Side A
今日はオフだからって、のっちの家に来たのにさ。
のっちは、さっきからゲームに夢中で構ってくれない。
そりゃ、突然来ちゃったあたしもあたしだけどさ。もっと喜んでくれるかと思ってたのにぃ。
「お〜い、もしも〜し。」
こうやって、何度呼びかけても
「ん〜?」
って生返事ばっかりで・・・。面白くない。
「のっちぃ〜、あ〜ちゃんヒマなんけど。遊んで〜。」
ゲームをしてるのっちの後ろから、肩に顔を乗せて言ってみる。
甘えたら反応してくれると思ったのに。
「あ〜、これ終わったらね〜。」
また気の無い返事・・・。
むぅ。なんよ!もう!
のっちなんか知らん!
一瞬、首に思いっきり噛みついてやろうかと思ったけど、さすがに自重。
今したら、手加減し無そうだもんね。
だからあたしは、のっちのベットでふて寝することにした。
Side N
今日はオフだから、思いっきり家でゲームでもしてようかな〜。
そう思って、始めたんだけど。
突然、あ〜ちゃんがやって来て・・・。
めっちゃ嬉しいは嬉しいんけど、今あたしの頭は途中のゲームでいっぱいで。
あたしが出した結論は----
とりあえず、ゲームをサッサと終わらせて、あ〜ちゃんとイチャイチャしちゃるぅー。
てな訳で、まずはゲームに一点集中ww。
途中あ〜ちゃんに声を掛けたれた気もするけど、それさえ聞き流してしまっていた。
ただ、中途半端にしてると、あ〜ちゃんと話してる最中に、ゲームのこと考えちゃいそうだったから、こっちを優先しただけだよ?
終わったら、思う存分・・・。
そして、無事ゲーム終了〜。
「よっしゃ〜ぃ。」
ふっふっふぅ。
「お待たせー。あ〜ちゃ〜ん。」
と、振り返ってもあ〜ちゃんの姿は見当たらず。
部屋をグルッと見渡しても・・・居ない。
あれ?帰っちゃった?
でも、カバンはあるから帰ってないはず。
はてさて。どこにおるんかね?
とりあえず、そこから立ってあ〜ちゃんを探す。
でも案外あっさりと、あたしのベットの中に緩いパーマを発見。
覗いてみると、すぅすぅ寝てる。
「のっちぃ〜。」
不意に名前を呼ばれた。
背中を向けてるから表情は見えないけど、この口調は夢であたしたぶん怒られてる。
なんだかなぁ〜。
ま、いっか。
それより、起こすのもなんだし、あたしも寝ちゃおっと。
ドキドキしながら布団に入るとあ〜ちゃんの香りに包まれて、安心して眠りに就いてしまった。
Side A
ふて寝をしていたあたしは、よく寝ていたみたいで、目が覚めたら、抱きしめられてるのに気付く。
後ろを見たら、のっちが一緒に寝てた。
その状態にドキドキしてるあたしは、のっちが起きてなくて良かったと心から安心した。
こんなに近かったら、ドキドキしてるのがバレちゃうから。
そしたらのっち、絶対調子に乗ってくるもん。
体ごとのっちの方に向けて、のっちの寝顔を近くで眺める。
サラサラの髪に、よくハの字になる眉。
開いてるときはクリリっとした大きな目に、よく噛む、今は半開きの口。
ちょっと間抜けな顔に笑いながら、かるく触れて確かめていく。
まったく、コレのどこに惚れたんかね?
不思議でならんわ。
う〜ん。なんか、幸せそうな寝顔に腹が立つんですが。
起こしちゃって良いですか?
Side N
んん?なんか苦しいんですけど。
突然の苦しさに、目が覚める。
目を開けると、あたしの鼻と口から手を離すあ〜ちゃんが見えた・・・。
「ぶはぁー。」
「目ぇ、覚めた?」
「・・・はぁ、あのもしかして、のっち殺されかけた?」
「さぁあ?」
視線をあさっての方向に向けて、知らん振りのあ〜ちゃん。
絶対、今殺されかけてたよねぇ?
「もう、ゲームは終わったんですか?大本さん。」
今度は鼻だけ摘んで聞いてくるあ〜ちゃん。
「ふん。おありましたよ。西脇さん。」
「・・・ゲームそんなに面白いん?」
「まあ、面白いよ?」
「ふ〜ん・・・。」
鼻から手を離すあ〜ちゃん。
な、なんだ?この微妙な空気は?
「あ〜ちゃんは、つまらん。」
まさしくつまらなそうな顔。
「そりゃ、好き嫌いはあるでしょ。」
「そ〜いんじゃなくってぇ・・・。」
「じゃあ、なん?」
「のっちが相手してくれんから、つまらん。」
はい?意外な理由。
「それって、それって。もしかして?やきもt・・」
「ちがぁう。」
言い終わる前に即答されてしまった。ちょっと悲しい。
いや、でもそれって、そうでしょ?
うわぁ。PSPにヤキモチとか、あ〜ちゃん萌ぇw。
「なに、ニヤついとん?きもぃ・・・。」
相変わらず、スパッと厳しいね〜。
「ぇは?や、なんか可愛いなと思って。」
「可愛くなんてない。」
「ん?じゃあ、超可愛い。」
「じゃけぇ、可愛くな・・・。」
「聞き分けのないお姫様はこうじゃ!」
なんだかご機嫌が宜しくないあ〜ちゃんをギュッと抱きしめてみた。
「お姫様じゃないけぇ・・・。」
そう言いながらも、ピトッてくっ付いてくるのが、可愛い。
「まだ、言いますか?」
「だって・・・のっちのがモテるじゃろ。」
「いやいやいやいや。もしそうでも、のっちはあ〜ちゃんが好きじゃもん。問題ないじゃろ?」
そう言うと、恥ずかしいのか、きゅっとあたしの服を掴んで首元に顔を埋めてきて・・・。
「い゛っ!」
なな、なんだ?
Side A
「いだいいだい!あ〜ちゃ、あ〜ちゃん!痛い痛いっ。ぃいたぁ〜いって!」
叫びながら、あたしの肩をビシビシ叩いてくるのっち。
「やぁ〜めっ・・。」
ようやくあたしを押し戻すのっち。
「あ・・・。」
「ったぁ〜。なんなん?あ〜ちゃん、なんなん?急に何しよるんよ?」
半べそのっち。
「うわぁ〜、痛そぅ・・うぃぇ。」
「・・・誰がしたんよ?誰が〜。」
「にゃは、ごめん。やりすぎちゃった。」
何が起こったかと言うと。
あたしがのっちの首に噛み付きました。
何でって言われると、アレですけど。
のっちがあんな至近距離で好きなんて言うから、ドキドキして。
ただ、のっちにばれるのが嫌で、なんか噛み付いてしまったんよ。
ほら、よく居るじゃん?照れ隠しで側にいる人をバシッて叩く人。あんな感じ?
おかげで、治まってくれたし。
「痕付いてるし・・・。」
あたしが噛んだ所を触りながら呟く。
「明日には消えとるじゃろ。」
「・・残ったらどうするんよぉ。」
「あ〜ちゃんは知らん。」
「ちょぉ、ヒドッ。」
「ゲームばっかしてた、のっちへのお仕置きじゃ。」
ホントのコトなんて言わん。
「あぅ、サーセン。気をつけます。」
でも、さすがに、噛み痕が痛々しくて。
「まだ痛い?」
そ〜っと触りながら聞いてみる。
「ん〜ん。もう、痛くないよ。」
「ふへ、良かったぁ。」
翌日、いつもの様にストールを巻いていたのっちだけど。
「のっち、今日は付いてないの?」
「付いてませんて。」
一度だけ、のっちにウッカリつけたキスマークを、ゆかちゃんに見つけられてしまって。
それ以来、時々ゆかちゃんチェックがはいる。
それから、気をつけてたから無かったんだけど。
まさか、薄っすら残るなんて・・・。迂闊だった。
「な〜んだ、つまんないのぉ。」
良かった〜。あんまり迫られると、のっちボロ出しそうだから、ゆかちゃんそのまま引いて下さい。
「つまんないって・・どうよ?」
「あー!のっち!」
突然のゆかちゃんの声に、指差された方を見たのっち。
あぁ〜、ばか・・・。頭を抱えるあたし。のっち、素直すぎ・・・。
グイッとストールを引っ張られて、見事にゆかちゃんに発見された。
「何コレ?」
なんの痕か判らずに首を傾げるゆかちゃん。
「ぃや。これは・・その・・・。」
慌ててストールを巻き直すのっち。
「歯、がた?」
「ぅえ・・。」
あ、ばれた。
「うわぁ、噛まれたん?あんた、あ〜ちゃんに何したん?てか、どこまでMなん。」
「そぉんなんじゃないってw。ちょっと、ゲームに、夢中になりすぎた、だけだよ。」
チラチラとあたしの方を見てくるのっち。そして、ニャハと笑うゆかちゃん。
「な〜んだ。あ〜ちゃんの屈折した愛情表現じゃん。そりゃ、キスマークと変わらんわ。」
ちょっと!ゆかちゃん!
「え。そうなん?」
のっちが確認して、聞いてくる。
「ぇあ?あぁ、違う違う。ただのお仕置きじゃけぇ。」
雑誌に目を向けて、出来るだけ、普通に返す。
「違うってさ、ゆかちゃん。」
ゆかちゃんに向き直るのっち。今は素直な子で良かった。
「良かったなぁ、のっちぃ。」
「えっと、なんで?」
それには答えずに、ただただ、ニコニコとしているゆかちゃん。
「何々?なんなん?のっち解らん。」
のっちは、解らんでえぇんよ。
ちょっと意地悪なゆかちゃん。もう、勘弁してください。
<照れ隠し>fin
最終更新:2008年12月15日 13:43