アットウィキロゴ
あ~ちゃんは、なんだかんだ言っても結局のっちの事が大好きだし。
のっちもあ~ちゃんが大好き。
じゃあ、あたしは?

教室で、昼休み
「ちょ・・あ~ちゃ~ん」
ヘタレ王子はまたもお姫様を怒らせてしまったようで、情けない声を上げている。
「知らん知らん!のっちなんか知らんけぇ!」
調子に乗ったお姫様は、強い口調で言い放つ。
「ほら、あ~ちゃんちょっとは優しくしてあげんさい。
のっち明日から合宿いくけぇ、会われんよ?」
あたしが言うと、あ~ちゃんはチラっとのっちを見て、
のっちはそれが嬉しいみたいでパァっと笑顔になった

今日も平和だ。いつもと変わらない


放課後の生徒会室で、あたしは本日最後の書類を片付けて、
夕焼けを見てただ眩しくて目を細めた
自分にこんな眩しい思いをさせる夕日を少し恨んだ
ガタタっと、扉が開いた。

「あ~ちゃん・・・?」
あ~ちゃんは、少しの間何も言わずに黙って、にっこり微笑んで、あたしを見ていた。
あたしはあ~ちゃんの頬を照らす夕日が、やけに綺麗に思えた。
あ~ちゃんはまだ何も言わない。ただ、微笑んでいるだけ。
そして、あ~ちゃんの口元が、もごもごと少し動いたかと思うと
「きょう、ゆかちゃんの部屋に、行っても、いい?」
「うん」
こんな、どう考えてもおかしいあ~ちゃんを目の前にして、
“うん”しか言えなかった自分に心底驚いた。
あたしはもっと気の利いた、あ~ちゃんの気持ちを軽く出来る言葉を知っていたはずだ。
もっと他の、あ~ちゃんを助ける方法を知っていたはずだ。
少なくとも、のっちよりは。

あたしがそんな事を考えている間にあ~ちゃんは
「へへ・・ありがと」
そう言って、出て行った。
あたしは、まだ、あ~ちゃんの事を考えていて、
でも今、目の前にあ~ちゃんは居なくて、そのことが何だかとても、不思議だった


「おじゃましまーす」
「はい、どーぞ」
あたしはあ~ちゃんを迎え入れる
それから、お茶とお菓子を用意してあ~ちゃんの隣に座った
「で?・・・話があって来たんじゃろ?」
あたしはいつもと同じように、話しかけた
いつもと同じように、あ~ちゃんはあたしの肩に頭を乗せて、
甘えるモードになる。
妙な動悸に襲われた、けど、今は気付かないフリする
「・・・のっちが合宿行くじゃろ?それが何か嫌なんよ」
あたしはあ~ちゃんの頭をよしよししながら話を聞く
「よーわからん・・・よーわからんけど、のっちがうち以外の人と
いっぱい笑って、いっぱい思い出作って帰ってくるんが、何か嫌なんよ」


あたしの心臓はドキドキして、チクチクしている。絶対、故障だ
「ゆかちゃん?」
かなり近いところで、あ~ちゃんと目が合った。
触りたくて、しょうがなかった。
あ~ちゃんを抱き締めて、軽くキスをした
「元気出た?」
あたしが笑うと
「もぅ、結構、はずかしいんよ?」
あ~ちゃんは顔を真っ赤にして言った
心臓のもっと奥が、反応した、気がした


これはもう、確実だ。好きな人が、出来た。
でも、やっぱり気付かないフリしよう
あ~ちゃんものっちも悪くなくて、あたしがちょっと故障しただけだ
どれだけ近くであ~ちゃんを見つめても、抱き締めても、キスしても
あ~ちゃんの心には触れない。
それでいい、それでいいから。あ~ちゃんがあたしを好きで居てくれますように
あ~ちゃんに気付かれませんように
あ~ちゃんとのっちが、仲良くいれますように

そして、あ~ちゃんの心の100分の1くらいは、あたしのものでありますように

終わり






最終更新:2008年10月10日 03:40