<side n>
「うぅ・・ぅっ・・のっちぃ、、、ごめん」
「…あ〜ちゃんが、あやまることはなんもないよ?」
ふるふると、首を振るあ〜ちゃん。
「あ〜ちゃんは、のっちのこと、めっちゃ傷つけとったんじゃ!」
あぁ、また
こんなに泣かせちゃって・・
もうこんな顔はさせん
て誓ったはずなのにな。
「それは、違うよ」
椅子から腰を上げ、そっとあ〜ちゃんに近づく。
「…もし、“あの時”のこと、謝ってるんだったら、それは違うよ」
ソファに腰をかけているあ〜ちゃんの前に跪く。
そして、震えてるその手をとった。
「あの時、あ〜ちゃんが出してくれた“答え”は、正しかったんだよ。
確かに、あの後しばらくは、浮上できんくらい落ち込んだけど、
それは、のっちが幼かったからじゃ。まだまだ、子どもだったんだよ。
…
あ〜ちゃんには、感謝してるんよ。あの時、ちゃんと答えを出してくれたこと。
そして、、、今もこうして、変わらず傍にいてくれることも」
<side a>
のっちの目が、まっすぐ
あ〜ちゃんを捉えている。
その眼差しは、あの頃と変わっていないようで
確実に大人になっていた。
のっちの言葉に、凍っていた何かが
融けていくような気がした。
「…、でも、、、のっち、、、ツラそうじゃけ・・・・」
「う〜ん、、正直、臆病にはなっとるよねぇ」
ハの字眉で、困ったように笑う。
「でもこれは、のっち自身の、のっちのキモチの問題なんじゃ。
ヤキモキさせて悪いけど、も少し、見守っといてくれんじゃろか」
そう言って、のっちは
あたしの髪を撫でた。
あたしは、また泣いた。
のっちは困ったような表情を浮かべながら
あの時のように
ずっと手を握って、頭を撫でてくれた。
その手の
不器用で、それでもとても暖かい感触は、
あの頃と全く変わらず、
でも確実に
あの頃よりも
優しさに溢れていた。
あたしは
抱えていたものを吐き出すかのように
ひとしきり泣いた。
最終更新:2008年10月31日 21:12