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<side k>

のっちの部屋の前

大きく深呼吸。

落ち着け、心臓。

はぁ、、、
のっちの部屋の来るのに
こんなにどきどきしてるのは
あの日、以来だ。

    • 大丈夫。
そう自分に言い聞かせた。



ピンポーン。

ピンポーン。

「のっちー?ゆかだけど・・」



    • やっぱまだ、寝てるんかな…

もう一度、
インターホンを鳴らそうとしたとき
ガチャリ、と
ドアが開いた。

「おはよう・・・てか、ゆかちゃんどしたの?」
のっちは、状況が全然把握できてないような表情。
寝起きだと思うけど、目はぱっちり、だ。

「急に朝早くごめん、、起こしちゃったよね?」
「や、、、まぁ」
「朝ごはんでも、一緒にどうかなって」
何言ってんだ、自分・・
「えっ、あ、じゃ、どうぞ」
「おじゃまします」

「でも、のっちとこの冷蔵庫、
 今、なんも入ってないよ」
のっちの後について、部屋にあがる。

あ、なんか軽くフラッシュバック。
「ふふ」と思わず、思い出し笑い。
のっちは、びっくりしたように
「えっ?どしたの?」って。
「うん?なんか、前にも似たような
 やりとりしたよなぁ、、て」
「・・・あぁ」


のっちの部屋に入る。
心臓は、変わらずうるさいくらい
どきどきしてる。
でも、頭ん中は、少し落ち着いてきた。


よし。

「のっち、ごめん」
「えっ?」
「さっきのは嘘。ほんとは、
話したいことがあってきたの」
「あぁ、、そなんだ」
「あのね−
「ちょ!ちょっと待って!」
「?」
「顔洗ってきていいかな?
 目、覚ましてくる」
「…うん、わかった」

のっちは、洗面所へ向かっていった。


<side n>

なに!?なんで!?なにが!?

のっち、完璧にパニくってます。

落ち着け、とにかく落ち着こう。

ゆかちゃん、話があるって言った。
なんの?
わざわざ、こんな朝早く、、、なんの話?

のっち、、、、なんもしてない、、よね?
    • してない、してない。

別れ話?

いやいや、ない!
ない、ない、ない・・?

鏡に映る自分を見つめる。
また、眉がハになってるよ・・

しっかりしろ!
全くの想定外だけど、
ゆかちゃんと、やっと話ができるんじゃないか!


うん。
大丈夫。


よし。


部屋に戻ると、ゆかちゃんは
ソファに腰掛けて待っていた。

そして
その真剣なまなざしは
のっちをしっかりと捉えていた。


<side k>

「おまたせ」
そういうと、のっちは
目の前のイスに腰を下ろした。
のっちの視線がまっすぐすぎて
思わず俯いてしまう。

あぁ、、緊張しすぎて
手が震えてきた・・・

「…ゆかちゃん?」
「・・・のっち?」
「うん?」
「うまく話せるかわかんないんだけど
 ・・聞いてくれる?」
「うん」

大きく一つ深呼吸。
顔をあげ、のっちを見つめる。

「のっちは、ゆかのこと、、好き?」
「もちろん」
「うん、ゆかも、のっちのことが大好き。
 なんだけど、、、うぅん、だから
 不安になるの・・・」
「・・・」
「…誰にもとられたくないの」
「・・のっちは、ゆかちゃんだけ、だよ?」
「そう言ってくれても、、あのね、信じてないわけじゃないの。
 のっちが、ってわけじゃなく、のっちは気にしなくても
 のっちのことを気にしてる人がいたりすると、すごく
 ヤな気持ちになって、、、そんな自分がすごくヤで・・・」
「・・・」
「こんな独占欲のかたまりじゃ、いつか嫌われそうな気がして・・」
「そんなことない!」
のっちがいきなり大声出したから、びっくりした。


<side n>

「そんなに想われてて、キライになるわけないじゃん!」
「・・重い、よ?」
「重くない!」

てか、別れ話かもって思ってたのに
何この展開!
なんか、のっちめっちゃ愛されてる?
あまりの展開に思考が追いつかないんですけど。


うまく言葉を続けられないのっち。
黙り込んでしまった、ゆかちゃん。

再び、俯いてしまったので
表情は読み取れない。
でも、なにかまだ、
言いたいんだけど、言えない。
そんな様子だ。



「・・・あ〜ちゃんにも、、、嫉妬しちゃうの」
「えっ?」
顔を上げたゆかちゃんは、なみだ目になっていた。
「のっちにとって、あ〜ちゃんはどんな存在?」

      • あ〜ちゃん?
のっちにとっての、あ〜ちゃん。

答えられない、のっちにゆかちゃんは続ける。

「・・あ〜ちゃんのこと、、、好きだったよね?」
「・・・うん…でも、昔のこと、、だよ?」
「でも、すっごく好きだったよね?」
「・・・」
「ゆか、ずっとわかっとたよ。
のっちがあ〜ちゃんのこと好きなの。
 だってもう、全身から好きだってキモチが溢れてたもん・・」

ねぇ、なんて言ったらいいか、わからないよ・・


<side k>

のっちは黙り込んでしまった。
でももう、後には、ひけない。

「・・ほんとはね、“あの日”もうまくいくなんて全然思ってなくて
 諦めるために、のっちとこにきたの・・なのに・・・
 すごく嬉しかった。夢みたいだって・・
 でもね・・・・・」

この話をしないと
ゆかはずっと、あの日から前に進めないままだ。

「・・ゆかはあ〜ちゃんの代わりで
 ほんとは、誰でも良かったんじゃないのかって
 そんな思いが、ずっとどっかにあって
 消えないの」


「ない!それはない!ないない!絶対ない!」
のっちは、壊れたように
“ない”って繰り返す。


「でも、、あ〜ちゃんのときに比べたら
 ゆかのことなんか、
そんなに好きじゃないんじゃないかって
思うこと、あるもん・・」

ごめん、比べるようなことじゃないってわかってる。
のっちを困らせてるのもわかってる。
でもね、
この黒い感情を吐き出してしまわないと
次へ進めないの。

「・・ねぇ、のっちにとってのあ〜ちゃんって?」


話し終わるころ、涙が止まらなくなっていた。








最終更新:2008年12月06日 01:48