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Side K
のっちが最近気になっていた子は、どうやらあ〜ちゃんだったみたい。
あ〜ちゃんとは高校が一緒だから、知っているし、仲も良かった。

「えぇ?でも、あんまり話してないよね?もしかして、ケンカでもしちゃったの?」
「ケンかはしてないんだけどぉ・・・。ちょっとねぇ〜・・・」
「ん?」


———あ〜ちゃんと仲良くなったのは、高校2年の時。

同じクラスになってからだった。
それまでも、あ〜ちゃんの存在は良く知っていた。
元気で明るい子だから、自然と周りには人が集まってくる。

私も、クラスでインパクトのある自己紹介をした、そんなあ〜ちゃんに惹かれた一人。
でも、私ものっちと同じで、自分から声を掛けれるほうではなくて、あ〜ちゃんから声をかけてくれたんだ。
『キレイな髪の毛だね。』って褒めてくれたっけ。

そこから、自分が思っていた以上に仲良くなっていて。
落ち込んでいるときでも、あ〜ちゃんの顔を見れば自然と笑顔になるくらい大好きになってた。

誰とでも仲良くなれるその性格は、男女双方から好かれていて、告白されることも結構あったけど。
でもあ〜ちゃんは、誰とも付き合うことはなかった。
理由を聞いたら、どうやら高校に入る少し前に、絡まれてる所を助けてくれた人がいて、その人をずっと探しているらしい。


3年になっても、あ〜ちゃんとは同じクラスで。

その人に関してあまり深くは追求しなかったけど、探してきた次の日にはいつも、
『昨日もダメだったぁ。』って私にだけ話してくれて、それがちょっとだけ嬉しかったんだけど。
そんなに想ってもらえる、その人が羨ましいと感じるようになって。
自分はもしかして、あ〜ちゃんの事好きなんじゃないかなと意識しだしたのを憶えてる。
初めは同性なのに・・・なんて思ったけど、好きなものはしょうがないよね?

だから不意に
『ねぇ、あ〜ちゃんはその人のこと好きなの?』
そう聞くと、少し顔を赤くして
『どうかなぁ?一回しか会ってないし、よく分かんないけど・・・あの日からずっと気にはなってる。
それだけは言えるかな。』
『じゃあ、好きなんだ。』
『いや、まぁ、好きといえば、そうなるかも。でも、会ったら、な〜んだってなるかもしれないし・・・。とにかく、会わなきゃ分かんないよ。』
『そっか、じゃあ、早く会えると良いね。』

話してる間にも、どんどん顔が赤くなっていくあ〜ちゃん。
こりゃ、相当好きだね・・・。

でも、その人に敵わないと思いつつも、卒業までに気持ちだけは伝えようって決めた。

あ〜ちゃんも私も大学への進学を選んで、第一希望は同じ所を受けることになった。
そして、試験当日。


会場で席に着いた私の目に入ってきたのは、異常にそわそわしてる前の席の子。
私が、思わず声を掛けてしまったくらい。
ビクッとしたその子は、背中を丸めてそ〜っと後ろを向いてきて、すごい不安そうな顔をしていた。

それが、のっちとの初めての出会い。

『そんなに緊張してたら、出来るものも出来なくなっちゃうよ?はい。深呼吸して〜。』
そう言うと、何度か深呼吸をしたのっち。
そしたら、だいぶ落ち着いたみたいで、お礼を言われて試験が始まる。

途中で、気になってのっちの方を見たら、ちゃんとやれてるみたいで良かった。

そして、時間がきて無事に?試験も終わった。後は結果だけ。
終わってすぐにのっちが振り向いて、
『試験の前はありがとう。おかげで、落ち着けたよ。』
『そっか、それは良かったわ。受かると良いね?』
『うん!それじゃ、あたし帰るね。またね〜。』
そう言ってのっちは、あっという間に帰っていってしまった。

この時、すっかり名前を聞くの忘れてたんだよね〜。
でもなんか、また会えそうな気がして、あまり気にならなかった。
そこへ、一緒に来ていたあ〜ちゃんがやってきて
『ゆかちゃん、今の子知り合い?顔見えなかったけど。』
『ん〜ん。たまたま前の席に座ってた子。すんごい緊張してたから、思わず声掛けちゃった。』
『そっか。・・・で、どうだった?』

『結構、出来たよ?』
『ホント?良かった〜。』
『あ〜ちゃんは?』
『あたしも!いい感じ!』
満面の笑みで答えてくれるあ〜ちゃん。
やっぱり、この笑顔大好きだなぁ・・・なんて思いながらあ〜ちゃんと一緒に会場を後にする。


後日、合格発表であ〜ちゃんと揃って、無事に合格を確認した。
あ〜ちゃんは、もうボロボロに泣きまくって、携帯で家族に報告してるけど、
『うがっだw』ってその一言しか言えなかったみたいで、後はひたすら泣いてた。

そんなあ〜ちゃんの頭やら、背中を撫でていると、
あ〜ちゃんがポンと私の肩に頭を預けてきて、自分の鼓動が早くなったのと同時に、
あ〜ちゃんにばれませんように、って分からない何かにお願いしたんだよね。

卒業まで、あと少し・・・。



そして、その日はやってきた。


    • つづく--







最終更新:2008年12月21日 04:23