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Side K
「ゴメン。あ〜ちゃん、先に寝るけぇ・・・。」
そう言って立ち上がると、フラフラと自分の部屋へと向かうあ〜ちゃん。

「ねぇ、かっしー。あ〜ちゃんなんか変じゃない?」
「そうじゃね。」

今朝から、いつもと違うんは気付いとった。
お弁当だって、ほとんど食べずにしまっとったし、いつもしない凡ミスが多かった。

ゆかは、なんとなく原因解るけど。

「のっち、ちょっと心配じゃぁ。」
「そうじゃねぇ。」
「かっしーも心配じゃろ?」
「そうじゃねぇ。」
「あ〜ちゃんとこ行かんの?」
「そうじゃねぇ。」

「・・・・かっしー、さっきから『そうじゃねぇ』しか言っとらん。」
「あ、バレた?」
「ぃや、いくらなんでも分かるじゃろぅて。」

「えへへw。まぁ、行きたいんは行きたいけど〜、あ〜ちゃん寝る言うとったし。邪魔しちゃいけんじゃろ?」
「ん、まぁねぇ。」

しばらくのっちとダンスの練習をしてから切り上げて、汗を流して自分の部屋に戻ろうとドアの前に立ったんけど・・・。
ふと、あ〜ちゃんの部屋のドアが目に入る。

もう、寝ちゃってるよね?
そう思って、周りを確認しながらあ〜ちゃんの部屋の戸を開けて、こっそり中に入ってみる。


最初は暗くて見えんかったけど、薄明かりに目が慣れてきて少し見えるよぅんなった。
ベットで寝とるあ〜ちゃんの寝息が聞こえる。
近づいてみると、熱いのか掛け布団が剥ぎ取られてる。きっと自分でしたんだろな。

それをそっと掛け直す。
まったく、風邪引くでぇ。・・・て、たぶんすでに引いてるんと思うけど。しかも熱もあるはず。
それで、朝から変だとゆかは睨んどる。

ベットの脇に膝をついて、あ〜ちゃんのおでこに、そっと掌を乗せるとやっぱり少し熱い。
まったくもぅ。我慢しちゃってさぁ。たまには甘えんさいよ。
でも、あ〜ちゃんらしいけど。

ふふって笑うと、息を大きく吸い込むあ〜ちゃんの動きに、ヤバイ!起きたかも!と、ばっとベットの陰にくれるゆか。
息を吐き終わると、またさっきと同じ息遣いが聞こえてくる。

そ〜っと、ベットの端からあ〜ちゃんを覗いてみる。

はぁ〜、良かった〜。起きたんじゃなかったんね。
あ〜ちゃんが起きていないことに安心して、ベットに腰を下ろしてあ〜ちゃんの寝顔を見つめる。
熱があるから、じんわり汗もかいとってちょっと苦しそうじゃ。

      • ゆかがあ〜ちゃんの風邪貰ってあげる。

そう思いながら、あ〜ちゃんに顔を近づけてく。
次第に距離も近づいて、自然と目を閉じる。


そっと触れた唇の感触に違和感を感じて、目を開けたら

「何しとるん?」
あ〜ちゃんは目を閉じたまま、寝起きの力ない声でそう聞いてきた。

ありゃ?キスしとるはずなんに、あ〜ちゃんしゃべっとる。
なんにゆかはしゃべれん・・・。
何でかっていうと、あ〜ちゃんの手で塞がれとるから。

あ〜ちゃんから顔を離すと、ようやくゆかもしゃべれる状態に。
「何って、キスじゃけど?」
そう言うと、怪訝そうに目を開けるあ〜ちゃん。

「・・・・夜這いでもしに来たん?」
「そうじゃ言うたら、させてくれるん?」
もちろん冗談じゃけど、さっきまでムクれてたはずのあ〜ちゃんは顔を真っ赤にしとる・・・気がする。
なんせ薄暗いけぇ、よく見えんけど、あ〜ちゃんのコトだからきっとそうじゃ。

「なあ!そんなんありえん!」
プイッとそっぽを向くあ〜ちゃん。

「冗談じゃて〜、ホントはあ〜ちゃんの様子が変だったけぇ、様子見に来ただけぇ。」
チラッと視線だけ向けてすぐに戻された。
「じゃあ、何でキスしようとしとるん。」

「そりゃあ、あ〜ちゃんの風邪を貰おうかと思って。」
その言葉に反応して、バッとゆかの方に顔を向けるあ〜ちゃん。

「べ、別に、あ〜ちゃん風邪なんて引いとらん!」
にゃっ、まだ、隠すつもりなん?それなら・・・。

「あ〜ちゃん、自分のクセ知っとる?」
「何よ?」
「あ〜ちゃん、ウソ吐くとき鼻膨らむんよ?」
「うぇ?それマジ?!恥ずいょぉ・・・。」
恥ずかしそうに、慌てて両手で鼻を覆うあ〜ちゃん。


「くふふっ。やっぱりウソなんだぁ。」
あ〜ちゃんの仕草が可愛くて、思わず笑っちゃった。
「なん!ゆかちゃん騙したんか!」
「鼻が膨らむんは違うけど、ちゃんとクセはあるんよ?」

「どんなんよ?」
「そんなん言うたら、面白くないじゃろ?ヒミツぅ。」
「むぅw。ゆかちゃんケチぃ・・。」
たぶん教えても、あ〜ちゃんは隠せんと思うけどね。絶対目ぇ逸らすじゃろぅて。
そういう、ウソん吐けんあ〜ちゃんがゆかは好きじゃ。

「ケチじゃないもぉん。それよか、あ〜ちゃんこそ、なんでゆかに熱あるて言うてくれんかったん?」
「こんなん、寝たら直るけぇ・・・。言わんでもえぇじゃろ。」
ゆかが教えんから、ふてくされたみたいに言うてくる。

解っとる。あ〜ちゃんは心配させとぅなかったんて。けど・・・。
「・・・心配したんよ。ご飯もあんま食べとらんかったし。ぼーっとしとるし。触らせえてくれんかったし。
それに・・・言うてくれんと寂しぃんよ。ゆかじゃ何も出来んけど、あ〜ちゃんのコトなら何でも知りたいんよ。」
わざと落ち込んだみたいに言うてみると、ちょっと考えてるあ〜ちゃん。

「ん、ホンマにただ、大したこと無いけぇ、心配させとぅなかっただけなんよ。じゃけど、心配させちょうたんはゴメンさい。」
熱で潤んだ目で見上げてくるあ〜ちゃん。こんなん卑怯じゃ!
我慢できんなる。ゆかはベットに上がって、あ〜ちゃんの顔の両脇に手をついて見下ろす。

「じゃあさ、心配させたお詫びに、ちゅぅさせて。」
「な、なに言うとるんよ。ダメダメ!」
その体制に焦って、顔を半分布団に隠して、横にブルブル振って拒否するあ〜ちゃん。

「えぇ〜、いいじゃん。ちょっとくらぁい。」
「風邪うつる言うとるじゃろ?そんなんダメじゃ。」
「こんくらい平気じゃって。ね?お願いっ。」
「い〜やっ。」
「・・・あ〜ちゃんのケチんぼ。」
甘えてみたけど、ダメらしい。


ゆかがぷくっと膨れとると、少し困った顔を覗かせて
「だって・・。もしゆかちゃんに風邪うつったら、またしばらくキスできn・・・。」
途中まで言って、はっとするあ〜ちゃん。

何よ、それ。それってもしかして、ホンマはあ〜ちゃんもキスしたいってコト?
「あ〜ちゃん、可愛すぎw」
思わず笑い出す。
「そんな笑わんでもっ!・・・。」

恥ずかしくて慌てとるあ〜ちゃんの口をキスで塞ぐ。
あ〜ちゃんの唇は熱くて、ゆかのまで熱くなる。

「ぅん・・ふぁ。もぅ・・・ダメって言ったんにぃ。うつっても知らんけぇ・・・。」
唇を離すとそう抗議してくるあ〜ちゃん。
「あ〜ちゃんとキス出来んくらいなら、風邪引いた方がマシじゃ。」

呆れとるのか、何も言わんあ〜ちゃん。
「・・・もっかい、して良い?」
ダメもとで聞いてみる。そしたら笑い出して
「もぉ、敵わんわw。折角、我慢しとったのに。ゆかちゃんのせぇでぶち壊しじゃ。」

「だって、あ〜ちゃん可愛いんも。我慢できん。」
「・・じゃけぇ、ゆかちゃん、ちゃんと責任とってくれるんよねぇ?」
それって、キスして良いってコトじゃよね?
「もちろん。喜んでw」

布団の中に潜り込んで、あ〜ちゃんと向かい合う。
あ〜ちゃんの熱い頬に触れて、熱い唇にもう一度触れる。

優しい短いキスを何度も繰り返してると、もっと欲しくなってキスを深くしようとしたら
「だぁめ・・・。」
って押し戻そうとするあ〜ちゃんの顔を抑えて、そのままキスを続ける。

いつもなら負けちゃうけど、あ〜ちゃん弱ってるから力が入らないんよ。
しばらく抵抗してたあ〜ちゃんも、観念したみたいで力が抜けてく。
やった。今日はゆかの勝ちー!だったんだけど・・・。


唇を離して、あ〜ちゃんの顔を見ようとしたら、俯いてよくみえん。
「・・あ〜ちゃん?」
浅く呼吸をしとるあ〜ちゃんに声をかけると、音がぴたっとしなくなってバサっと・・・。

ありゃ?

気付けばあ〜ちゃんがゆかの上にいて・・・。
「・・・が悪い。」
ぼそっと言ったから、良く聞こえんかった。
「え?」
「あんなキスするゆかちゃんが悪い。スイッチ入れたんはゆかちゃんじゃけぇね。」

やばっ・・・。キリリとしたあ〜ちゃんのイケメン顔じゃ。時々見せるこの顔。
こ、これは、ピンチじゃ。あ〜ちゃん完璧攻めの体制になっとるぅ。
「あ〜ちゃん、頭ぼ〜っとしとるけん。どうなっても知らんけぇね〜。」
「ぁ、ちょ待っ・・。」
「待てん。」
「はぅw」
ズイッと顔を寄せて、有無を言わせん顔。

ダメじゃ、これには逆らえんのよ。
「お、お願いしまふ。」
て!何お願いしちゃってるのあたしー!

「ふは。じゃあ、いっぱいしちゃげる。」
ニコッと笑いながら、さらっとそう言うあ〜ちゃんは、いつもからは想像できんのよね〜。
だから、多分ゆかだけが知っとるあ〜ちゃん。誰にも教えんからね。


いつもより、少し熱いあ〜ちゃんの唇と指先が、ゆかの体を撫でてく。
そこからすぐ、ゆかの体も熱くなっていくんが分かる。

薄暗いけぇ、いつもより音と感触に意識が集中してしてしまう。
だから、チュッて音を鳴らしていくあ〜ちゃんのキスに、敏感に反応してしまう。

あ〜ちゃんに触られてるだけで気持ち良いのに、あ〜ちゃんにはゆかの弱いトコをすぐに探し出されて、
ゆかが反応すると意地悪そうな顔をしてから、知らん振りして次の所を指が探し出す。
しかも、今日はほとんど全身。大事なところは抜けて・・・。

それだけでかなり感じてしまっているゆか。なのに
「今んゆかちゃんの顔、そそられちゃう。」
そんな囁かれたら、恥ずかしくてあ〜ちゃんの顔見れん。

「ゃぁ、そんなん言われたら恥ずかしぃょ。」
「そう?じゃあ・・・ココは?」
「ひぃや!」
さっきは触れなかった胸の先に触れられて、声が出てしまって口を塞ぐ。

「いくない?」
指で弄びながら聞いてくる。我慢しても声は漏れしまう。
「はぁ、・・んっ、気持ち、ぃぃよ。」
「恥ずかしい?」
「・・・知っとるのに、聞かんで、よ。」
顔を見られとぅなくて、背ける。

あぁ〜、も、今日のあ〜ちゃん最悪に意地悪じゃ。そりゃ、ゆかが原因じゃけど・・・。

そんなことを考えとったら、あ〜ちゃんの指が下へ移動してるのに気付かなくて。
ビクッて自分の体が反応して、ようやく気付いた。
「ゆかちゃん・・ココ・・。」
あ〜ちゃんになぞられて水音が聞こえてくる。
「いゃぁ・・。」
「イヤなん?」
動きを止めて聞いてくる。


「・・・じゃ、ない。」
「ん?聞こえんよ?」
また、分かってるのに聞いてくる。どんだけ意地悪なん。

もう半分やけくそで、あ〜ちゃんに抱きついて
「ヤじゃないけぇ、もっとして・・・。」
「じゃあ、シちゃうね?」
どこか嬉しそうなあ〜ちゃんの声。

そう言うとあ〜ちゃんの指がゆかの中に入ってきて、体が大きく反応する。
「ああっ!ん・・・はぁ・・。」
自分の声にびっくりして、肩に口をつけて押さえる。
「ゆかちゃん、可愛ぃよ?隣ゆかちゃんの部屋しかないんけぇ、声出してもえぇんよ?」
「・・・それ、ゆかの、セリフ・・。」
「うんwそうじゃよ?あ〜ちゃんにいっつも言うとるじゃろ?」

あぁ、言ってますよ、確かに。
「もう、言わん。」
ちょい残念じゃけど・・・。
「いいけど、今はダメ。声聞きたい。」

あ〜ちゃんはどんなトコでも、ゆかの弱い所にすぐに触れてしまう。
もう、才能としか言えん・・・。

「んん、・・ぁあん。」
「ゆかちゃんの声可愛い。大好き。」
そう言ってゆかに優しいキスを落とす。

「ゆか、も、大、スキ・・・。はぁあ、んんっ・・。」
「ゆかちゃん・・、ゆかちゃ・・・…。」
少し動きが増したあ〜ちゃんの指。でも、優しい。時々意地悪じゃけど・・・。

あ〜ちゃんに何度も甘い言葉と、名前を囁かれて、その優しい手はゆかをてっぺんまで導いてくれた。


———翌朝。

Side A
ふぁ〜〜。
目が覚めて大きな伸びをする。

自分のおでこに手を当てて、熱があるか確認する。

うん。大丈夫みたい。

すっかり良くなった。ホンマに一日で治るなんて、あ〜ちゃんもなかなかじゃね。
あ、そういえば寝とる途中に、ゆかちゃんが心配して来てくれたんよね?
じゃけど、最後まで覚えとらんくて・・・。いつゆかちゃん出てったとか、何してたとか・・・。

あ、ダメ言うたんに、ゆかちゃんにキスされたん・・・だっけ?
うwwん。思い出せん。

部屋から出ると、ちょうどゆかちゃんも出てきた。
「ゆかちゃん、オハヨ。」
「あ〜、おはよ・・・。」
「ゆかちゃん、どうしたん?大丈夫?」
何か具合悪そうじゃけど・・・。

と思ったら、くしゃみをするゆかちゃん。ズズっと鼻もすすっとる。
「風邪?」
「そうみたい・・・。」
「じゃけぇ、ダメ言うたじゃろ。バチが当たったんじゃ。」
うんうんと頷いとると

「あ〜ちゃんもしたじゃん。」
「は?何言うとん。ゆかちゃんがしたんじゃろ?」
「・・・覚えとらんの?」
「あっと、ごめん・・・。その後覚えとらんのじゃけど・・・あ〜ちゃん何かしたん?」


あ〜ちゃんの言葉に呆れ顔のゆかちゃん。

何。なんよ?あ〜ちゃん何したんよ?
「あの・・・かしゆかさん?」
「・・・あ〜ちゃんには教えん。」
ゆかちゃんの顔が少しだけ赤くなった気がしたけど・・・?

うぅw
知りたいけど、知らん方がいいの?
しかも、ちょっと怒ってるっぽい。聞こうか迷っとると

「あ、ゆか風邪引いとるけぇ。しばらくちゅぅ禁止ね?」
「うん・・・。」
それはしょうがないんけど、怒っとるんが気になる。

「・・のっちのハの字眉もスキじゃけど、あ〜ちゃんのハの字も好きw」
笑いながら、ポンポンとあ〜ちゃんの頭を撫でて言う。
よぅ、分からんけど、もう怒っとらんみたいで、ほっとした。
「訳分からんけど、あ〜ちゃんもゆかちゃん好きじゃ。」

はいはいって、またポンポンされた。

それから数日後に、自分のしたことを聞かされたんがショックだったのは、言うまでもない。


<教えない>fin







最終更新:2008年12月06日 01:56