どこでどう間違えたのか…。
いや間違えていないのかも知れない。
ホントの事は誰にもわからない。
だって当事者の私が答えを出せないまま、ただ流れに身を任せているだけなのだから……。
イミテーションの温もりだとしても手放す勇気はなくて。
K『おはよう、のっち。』
N『……んん。』
髪を耳にかけながら優しい眼差しを向けてくれる愛しい彼女。
N『あぁ、おはよう〜。』
情けない声でのびをひとつ。
K『もう昼過ぎじゃけどね。』
クスクス笑う彼女に少し胸がよじれる。
昨夜彼女がいつものように泊まりに来た。
そしていつものようにお互いの体温で凍えた体を暖め合った。
だけど偽りの愛の行為では心の氷までは溶かせなくて。
K『久々の休みじゃからって気抜きすぎよぉ。』
キュッと鼻をつままれたまま私は謝る。
N『ごめん……。てか2度寝しちゃダメ?』
ゆかちゃんの口元が引き攣るのが見て取れた。
K『ふ〜ん……。』
たくらむ微笑で私に覆いかぶさり、
K『ひどい事しちゃおうかなぁ〜。』
と、黒いオーラで私を威嚇する。
N『おっ起き、起きます!!』
ガバッ!
と勢いを付けベッドから飛び出し顔を洗いに洗面所へと走った。
鏡に写る自分に自嘲気味な笑いを一つ。
きっかけは些細な事だった。
お互いに酔った上での行為。
どちらからともないその流れは一夜の激流で終わるはずだった。
なのにどこで間違えたのか…。
今もなお続く形だけの行為。
私はそれに何を求めているのか見つけられず、ゆかちゃんが何を欲しがっているのかわからず。
ただただ、一瞬の熱で体を暖める代償は心を凍てつかせていくだけ。
顔を洗い鏡を見つめ、また自分を嘲笑う。
(本当は期待してたくせに。)
頭をよぎる本音を心の氷が冷たく冷やして、いつもの日常へ戻る事を促す。
余計な事は考えなくていい。
繋ぎとめておけるならなんだっていい。
終わりが見えない恋を始まりが見えない愛にすり替えればいいだけ。
さぁ、今日も闇に向かって歩くだけだ。
闇に身を任せ考える事を放棄して得た安らぎが心を蝕んでいく……。
(続く)
最終更新:2008年12月10日 06:03