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(K)

のっちの引力は色んなものをひきつけて離さない


1度捕まったら、なかなか抜け出せない


ゆかも例外じゃない



「…のっち」
触れた指先からぶわっと体に熱が広がる
血が沸騰しとんかな?
そんな感覚


寝とる人を勝手に触るなんて、
ゆかも悪趣味じゃね


でも髪くらい…いいよね、のっち


さらさらと流れる髪に
のっちの体温をわずかに感じて

あーこんな事するんじゃなかったな

また蘇る想い
許されない気持ち
でも好き、大好きなんよ



無理矢理押さえ付けてきた感情は
一度もれだすと、とまらないんだ
小さな小さな隙間からもれ出したそれは、溢れ出たそれは

今ではもう、自分でも、もう




「………好き…」





呟くように言葉にしたそれは
響くこともなく
静かに、消えた
現実味がなく虚しいだけだった

「ただいまーaikoさん買ってきた!!
ついでにおかしも買ったけぇ食べよーっ」

「うわっ!」
…心臓飛び出るか思った
まさかさっきの…聞かれて、た?

「…何ゆかちゃんどしたん?そんな驚いて」

「う…んーん、なんもないよ。お菓子食べる食べる」
聞いとらん…?よね
この感じじゃ聞いとらんよね

「のっち寝とるん?のっちー!
起きなお菓子なくなるよ!のっちー」


あ〜ちゃんがのっちを起こそうと何度も呼ぶけど
…なかなか起きんな
よかった、これは爆睡じゃよね…


「…のっちさっきからこの調子で起きんのよ」

「ほーなん?まー、いっか。もうちょい寝かしといたろ」



結局、のっちは時間ぎりぎりまで起きんかった


(N)
「お疲れ様でーす」


「のっち今日どうしたん?ダメダメじゃったよ」

仕事が終わって楽屋で着替え中に
あ〜ちゃんにそんな事を言われても話し半分で聞いていて

「…ん、ごめん」
「なんか元気ないね…具合悪いの?大丈夫?」
「大丈夫じゃけえ、心配せんで」

「のっち眠かったんじゃろ?
あんだけ寝ても寝たりんのねー」
って言いながら笑うゆかちゃんを横目に

「はは、ごめん」
「えっホンマに眠かったん?」
「…うん」

しっかりしいよー
なんてあ〜ちゃんに叱られながらのっちは


「ごめん、先行くね」


そう言うと、一目散に家に帰った



家につくと服も着替えんまま
ベッドに身を投げて今日の事を考える

あの後の収録
のっちはグダグタで

振りをあからさまに間違えて何回もやり直しさせちゃったり
トークでも、話が頭に入ってこんくてのり遅れたり


……だって
ゆかちゃんの言葉が、頭から離れんくて


好きって言った

ゆかちゃんは、好きって

確かに言った


ゆかちゃんがのっちを好きだなんて
考えもしなかった
だってそんなそぶり見たこと…


————っ


ズキンっと胸がきしむ
記憶をたどると…あった

脳に映し出されたのは、
ゆかちゃんの…強い、瞳だった



じゃあゆかちゃんが泣くほど好きな人はのっちってこと?

何度も泣いたのはのっちを想ってってこと?


…うそだー
そんなん有りえんよ

いつもヘタレヘタレっていじめてくるし
あ〜ちゃんにちょっかい出すと怒られるし


好きだなんて、そんなこと…


そりゃのっちだって好きだよ
今までずっと一緒にやってきた…仲間だもん
好きに決まってる


ゆかちゃんが言った好きも、
そういう意味の好きなんかな…?



だって
ゆかちゃんものっちもさ



女であって



別にそうゆう恋愛があることに偏見とかないけど
自分には関係ない事だと、思ってたんだ

ゆかちゃんは彼氏だっていたし
のっちだって…


あーどうしたらいいん

ホンマにのっちのこと好きなんかな
やっぱ、仲間としての好きなんかな
…わからんくなってきた


頭がこんがらがって
何もわからん、何も考えられん

でも

ゆかちゃんに代わる人なんていない
大好きな人、大事な人

それは何があっても変わらん

この先どうなるのか正直分からんけど
それだけはわかってるんだ






最終更新:2008年11月24日 05:26