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ベッドには、天使のような寝顔のゆかちゃん。
のっちがお風呂に入ってる間に眠ってしまったようだ。
−今日も一日、忙しかったもんねぇ
そっと、髪を撫でる。
−あっ
一瞬、くしゃっと笑ったような気がした。
 −はは、かわいいなぁ。
  さっきまで、ふくれっ面だったにねぇ・・



姫のご機嫌をちょっぴり損ねてしまったのは
夕食後のやりとりが原因。

「ねぇ、のっち?」
「ん?」
「ゆかのこと、、、好きになってくれたのって
いつくらいからなの?」
「えっ!?」
なにを言い出すんですか一体。
「・・いやぁ、いつ、って言われても・・・」
「いいじゃん、教えてよぉ〜」
「てか、なんで急に」
「急に知りたくなったのっ!」
急も急だなぁ・・
「えぇ・・いつって言われても、、、覚えてないよ」
「うそ!そんなことってあるの?」
「気がついたら?」
「かもしれんけど、だいたいあの頃とかあるでしょ?」
「いやぁ、、、う〜ん、、、、」
言葉を濁すのっちに
「あぁ、なんか隠しとるときの顔じゃ」
「いやいや、隠すもなんも、、、気がついたら、だよ」
「ふーん」
ゆかちゃんは、ぷくっとほっぺを膨らませ
納得できないような表情してた。

しばらく押し問答が続いたけど
結局、ゆかちゃんがおれて諦めた形で
とりあえず、その話は終わった。


ゆかちゃんを起こさないように
そっと、ベッドに潜りこむ。


いつから、かぁ・・
それはやっぱ、曖昧だ。

ただ、のっちを救ってくれた言葉。
それは鮮明に覚えている。

でもきっと、ゆかちゃんは覚えてないと思うよ?

けど、のっちはきっとずっと忘れない。


あ〜ちゃんとあんなふうになっちゃって
それでも三人で積み重ねてきたものを崩さないよう
なにも変わってないよというように
努めてあたしは、今まで通りあ〜ちゃんに接した。
接してるつもりだった。
けど、当たり前だけど
あのことをなかったことになんて
そんな簡単にできるわけなく・・
確実に、見えない小さな溝が
のっちとあ〜ちゃんの間にできていた。

のっちは基本、一人行動派だったから
その変化に、寮とか他の周りの人たちは
気がつかなかったようだけど、
ゆかちゃんだけは、違ったんだと思う。

なんだか、気がつくと傍にいてくれた。
少しずつだけど、ちゃんと笑えるようになっていった。

なにより、二人でいるときに
自分が自分らしくいれることに気がついた。


それは何気ない会話だった。
雑誌の占いページ。
恋愛運。

ほんと、意味なんてなかったんだ。
「やっぱ、女の子の幸せって、結婚なんかなぁ…」
ぽそりと呟いた。
すると、ゆかちゃんは
「・・それぞれじゃろ?
 てか、女の子とか関係なく、誰だって
 結婚ていうか、好きな人と一緒におれることが
一番なんじゃないかな?たぶん、その形はいろいろでしょ」

当たり前と言えば、当たり前の言葉。
それをそれこそ、ごくごく当たり前のようにさらっと言うものだから

「そりゃそうじゃね」
そう言って、のっちは笑い出してしまった。

わけわかんなくって
ずっと、ゆかちゃんはきょとんとしてたっけ。


でもね、
たったその一言。
自分でもおかしなくらい、ココロが軽くなったんだ。
ほんと、笑っちゃうくらい単純じゃろ?

けどきっと
あの言葉も、あのタイミングで
ゆかちゃんが言ってくれたから
意味があったんだと

今なら、そう思う。


うん、あの時、確かにのっちは、
ずっとゆかちゃんとおれたらいいのに…
て思ったんだ。

それが、恋心とはまだ、気付いてはいなかったけれど・・


こつん。
ゆかちゃんの頭が、のっちの肩先にぶつかる。

こうして、のっちが後からベッドに潜りこんでも
ゆかちゃんは、自然とのっちの寄り添ってくる。

ゆかちゃん曰く、のっちも、、、らしいけど。

これは間違いなく“引力”じゃね。

それとも運命?


きっと起きたら、暑い!って怒られるんだろうけど・・
ぎゅっと、ゆかちゃんを抱きしめる。

てかさぁ、、、
ゆかちゃんこそ、のっちのこといつから好きだったのさ?

今度聞いてみようか。

う〜ん、、、きっと答えてくれないんだろうなぁ。


ま、いいや。


おやすみ、ゆかちゃん。








最終更新:2008年12月15日 13:31