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今日仕事が終わると、あ〜ちゃんが家に来た。
あ〜ちゃんは今お風呂に入ってる。
先にお風呂を済ませていたのっちは自分で作った梅酒を飲むことにした。
ソファーに座り、目の前のテーブルに置かれたあ〜ちゃんが買ってきたお菓子を眺めているとなんとなく緊張してる自分に気がつく。
久しぶりにお客さんが来たからかな。
ううん。たぶん違う。
バタバタと脱衣所から音が聞こえて緊張が高まる。
ほら。やっぱり。
ピンクのパジャマを着て、パーマのかかった長い髪をタオルで拭きながらあ〜ちゃんはこっちにやってきた。

「のっちー、お風呂ありがとぉ」
「あ…うん」
「ん?何を緊張しとるん?」
「き、緊張なんかしとらんよ」
「ふふっ、あ〜ちゃんのお風呂上がり姿がセクシーとか思っとるんじゃろ」
「しょんなこと…」
「噛んどるし。」

あ〜ちゃんはにこにこしながらのっちの隣に座る。
あー自分の心臓がうるさい。
あ〜ちゃんはのっちの気持ちなんて知らんから冗談でたまにこういうことを言う。
言われる度に心臓がバクバクしてることなんてもっと知らないだろう。
自分の胸が痛いのはお酒のせいにしようと梅酒をまた口に運ぶ。


「のっち」
「ん?」
「それ…おいし?」

あ〜ちゃんはのっちが持ってるグラスを指差す。

「…うん。おいしーよ。でもお酒だからあ〜ちゃんは飲めないよ。」
「何のお酒?」
「梅酒だけど」
「ふーん。梅酒かぁ…あ〜ちゃんちょっと飲んでみたい」
「ダーメ。さっきも言ったでしょ。あ〜ちゃんまだ19歳なんだから。」
「何なんよ。ちょっとのっちの誕生日の方が早いからって大人ぶってさ…」

あ〜ちゃんはほっぺをぶーっと膨らませてのっちをじっと見つめる。
そんな顔されたらのっちはあ〜ちゃんに逆らえない。
グラスをあ〜ちゃんに差し出す。

「…ちょっとだけだからね。」
「やったー!」
「あっ、あ〜ちゃん!!」

あ〜ちゃんはのっちからグラスを奪うと一気に全部飲み干した。

「ふへへ…おいしー」
「あ〜ちゃん…ちょっとだけって言ったじゃんかぁ」
「別にいいじゃろぉ」

お酒が飲めたからか、酔っているからか上機嫌なあ〜ちゃん。
あぁ…ゆかちゃんにあ〜ちゃんにお酒飲ませてしまったことを知られたらどうしよう…。
人の心配もよそに、あ〜ちゃんはのっちに擦り寄ってきた。


「のっちぃ」
「何」
「ポッキーゲームせん?」
「え…!?」

テーブルに置かれたお菓子の中からポッキーを取り出し、のっちの目の前に。
あ〜ちゃんのほっぺはさっきより紅い。
これは完全に酔ってるのかな。
だったらこの流れに任せた方が自分にとって得策なんだろうと、黙って頷く。
あ〜ちゃんは片端を口にくわえて、のっちがくわえるのを待っている。

あ〜ちゃんは酔ってるし、のっちの気持ちも知らないんだと言い聞かせて、もう片端をくわえた。

段々と近づくにつれ、鼓動は高まる。
後少しで唇が触れるというところで離れようとしたら、あ〜ちゃんにグッと腕を引っ張られ、気付くとそのままあ〜ちゃんを押し倒したような体勢でキスをしていた。
身体を離すとあ〜ちゃんと目が合う。
その目は凄く真剣で。
あ〜ちゃんに唇をそっと撫でられる。
もう一度唇を重ねる。さっきより深く、甘く。
あ〜ちゃんの吐息に自分を止められなくなる。
首筋に唇を落とすと、あ〜ちゃんはのっちの耳元で囁いた。



のっち、わかったよ。
お酒なんてただのきっかけで、もしもの時の保険であって。
あ〜ちゃんものっちと同じ気持ちだったんだね。

酔いが覚めてもこの熱は冷めないように、あ〜ちゃんの胸元に紅い華を咲かせた。


おわり







最終更新:2008年12月16日 22:55