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Side A
移動の車の中。
今日は、三人並んで後ろの席に座った。
ゆかちゃんが真ん中で、左にのっち、そして右に私。

ゆかちゃんとのっちは、身に着けるものとかの趣味が合うみたいで、雑誌の同じぺ−ジでわいわい言ってる事が多い。
今日だって、お揃いの指輪なぞをしておる。

もちろん、私はそれぞれ二人が大好きじゃけぇ、イチャこらとしとるのを見とるんも楽しい。
でも、ちょぴぃっっとだけぇ、淋しくなることもある。

そんなことを思っとると、眠いみたいでゆかちゃんがウトウトし始めた。
「眠いよぉ・・・。のっちぃ。」
ゆかちゃんは、のっちの肩に頭を乗っけてピトッてくっ付く。
のっちはなんなくそれを受け入れ、ゆかちゃんの髪をなでる。
「じゃあ、起こしたげるけぇ、少し寝んさいな。」
「・・・ん。」
それからすぐに、ゆかちゃんの小さな寝息が聞こえてきた。

私は車のドアに肘を突いて、外を眺める。けど、外はほとんど暗くて、窓に車内が映ってきた。

ん?

のっちが何かしとると思って、二人の方を見ると、のっちがゆかちゃんに何か言って起こそうとしてるみたいで・・・。


「のっちぃー、起こしたらいけんてぇ。寝たばっかりじゃろ。」
ゆかちゃん越しに小声でのっちに言う。
「ぅう・・。」
あや、私が起こしちゃったかな?

「むぅ?」
まだ寝ぼけて顔を上げたゆかちゃんに、のっちがぼそぼそとなんか言っとる。
のっちが言い終わると、こっちを向くゆかちゃん。
「ゆかちゃん、まだ寝とってもいぃんよ?」
ゆかちゃんの目はほとんど開いてなくて、まだすぐに寝れちゃう感じ。
私は、また寝れるようにと、ゆかちゃんの頭を軽く撫でてあげる。

「ふに?」
軽く首を傾げたと思ったら、ふにゃっと笑って私の方に抱きついてきた。
「うぎゃっ。ゆ、かちゃん。のっちは向こうじゃよ?」
寝ぼけて間違えたんと思って言うけど、すでに寝息がw
ゆかちゃん、早すぎだって。

しかも腕絡めてくるw
これはゆかちゃんの癖だ。
誰かに寄りかかって寝る時は・・大抵のっちじゃけど・・そうすると落着くみたいで、腕を組んでいる。

こんなにくっ付いてるとドキドキしちゃうよ。
ちょっと困って、のっちの方を見たら、よく分からんけど、満面の笑みで親指をビシッィっと立てられた・・・。
のっち、私にはさっぱり分からんわ・・・。

ゆかちゃんを引き離すのも起こしちゃいそうで出来んから、車が着くまでこのままでいることにした。


Side K
移動中の車に揺られて、眠くなってきた。

あたしの右にはあ〜ちゃん。・・・こっちはドキドキして目が冴えそうじゃけぇ、止め。

そういう訳で、自然とのっちの方へ寄っていく。
着いたら起こしてくれるらしいから、私はそのまま眠気に任せて落ちていく。



寝たかと思ったら、小さくのっちの呼ぶ声が聞こえる。気がする・・・。
「ぅう・・。」
もう着いたん?
そう思って微かに反応すると、さらに何か言ってる。

「むぅ?」
「ゆかちゃ〜ん?これは夢だよぉ?」
なんだ、夢か。てか、別に見んでも・・・・。
「だから、のっちじゃなくて、後ろのあ〜ちゃんにしたら?」
その言葉に顔だけ後ろに向けると、確かにあ〜ちゃんがおって。

「ゆかちゃん、まだ寝とってもいぃんよ?」
あ〜ちゃんの優しい声。それから、寝かしつけるように撫でてくる優しい手。
「ふに?」
そっか・・・、夢ならあ〜ちゃんに抱きついても平気じゃね?

そう思って軽く微笑んで、あ〜ちゃんへと抱きついた。
すぐにあ〜ちゃんが、何か言った気がしたんけど、あたしの夢の記憶はそこで途切れていった・・・。



「・・・ゃん。・・・かちゃん?着いたよ?」
あ、あ〜ちゃんの声だ。
何?着いた?

まだ眠い目をゆっくり開けてみると。
あれ?なんで、あ〜ちゃんの顔がこんなに近いん?あたし、のっちにもたれたよねぇ・・・。


あぁ、もしかして夢の続きってやつ?

それじゃあ、せっかくだし・・・、あ〜ちゃんとキスぅw

そう思って、あ〜ちゃんの首に腕を回して、あ〜ちゃんの唇に吸い込まれるように近づく。
「ゆかちゃん!ちょっ!」
焦りだして顔を赤くするあ〜ちゃん。
でもこれは、あたしの夢だもんね〜。あたしの好きに出来るんだも〜ん。

      • もう少しで、あ〜ちゃんに触れるぅ♪と思ったら!
急に体ごと後ろから引っ張られた。

「ゆ、ゆかちゃん!ほら、運転手さん降りるの待っとるよ!」
「はへ?」
大きめなのっちの声に、どこかに行っていた意識が戻ってきた。

あれ?今のが夢じゃないってことは・・・。
続いて、自分の目があ〜ちゃんを認識するなり。

「ごぉ、ごめん!あ〜ちゃん!その・・ゆか、ぼーっとしとって!」
かなり焦りながら、謝っていた。
さっきのは、かなり際どいじゃろ。変に思われとらんじゃろか?

「ぅ、うん。間違えたんじゃろ?えっと・・。あ〜ちゃん、先に降りとるけ〜。」
そう言って一人で降りて行ってしまったあ〜ちゃん。
でも、間違えたってなんだ?確かに、夢と間違っとったけど・・・。

残されたあたし達は・・・。

「ゆかちゃん、抜け駆けはいけんよ?」
傍から見たら、後ろから抱きついてるように見えるのっちが言う。
「だってぇ、夢だと思ってたんよ。」


Side N
「ゆかちゃん、抜け駆けはいけんよ?」
ゆかちゃんを、あ〜ちゃんから引き剥がしたままの体勢で注意する。

だって、ゆかちゃん絶対キスしようとしとったもん。

あたしとゆかちゃんは、お互いにちゃんと知っとるけど、あ〜ちゃんが好きじゃ。
じゃけぇ、あ〜ちゃんに何かあったら助けたり、支えたりしようって。
あたし達の天使みたいなあ〜ちゃんを守ろうって約束しあって・・・、う〜ん・・・あ〜ちゃん同盟?みたいなんを組んだんよ。
なんに、キスだなんて・・・、あたしはショックじゃぁ。はぁ・・・。

とへこんどると。
「だってぇ、夢だと思ってたんよ。」
その原因は・・・。少し自分の行動を思い出す。
「あ、それ、あたしが悪いわ。」
「はぃ?」

ゆかちゃんに夢だとそそのかしたのは、あたしだ。こりゃ、失敬。
だって、せっかくのチャンスなんに、ゆかちゃんはあたしに寄り掛かってくるんじゃもん。

あたしだと、あ〜ちゃんにウダウダ言われながら、あ〜ちゃんにくっ付くんだけど。
まぁ、ゆかちゃんはどっちかっちゅうと、そういう風に出来ないタイプじゃけぇ、しゃーない。
なんで、ゆかちゃんが寝ぼけてればイケル!と思ったあたしは行動に出たわけだ。

そんで、それは見事に成功!

それに、ゆかちゃんに抱きつかれたあ〜ちゃんの顔をみたら、
やっぱあ〜ちゃんはゆかちゃん事好きなんと思ったから、あ〜ちゃんにも良かったねの意味を込めて、親指のサインを送っといた。
あの顔は、あたしには見せんもん・・・。

とりあえず一緒に車を降りて、歩きながら簡単に説明したら
「まったく、のっちはよけん事を〜。」
なんて言っとるけど、顔が笑っとるよ?ゆかちゃん。
でも言うと、怒られそうだから止めとく。


先に降りていたあ〜ちゃんは、もう建物の中。
あたし達が中に入ると、「二人とも遅い!」ゆうて怒られた。

うん。いつものあ〜ちゃんじゃ。

謝りながら、あ〜ちゃんへ駆け寄ると。「ほれ、行くよ。」
そう言って、あたしの肩をぽんぽんと叩く。

ねぇ、あ〜ちゃん。あたしは触られただけで、そこから心まで温かくなるんよ?知っとる?

そんで、並んで歩き出したんけど・・・。
何も無いトコであ〜ちゃんがつまずいた。

もちろん、あ〜ちゃんがコケんように受け止めたんけど、抱きかかえる感じになる。
「大丈夫?あ〜ちゃん?」
「うわw。ありがと、のっち・・・。」
お礼を言って、顔を上げたあ〜ちゃんとの距離が近くて、ちょっと見詰め合うみたいんなった。

あれ?あ〜ちゃんの顔・・・。さっきのゆかちゃん時みたい・・・。なんで?

そう思っとったら、別の人と話しとったゆかちゃんが駆け寄ってきて。
「あ〜ちゃん!」
その声にパッと離れるあ〜ちゃん。
「あ〜ちゃん大丈夫じゃよ。のっちが居てくれたけぇ。」
「良かった〜。ナイスのっち!」

ゆかちゃんがGJ!をくれた。
笑顔で返すけど、それよりあたしが気になるのは・・・。

あ〜ちゃん・・・もしかして?

なぁ〜〜んて!違うじゃろ?
だって、いっつもあんな顔せぇへんもぉん。たまたまだよ、た・ま・た・ま!

一人で考えてたら、いつの間にか二人は先に行っていて
「のーっち、置いてぐよー?」
あ〜ちゃんに呼ばれる。

「うわ。ちょ、待ってよぉw」

そうそう、これこれ。いつもの感じでちょうど良いよね?


Side A
はぁ〜、なんか今日は不意打ちが多すぎる。
ゆかちゃんものっちも・・・。

そりゃ、意識しとった所でドキドキは変わらんけどさ。
あんな焦るゆかちゃんも珍しいけど。
私にくっ付いてくる事なんて、あんまり無いからめっちゃ顔赤ぅなったし。
のっちは普段から引っ付いてきたりしてるけど、顔には出さないようにしてたんに・・・。
急に近かったけぇ、無理じゃった。

でも、ホンマ。大好きな二人が居てくれて幸せだ。
泣いたり怒ったり、笑ったり。しょーもない事言ったり。三人だから楽しい。
これからも、こんな風に過せたら幸せじゃね。


<続・天使>fin





最終更新:2008年11月13日 19:43