『こらのっち!!』
『何で自分の名前を間違えるん?!ありえんじゃろ!』
『ほ〜んまありえんわっ!』
今日も私は二人に怒られている。
でも、『あ〜ちゃんです』なぁんて自分の名前を間違えるとか、自分でも呆れる。。
『反省しとるん?!』
あ〜ちゃんにビシッと言われる。
『はい…してまぁしゅ…』
『うわ、噛みよるわ!』
ゆかちゃんに爆笑される。
いつもの光景。
でも…ほんとは違うんよ…
ねぇ…ゆかちゃん…
のっちの ゆかちゃん…。
『のっちは本当に段取りをいつも間違えすぎなんよ!』
『んん…ごめんなさい。迷惑かけて。。』
ゆかがまた叱ると、のっちはシュンとした肩をさらにシュンとさせた。
『ほれ〜のっち、差し入れのアイス食べんしゃい!溶けるよ〜!』
しかしあ〜ちゃんのその言葉で、いつもの空気に戻る。
『頑張った後のアイスは美味しいね〜!』
ほら、さっきまでシュンとしていたえんどう豆が、デレデレした顔でアイス食べてる。
『あんた頑張ってないじゃろ!!』
『でへへぇ。』
いつもの光景。
でも…ほんとは違うんよね…
ねぇ…ゆかの王子様…。
今日の仕事はもう終わり。
失敗しちゃったけど…また明日から頑張るか。
『あ、かしゆかちゃん。』
帰り支度をしながらアイスをほおばっていると、一人のスタッフさんがゆかちゃんに話しかけるのが視界に入った。
ゆかちゃんは小悪魔。
ゆかちゃんから放たれる空気に触れた者は、みんなゆかちゃんの虜になる。
ほら、今だってそう。
『……………。』
私はアイスをテーブルに置く。
一瞬ゆかちゃんと目が合う。
私はすぐにそらす。
『ねぇあ〜ちゃん、のっちトイレ行ってくるけぇみんな先に車乗っといて。』
『早よ戻っといでよ〜。』
あ〜ちゃんは手をヒラヒラさせる。
控え室を出る私の背中に、誰かの視線がささる気がした。
ゆかちゃん…
…分かってるよね?
『あ、かしゆかちゃん。』
帰り支度をしていると、スタッフさんに話しかけられた。
このスタッフさんはカメラのことをよく教えてくれる。
ドキッとしたけど、話をしないわけにはいかない。
チラッとあの人を見ると、視線がぶつかった。
でも…そらされた。
あ〜ちゃんに何かを言って、控え室を出るあの人の後ろ姿を私は見つめた。
のっち…行かないで…行かないでよ…。
『お疲れ様、ゆっくりやすんでね。』
スタッフさんのその声で、我にかえる。
『あ…、はい。お疲れ様です。』
『ゆかちゃーん、車行こ!』
あ〜ちゃんと二人で車に移動する。
『のっちならトイレだよ。』
あ〜ちゃんには全てお見通し。
『そっか…。』
『ゆかちゃん…大丈夫?』
私は苦笑いするしかなかった。
のっち…
分かってる…分かってるよ…。
『もっさん、今日ゆかの家には寄らんでいいよ。』
続く....
最終更新:2008年12月15日 13:51