にでてしまう
「どうも…想っとらんよ…」
「……嘘」
うん。本当は嘘…
—なのに
「嘘なんかじゃないよ。あ〜ちゃんはゆかちゃんのコトなんて、どうも想っとらん…」
私はなんて酷いことを言うんだろう…
「あ〜ちゃん…なんで嘘つくん…?」
私は君の腕からぬけ、君から離れて、ムキになりながらこう言った。
「嘘じゃない言うとるじゃろっ!本当にあ〜ちゃんはどうも想っとらんっ!!」
私の声だけが、部屋中に響きわたった。
君はゆっくりと私に近づいて、手を頬にあててきた。そして、君は悲しい顔をしてこう言った。
「じゃあ、なんで泣いとるん?」
——えっ?
知らないうちに涙が溢れていた。
「あ〜ちゃんの本当の気持ちをゆかに伝えたら、なにか失うと思おとん?…なにか壊れると思おとん?…」
君は私の顔を覗き込むように言った。
「あ〜ちゃんは天使みたいな存在じゃけぇ、なにも失わんし、誰も離れていかん…」
私は君の言葉に、涙が止まらなくなってしまった。
言っていいのかな…?
本当に、何も失わん?
ゆかちゃん…信じていいの?
いろいろ考えるより先に、自分の口から本当の気持ちがでていた。
「——想っとった…っ、…ずっと……ゆか、ちゃん…っ…のこと…」
「あ〜ちゃん…」
君はまたやさしく抱きしめてくれた。
「やっと…やっと、あ〜ちゃんの本当の気持ちが聞けた…ありがとう…っ」
声がふるえとる…
ああ、君も泣いてるんだ…
「ゆかも…ゆかもずっと、あ〜ちゃんのこと想っとったよ…」
君の言葉に私は驚いた。
本当に…?
君が私のことを…?
信じられなくて、私は声をあげて泣くことしかできなかった。
「やっと、言えた。」
君はやさしく微笑んだ。
「あ〜ちゃん…——笑って?」
私は、涙を拭い、君に笑顔をむけた。今度は嘘じゃない、作り物じゃない、本当の笑顔を…
「やっぱり、笑顔のあ〜ちゃんが一番好き」
そう言うと君は、やさしくキスをしてくれた。
この時が幸せすぎて、時間が止まってくれればいいと思った。
ゆかちゃん…
ありがとう。
最高の誕生日プレゼントになったよ。
君は私の大切なひと…
それは、これからも変わらない。ずっと。
「ゆかちゃん…大好きだよ」
「ゆかも好きだよ。…あ〜ちゃん」
君に名前を呼ばれるだけで、こんなにも幸せな気持ちになれる。
「あ〜ちゃん…生まれてきてくれて、ありがとう」
君はやさしく微笑み私にそう言った。
「また、泣くのっ?」
また涙がこみあげてきてしまった。君は少し呆れたような顔をしてたけど、私が泣きやむまで、ずっと抱きしめていてくれた。
「ほらっ、あ〜ちゃん!お祝いの続きするよっ!ケーキ買ってきたけぇ、食べよ!」
さっきの出来事が嘘かのように、私たちはケーキを食べながら、いろいろとお喋りをした。
本当に何も変わらなかった…
私はただ逃げていただけだった。
ゆかちゃん。本当にありがとう。
これから何があっても、君がそばにいてくれれば何も怖くない。
——だから
「ゆかちゃん…いつまでもそばにおって」
「……当たり前じゃ。」
本当に最高の
Birthday Eveだった。
○Birthday Eve○-END-
最終更新:2008年10月27日 16:19