「ゆかちゃん」
「あ〜ちゃん、のっちと付き合う事になったんよ」
「やっぱりゆかちゃんには言っておかんとって思って」
そうなんじゃ。よかったねあ〜ちゃん。
のっちの事好きだって言ってたもんね。
「ゆかちゃんが相談にのってくれたおかげじゃね」
「ゆかは何もしとらんよ。あ〜ちゃんが頑張って告白したからじゃろ?」
でもね、ゆかはそれを出来れば聞きたくなかった。知りたくなかったんだ。
だってゆかは。
「えへへ…今すっごい幸せじゃ」
そうやって笑うあ〜ちゃんを、ゆか、は…。

喉元にまで迫ってきたその言葉を飲み込んだ。
「…よかったね」

幸せに、なってね。

とは、言えなくて。
手元にあった雑誌に視線を落とした。

…言えないよ。そうやって笑うあ〜ちゃんに、ゆかの気持ちなんて言えない。
でも、心の中で力一杯叫んでるんだ。
(あ〜ちゃん、ずっとずっと愛してる)
だけどこの気持ちは、あ〜ちゃんに届かなくていい。
幸せになってくれたら、それだけで。
…それだけで、いい。


END





最終更新:2008年11月04日 14:24