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もうどうしようもなく
好きだったんだね。

高校を卒業して
寮を出て。
必然的に、のっちと過ごす時間が減った。
別に寮にいた時だって
のっちとずっと一緒だったわけじゃないけど
それでも
存在を感じることはできていたから。

当たり前だと思っていた日常が
当たり前じゃなくなって

改めて自分の想いの大きさに気付かされた。


このままでいいと思っていたキモチは
もうどうしようもなくなってしまっていた。



そして、あの日
のっちのとこへ。


部屋のドアの前に立ったときの
ドキドキ感は、今でも鮮明に覚えている。
全身が心臓になったみたいだった。


ピンポーン。

ピンポーン。

「はーい。てか、ゆかちゃんどしたの?」
ドアを開けてくれたのっちの目は
いつもにましてまん丸だった。
そりゃ、いきなりおしかけてんだもん、びっくりするよね。

「急にごめん、、いやぁ、なんか引越し祝いでもしようと思って」
我ながら、なに言ってんだかっていう言い訳。
「あ、ありがとう。えっと、、じゃ、どうぞ」
「おじゃまします」

「でもまだ、全然片付いてなくて・・」
とか何とか、のっちは言ってた気がするけど
そんなの全然耳に入ってこなくって
タイミングなんか計ってたら
何も言えない気がした。

もうほんと、衝動。

すっと、のっちの腕を掴む。
「のっち?ゆかのことどう思っとる?」

何かを期待してたわけじゃない。
ただ、このキモチに区切りをつけたかった。
「友達に決まっとるじゃろ〜」
とか
「大切な仲間じゃ」
とか。
なんでもよかった。

ただ、
ゆかはそういう対象じゃない
って、わからせてくれれば
よかったのに・・


なのに、のっちから返ってきた言葉は
「…のっちは、ゆかちゃんのことが、、、好き、だよ」

わけがわかんなくなって・・・

抱きつくように、キスをした。

あまりの勢いにのっちはふらつき
しりもちをついて
後ろ手で、自分とゆかを支えるような体勢に。

「…それって、こういうことしてもヤじゃない“好き”?」

のっちを見つめる。
その澄んだ瞳に吸い込まれそうだと思ってると
のっちの
瞳が
唇が
近づいてきて。。。

やさしくキスを落としてくれた。

「…ゆかちゃん、は?」


「こんなのじゃ、物足りないくらい、、、ゆかはのっちが、好き」

言い終わるかどうか

のっちの長い腕が、ゆかを包み込むように伸びてきて
ぎゅっと抱きしめられた。





まだまだ、引越しのダンボールやらが乱雑に
ほったらかしになっている部屋の隅のベッドの上

のっちとゆかの
体温と体温が
吐息と吐息が
どちらからともなく
囁かれる甘い言葉が

ちっぽけな空間を埋め尽くしていった。


人と身体を重ねるのは
初めてではなかったけれど・・

もっともっとって
相手を欲しくなるような
カラダもココロも
もっていかれるような
そんな感覚は初めてだった。


暑さで目が覚めた。
いつの間にか、寝てしまっていたらしい。
時計を見るとAM2:30をちょっと過ぎたとこだった。

てか、“初めて”の時の夢をみるなんて・・

ほんと、どうかしてる・・
「絶対故障だ、、なんて、ね」
呟いて、苦笑い。


夢に見ただけなのに、まだ
心臓がドキドキしてる。


…のっち・・・


再び目を閉じる。




記憶がまた、旅を始める。





最終更新:2008年11月13日 19:55