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◇N-side◇
全てを話すと、涙が溢れた。あぁ…また泣いちゃった。もう流れる涙なんて無いと思ってたのに、まだ出てくるんだね。
「のっち」
ごめん…ごめんね、あ〜ちゃん。
大好きな君に、ずっと嘘吐いてたんだ。
愛する君を、ずっと裏切ってたんだ。
「あー良かった」
そう言って、あ〜ちゃんは笑った。凄く嬉しそうに笑ったんだ。
のっちが恋したその笑顔は、いつだって太陽みたいだった。いつだってのっちの心を晴らしてくれて、雪を溶かしてくれて…。
「のっちに捨てられるのかと思ってた、だから…良かったぁ」
君はいつだって、のっちの憧れで、太陽で、何よりも尊い存在で。
捨てるなんて選択肢はのっちには持ち合わせていない。手放したら、のっちは枯れてしまうから。
「許して…くれるの…?」
「うん許す、ドーンと許す」
「だ、だって…のっち二股してたんだよ…!?」
あ〜ちゃんはいつだって余りにも現実離れした女の子だから、のっちはいつも戸惑っちゃうんだ。
今だって、何を考えてるのか分かんない。そんなに簡単に許して良い事じゃないよ。分かってる?
「だって、あ〜ちゃんもゆかちゃん大好きだもん」
「え…」
「二股の相手がゆかちゃんなら、あ〜ちゃんは許します」
そう言ったあ〜ちゃんは、のっちの隣に座った。
「それにね、今までずっと悩んできたんでしょ?のっちだって、たくさん傷付いたんでしょ…?」
そっと繋がれた手のぬくもりは懐しくて。
太陽の優しさに心が震えた。




家に帰ると、ゆかちゃんが待っててくれた。
「ちゃんと言えた?」
「うん、言えたよ」
「良かったね」
いつでものっちは二人の優しさで守られてるんだ。
「今日は…なんか疲れちゃった」
「シャワーは?」
「明日の朝…」
「仕方無いなぁ」
そう言いながら、甘えさせてくれるでしょ。
「んぅ…ゆかちゃん…」
「ベッドで寝なきゃダメだよ」
「はぁ…ダメ、歩けない」
「もう」
仕方無いな、って顔して笑って。のっちの髪を優しく撫でて。甘いキスで眠らせて。
君はいつでものっちの女神様なんだよ。
「おやすみ、のっち」
おやすみ、ゆかちゃん。
のっちの女神様。


◇A-side◇


「あ、ゆかちゃん」
「あ〜ちゃん」
のっちの家を訪れると、ゆかちゃんが居た。
「のっちなら寝てるよ?」


ううん、のっちじゃなくて、ゆかちゃんに会いに来た様な物だから。
「…怒ってる?」
ゆかちゃんが恐る恐る尋ねた。
「ううん、全っ然」
「そっか、良かった」
「ビックリしたけどね」
「うん、ゆかも」
真っ暗なリビングを覗くと、着替えもせずにスヤスヤ寝息を立てるのっちの姿が。
「のっちはゆかの恋人で、あ〜ちゃんの恋人…それで解決?」
「うん」
「結局、今までと何も変わらないね」
そうじゃね、ってあ〜ちゃんは笑った。
その笑顔はいつもの優しい笑顔で。のっちに恋をしている時の、特別な笑顔で。
「可愛い寝顔…」
そっと綺麗な指先で、のっちの髪を撫でた。
「んぅ…二人共…しゅきらよ…むにゃむにゃ」
可愛い寝言に思わず吹き出しそうになって、ゆかとあ〜ちゃんは顔を見合わせて、こっそり笑い合った。


◇N-side◇


目が覚めると、夢の様な光景が広がっていた。
「あ…あぁ…」
あ〜ちゃんがゆかちゃんの肩に頭を乗せて眠っていて…ゆかちゃんがその頭に頭を乗せて眠っていて…。つまり二人がもたれ合いながら眠っているんだ。
「うぅ…グッジョブ!」
思わず写メを撮っちゃった。なんて可愛いんだ。
って、アレ?なんであ〜ちゃんがいるの?あれれ?
「ん…んん…」
「!」
あ〜ちゃんが起きた。あぁ、もう少しその奇跡の画を見ていたかったのに…。
「…ぅん…のっち…?」
「お、おはよう…なんでいるの…?」
「ん…あれ?なんでいるんだっけ…?」
「のっち知らないよ」
そうこうしていると、ゆかちゃんも目を覚ました。
「んー、おはよう〜」
欠伸をするゆかちゃん。おはよう。
「で、なんであ〜ちゃんが…」
「ゆかだけ抜け駆けはズルイじゃろ?」
「へ?」
抜け駆け?何が?
「うん、そうそうソレよ!」
思い出したみたいに言うあ〜ちゃん。そもそも抜け駆けって何ですか。
「ゆかとあ〜ちゃんはのっちの恋人でしょ?片方だけと会うなんて、抜け駆けじゃ」
「…」


言ってる意味が良く分かんなくて…のっちは混乱するばかり。
だけど、分かった事がある。
これはのっちがずっと求め続けてきた光景で、何より欲しかった二人の姿。
まるで夢みたいな、大好きな二人の大好きな姿。
本当に、二人には頭が上がらないよ。
また、涙が溢れた。
これは喜びの涙。


「…ありがとう」


二人を愛して、本当に良かった


◇2-07:End◇






最終更新:2008年11月13日 20:04