◇A-side◇
ゆかちゃんが、とんでもない作戦を思い付きやがった。
名付けて「やられたらやり返す、二股レイプ魔のっちに復讐しちゃえ☆」大作戦。とりあえず最後の☆がポイントらしい。どーゆーポイントなのかは分からんけど。
ゆかちゃんは丁寧に台本を作ってくれた。
出演者、のっち、かしゆか、あ〜ちゃん。
脚本・演出・演技指導、かしゆか。
夏休みのある日、かしゆかとあ〜ちゃんの二人は恋人であるのっちの家を訪ねた。
の「いらっしゃい!入って入って!」
か・あ「「お邪魔しま〜す」」
の「今日は泊まってく?」
か「うんそうする」
あ「あ〜ちゃんも」
の「やったー!」
か「とりあえずお風呂入ってきんさいや」
の「了解〜」
……
あ「(アドリブ)」
か「(アドリブ)」
の「あ、待って…!まだ心の準備が…!」
あ「(アドリブ)」
か「(アドリブ)」
の「だめ…っそこは…あっ!」
あ「(アドリブ)」
か「(アドリブ)」
の「い、イっちゃうよ…っあぁっ…!!」
…
……
「…って…、大事なトコ全部アドリブだよ?」
「あはは、まぁなんとかなるって」
「本気?ゆかちゃん本気で言っとるん?」
思った以上のゆかちゃんのやる気の無さに、あ〜ちゃん愕然。言い出したのはゆかちゃんなのに、やる気あるんかこの子は。
「とりあえず流れはゆかに任せて、あ〜ちゃんはのっちが逃げたら追いかける係ね」
「どんな係なんソレ」
色んな意味でガッカリな係だよ。まぁとにかく、ゆかちゃんはエロ大将だから、全部任せとけばなんとかなるじゃろ。
のっちビックリするだろうな〜。楽しみじゃー。
◇N-side◇
しばらく経って夏休みも終盤に差し掛かったある夜、二人がのっちの家にやって来た。
「いらっしゃい!入って入って!」
「「お邪魔しま〜す」」
わーい、久しぶりのお泊まりだ。ここの所ずっと二人は家族で旅行とか行ってて会えない日が続いていたんだよね。
のっちはさっき沸かしたばかりのお風呂に入る。極楽極楽。
そういえば、最近ずっとエッチしてないや。今夜辺り三人で…うひひひひ!!
◇A-side◇
「もうすぐ上がる頃じゃね」
時計を見て、ゆかちゃんが呟いた。さっきからのっちの部屋で二人でテレビを見ながらお菓子を食べてのっちがお風呂を上がるのを待っていた。
「ゆかちゃん、やっぱりやめない?」
あ〜ちゃんはどうしようもなく臆病だった。のっちに仕返し…ってゆーか色々したいけど、ゆかちゃんの台本はアドリブばっかで当てにならんし。それにいつもされる側だったから、する側の容量とか全く分からないし。
「大丈夫よ、ゆかに任せときんさい」
頼もしいなぁ。頼もしいけど、あ〜ちゃんはゆかちゃんの足を引っ張るだけなんじゃ…
すると、トントントンと、階段をリズム良く駆け上がってくる足音が。
「来たっ!」
ゆかちゃんの目がキラリと光る。あ〜ちゃんドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ…。
「あ〜ちゃん、」
「ふぇ?」
肩を掴まれた、と思った次の瞬間、唇に柔らかな感触とぬくもり。
ゆ、ゆかちゃん…!?
ゆかちゃんとキスをするのは、これで二度目だった。
「ふ…ん、!」
唇を割って、舌が入ってきた。のっちのとは違う、全てを掻き乱す様な少し荒いキス。
でも、ダメじゃ…あ〜ちゃんキスに弱いんよ。だから体の力が抜けて、ゆかちゃんの優しい腕に押し倒されて。
足音が、すぐそこまで来ている。こんな所…のっちに見られたら…っ。
ガチャ、
ゆっくり扉が開き、肩にタオルを掛けたお風呂上がりスタイルののっちが登場。
「いやーお風呂上がりのコーヒー牛乳は最こ…ブフォッ!!」
「…」
「…」
のっちは盛大に、コーヒー牛乳を吹いた。口からだけでなく、鼻からも出た。
「げほっごほっ、うーげふんげふんっ!」
派手に咳き込むのっち。あーバカ、床がコーヒー牛乳でビチャビチャじゃん、汚いなーもう。
「はぁ…はぁ…げほっ」
落ち着いたのっち。
再び大きなおめめをこちらに向けた。
今、あ〜ちゃんはゆかちゃんに押し倒されているという体勢。ちなみにさっきまでディープなキスをしていました。
「…お邪魔しましたー」
「「…」」
パタン、と静かに閉まる扉。ええええぇぇぇぇぇぇ。
「ちょっとゆかちゃん!」
「あれーおかしいなぁ、のっちなら混ぜてー!とか言って割り込んでくるかと思ったのに」
これだからアドリブは嫌だと言ったんですよ。
◇2-11:End◇
最終更新:2008年11月24日 05:19