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(K)
「もうやだ…」

楽屋から飛び出した
のっちから逃げた

あんな風にしちゃったらダメじゃん
あんな…


もう、やだよ


連絡するなとか
こんなの、全部ゆかのわがままだ
自分勝手のエゴだ


Perfumeがダメになるとかそれっぽいこと言って、
ただのっちを取られたくなかっただけのくせに


のっちはゆかの物でも、なんでもないのに

ゆかの物には、絶対ならないのに


それでものっちが好きだよ…



誰も来ない廊下のすみっこで丸くなった

冷たい空気に包まれても、冷えた廊下の上にいても
ゆかの温度は下がらなかった

なんであんな事言っちゃったんだろ
なんでこんなに好きなんだろ

気持ちが溢れる


我慢我慢と思うほどに我慢できなくなる


好きだ好きだと思うほどに好きが大きくなる


もう、…どうしようもない


(N)

ゆかちゃん

ゆかちゃん


心の中でたくさんゆかちゃんを呼んだ
どこにおるんよ

とにかく見つけ出さんと
連絡なんかせんよって伝えんと
安心させてあげんと


…でものっちは一体
ゆかちゃんに何をしてあげられるんだろう


連絡せんから安心して


そう言えばゆかちゃんは満足すんの?

気持ちが落ち着くの?

二度とあんな顔しなくなんの?


…違うでしょ


そんな…簡単なもんじゃないでしょ


じゃあのっちは、どうしたらいいん
今、どうするべきなん…

ゆかちゃん
どうしたらいいんか分からんよ…


(K)


のっち

のっち

のっち


心の中で何度も呟く
大好きな人の名前


好き

好き

好き


閉鎖された空間の中では
こんなにはっきりと言える言葉


ぎゅっと握りしめていた手をそっと開いた


手を繋ぎたい


その気持ちすら、許されないのは


ゆかが女の子で
のっちも、女の子だから


そればかりは、どうにもならないんだね



「ゆかちゃん!!」
ふいに名前を呼ばれ、パッと顔を上げたら
息を切らしたあ〜ちゃんが立っていた

「…あ〜ちゃ、」
ふわっとした空気に引き込まれたと思ったら
あ〜ちゃんの腕の中にいた


「…ゆかちゃん、ごめん!
あ〜ちゃんホンマにアホな事言いよった。
ホンマ、ごめんなさい」


あ〜ちゃんの温かさに、凍りついてた心が
少しづつ溶かされてゆく気がした


「…ん〜ん、ゆかも…ごめんなさい」
「なんでゆかちゃんが謝るんよ。悪いのはあ〜ちゃんじゃ!」


違う、違うんよあ〜ちゃん


ゆかはね、純粋な気持ちであんな事を言った訳じゃないんよ


ゆかは…


「ゆかちゃん!あ〜ちゃん!」


(N)

見つけた!

あ〜ちゃんもおる…
あ〜ちゃんが先に見つけだしてくれていて
…内心、ちょっと安心した


「ゆかちゃん!あ〜ちゃん!」
2人に駆け寄って膝をつく


のっちができること


「のっち遅い」
ゆかちゃんを抱きしめていたあ〜ちゃんは
腕をといてこっちを見た

「ご、ごめん」
ゆかちゃんは…まだこっちを見てくれない



のっちができること



「ゆかちゃん…」
名前を呼ぶと、ゆっくり顔をあげる
でもまだ目は伏せたまま


「ゆかちゃん、のっち連絡したりせんからね」


スッと視線がぶつかった
途端にゆかちゃんの目からは涙がこぼれた



のっちができることは



「…のっちもごめんなさい。軽いこと言って…」
あ〜ちゃんの目にもうっすらと涙が…!

「ああああ〜ちゃん!あ〜ちゃんまで泣かんでよ〜」

「だって、…こんな、うぅ…ごめんなさ、い…」
「あ〜ちゃんごめん、ゆかのせいでっ…ひっく、」
「うっ…だ、から〜!ゆかっちゃんは、謝らんで〜!」


子供みたいにわんわん泣く2人を見て
なんだか安心した


「…うぅ〜、のっち、何ニヤけとんのよ!」
「へっ?あーごめんごめん」

「そもそものっちがダメなんじゃー!
のっちがあんなん貰わんかったら、こんな事にならんかったのに!」

「へっ?」
何を言いますか、あ〜ちゃん

「…そうじゃ、そうじゃ」
ゆっゆかちゃんまで!

「なっなんでそうなるんよー」


いつもの3人に戻った
やっぱいいね、素晴らしいね
ちょっとやそっとじゃ、Perfumeは崩れない


そこには大きな信頼があるから
絶対に切れない絆があるから


のっちがゆかちゃんにできること、それは




ゆかちゃんの気持ちを





受け入れることだ







最終更新:2008年12月21日 04:27