SIDE-N
あ〜ちゃんの誕生日が近くなると毎日夜の集会も開かれるようになった。
朝礼と同じく、あ〜ちゃんもゆかちゃんも集会の中心となる舞台の上。
最近はあ〜ちゃんが色々準備で忙しくてなかなか三人で話す機会がない。それなのに心配なことがある。
どうもあ〜ちゃんの様子がおかしい。
いつものあの圧倒されるような勢いがないし、笑っていても目の奥が暗い。
それは微妙な変化で、たぶん気付いている人はのっちと…今、目が合ったゆかちゃんぐらいだろう。
ゆかちゃんがさりげなくのっちにサインを送ってきた。
後で礼拝堂に集合のサイン。
のっちはゆかちゃんにわかるように深くうなずいた。
集会後、礼拝堂に向かうと先にゆかちゃんが椅子に座って待っていた。
「ごめん、待たせて。」
「ええよ。そんなことよりじゃ…」
「「あ〜ちゃん!!」」
二人で声を合わせて言う。思っていたことはやっぱり同じだった。
「のっちもあ〜ちゃんおかしいと思った?」
「うん思った…元気ないよね。忙しすぎるのかな…?」
「あ〜ちゃんは忙しくてもその中に楽しさを見つける子じゃけえ、そうじゃないと思う。」
「じゃあ…何だろ」
「前にゆか一回どうしたんって聞いたんよね…でもどうもしとらんって言われて…それ以上何も言えんかった」
「何も言わさんオーラをたまに出すよね。それであ〜ちゃん直ぐに一人で抱え込むじゃろ?そっちの方が心配するっちゅうのにさぁ」
「うん。話してくれた方がうちら的にも安心なんじゃけど…」
二人揃って溜息をつく。
あ〜ちゃんは昔から一人で抱え込む。自分の悩み事は絶対に口に出さない。うちらにでさえも、だ。
でも元々感情が表に出やすい人だから、悩んでることを隠しきれてない。
ふと見せる悲しい顔とか、泣きそうになってる顔とか。
ゆかちゃんとのっちはずっとあ〜ちゃんを見てるから、どうしても気付いてしまうんよ。
「あー心配じゃー…」
「ゆかも…」
「どうすればええんかなぁ…」
しばらく悩んでいると、就寝前の祈りに来る人が増えてきたので、二人は別れることにした。
礼拝堂を出る間際に振り返ると、ゆかちゃんは神官様ということもあって様々な人に囲まれていた。
何だか複雑な心境。
最近、二人に置いてかれているような感覚に焦燥を感じてる。
そんなことを感じてるのはのっちだけで。
これだけはゆかちゃんにもわからないと思う。
このことがのっちの中では大きく占めていることも。
TO BE CONTINUED...
最終更新:2008年10月31日 21:16