トイレの鏡で自分の顔をじっと見る。
いけん…まだいけん…。
まだ‘のっち’でおらにゃいけんのよ…。
自分の中から溢れてきそうになる、黒い感情をグッと飲み込み、私は車に向かった。
私が車に乗り込むと、すぐに動き出した。
ふいに携帯が鳴る。
ゆかちゃんからだ。
『今夜はのっちのお家に泊まります。』
後ろに座るゆかちゃんをチラッと見る。
慌てて目をそらすゆかちゃん。
これから始まるであろうことを考えるだけで、私の喉はゴクリとなった。
『お疲れ様でーす。ばいばいあ〜ちゃん!』
私とゆかちゃんは揃って車を降りた。
マンションに入り、エレベーターに乗る。
私たちは一言も言葉を交わさない。
鍵を開けて部屋に入る。
脱いだ上着をソファに置く。
ゆかちゃんは玄関から入ってこない。
『部屋…あがりたい?』
私は冷たく言う。
『…あがり…たい…です…。』
俯いてボソボソと答えるゆかちゃん。
『いいよ。入んなよ。』
『…はい…。』
さぁゆかちゃん…
お仕置きの始まりだよ…。
のっちはソファに座り、私を見つめている。
冷たい視線に立ちすくみ、固まってしまう。
『ゆかちゃん…今日はどんな悪いことをしましたか?』
表情を変えずに、問いかけてくる。
あぁ…はじまる…
『き、今日は…ゆ、ゆかは…』
震えてうまく喋れない。
『聞こえん!!!!』
怒鳴るのっち。
あぁ…はじまる…はじまるんだ…。
『今日…ゆかは…お、男のスタッフさん…と…二人で、お話を…し、しました…。』
のっちはニヤリと笑った。
『いけんって言ってるよね?ゆかちゃぁん…これで何回目かなぁ?』
座ったまま、腕を伸ばして私を引き寄せるのっち。
『で、でも…ゆかは…』
『言い訳はいらんて言うとるじゃろ!!』
大きな声を出すのっちに、ビクッとしてまた俯いてしまう。
『悪い子にはまたお仕置きが必要じゃね…。もう分かってるよね?ゆかちゃん…』
のっちは不敵な笑みを浮かべた。
(続く)
最終更新:2008年12月16日 22:50