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きちんと付き合うことになって
初めての、のっちの誕生日。

のっちの20歳の誕生日。

当日は、仕事があって
ゆっくりとはお祝いできなくて
それからしばらく経った
オフに二人でお祝いすることにした。

のっちは、ちゃんと誕生日にしたかったみたいだけど
ゆかは、ゆっくりと過ごしたかったから、結局、今日。


だって・・・

「うわっ!めっちゃ美味しそうじゃん!
 これ食べていいの?」
「当たり前じゃんwそのために作ったんだから」
目を輝かせて、うきうきするのっちの姿は
完全に、しっぽを振って喜ぶ犬、そのものだ。

そう、いつもは作ってもらうことが多いから
誕生日くらいは(てもう過ぎちゃったけど)
ゆかが、ご飯を作りたかったんだ。

のっちは朝は弱いから、簡単な朝ごはんくらいは
作ったことあるけどさ・・・
こうして、ちゃんとしたのを作ったのは初めて。

「いただきます!」
満面の笑みで、料理を大きな口にはこぶのっち。
「うまし!めちゃうまいよ!」
「ほんと?よかったぁ」

普段、全然料理なんてせんから
内心ドキドキしてたんよね。

「のっち、幸せすぎて死ぬかも」
「それは大袈裟じゃろw」
「いや、まじで。これは予想外の嬉しいプレゼントじゃね」
「ほんま?」
「うん、あれもかなりびびったしw嬉しかったけどさ〜」

のっちが指さした先には、羊のロッキンチェア。
誕生日前日に、みんなでサプライズパーティしたときにあげたものだ。

「いつも作ってもらってばっかだから」
「そう?でものっち、そんなに上手じゃないけどさ」
「んなことないけぇ。いつもおいしいよ?」
「そ言ってくれると嬉しいよ」
「てかさぁ、ちゃんと作れるんだから
 普段から、作って食べんさいや。
 お弁当とかばっかじゃと、栄養偏るよ」
「あぁ・・まぁ、そうなんじゃけど」
「じゃけど?」
「一人分てめんどくさい」
「・・・」
「やっぱ、食べてくれる人がいると違うよ。
 てか、ゆかちゃんがおったら、のっち絶対ちゃんとする」
「ゆかがおらんとあかんの〜?」
茶化すように聞くと
「うん、あかん。ゆかちゃんがおったら
のっち、ちゃんとした人になれる」

あなたがあまりにまっすぐすぎるから
天邪鬼なあたしは
「じゃ、ちゃんと教育してあげるね」って。

照れ隠し。あぁ、素直じゃないなぁ・・
ほんとは、嬉しくて仕方ないくせに。


ご飯の後片付け。
別にいいよって言ったのに、のっちは手伝ってくれた。

隣同士並んで、お皿を洗う。
はなうた混じりののっち。とてもご機嫌のようだ。
少しだけ背の高いのっちを見上げる。
ふと視線がぶつかる。
「ん?どしたん?」
「いやぁ、のっちまたでっかくなった?」
「そっかなぁ?だとしたら、、、ヤだな」
「なんで?」

ゆかは、この身長差、けっこう気に入ってるのに。

「なんとなく?」
「なにそれw
あ、でもゆかはもうちょっと身長ほしいかも」
「それは、ダメ!」
「なんで!?」
「だって、今くらいが、
ぎゅっとしたときにいい感じなんだもん」
「なに言っとるんw」

ダメだ、ゆか絶対にやけとる。


片づけを終え、リビングへ。

さて、、、と。

「のっち?」
「なに?」
「はい、これ」
「えっ?」
「プレゼント」
「えっ、でも、のっち、もう十分すぎるほどもらっ−
「いいから!」

そっと、プレゼントを紐解くのっち。

「うわっ、めっちゃかわいい!」

ゆかがあげたのは、ピアス。
せっかくだから、身につけるものをあげたかった。
でも指輪じゃ、なんか重い気がしたし、
実際、常に身につけるってのは、いろいろな事情で難しい。
あまり、目立たないけど、ずっとつけていてもらえるもの・・
考えに考えた結果が、ピアスだった。

「つけていい?」
「もちろん!」
すっと、のっちの手が左耳のび、
さっとピアスをつける。
予想通り、シンプルでかっこよくて、のっちにぴったり。
「どう?似合う?」
「うん。似合うよ、かっこいい!」

けど、のっちは、もう一つのピアスを
なかなかつけてくれようとはしない。
しかも、なんか言いたげ・・

「…のっち?」
「・・あのさぁ、、こんなに至れり尽くせりで、、、
 さらに、わがまま言うのもどうかなって思うんじゃけど・・」
「なに?」
「…もひとつのピアスさぁ、、、もちろん
のっちへのプレゼントってのはわかってんだけど
 ゆかちゃんがつけてくれんかな?」
「えっ?」
「のっちは、、、ゆかちゃんと“お揃い”が、いい」

あぁ、もう反則じゃろそんなの?
のっちの誕生日祝いなのに、ゆかのことを
こんなに喜ばせて、どうしたいのさ?


ほんとは、お揃いのものが欲しかった。
けど、恥ずかしくて、自分からはいいだせなくって・・

「・・いいの?」
「うん!むしろ、つけて欲しいw」

もひとつのピアスを、そっと左耳へ。


「…どうか、な?」
「うん。めっちゃ、似合っとるよ」

お互い照れくさくって、目をあわせられずに笑っていると・・


ふいに、のっちに抱きしめられた。
「ゆかちゃん、、ほんとにありがとう。
 今までの人生で最高の誕生日になったよ」
そう言うと、のっちの唇がゆかのに重ねられる。

「今夜は、、、のっちの好きにして、、、、、いい?」
「・・・うん、いいよ。今夜は、、ね」

なんて、、、、
ほんとは、ずっと好きにして、いいのに。。。

深く深く、口付けられて、何も考えられなくなる。

「じゃ、お言葉に甘えさせていただいて・・
 それと・・・・」
のっちの大きな瞳と視線がぶつかる。
「ん?」
「今日のお礼に、最高にキモチよくしてあげる、ね」

そのコトバを合図に、
ゆかとのっちは、
最高にキモチいいとこまで、堕ちていった。


来年も
これから先もずっと

あなたのそばにいるのは
ゆかでありたいの。


ねぇ、のっち。
いいでしょ?


ゆかの全部をあげるから。







最終更新:2008年12月16日 23:18