「で、どうなったん?」
目の前でぼんやりとした顔で座っているのっちに尋ねる。
結果はなんとなく聞かなくても解ってたけれど、浮かない表情が気になったから。
「ん。うん。」
のっちは穏やかな表情でにっこり微笑む。
「そっか。」
ゆかもつられて微笑む。
うん、そういうことなんだね。
今日、二人が一緒に楽屋に現れた時から解ってた。
あ〜ちゃんは久しぶりにすっきりとした晴れやかな表情だったし、のっちはのっちで落ち着いた雰囲気だったから。
昨日の夜、ゆかの家を飛び出したかいもあったってことで。
じゃああの後送ったメールも少しは役に立ったのかな。もしそうだったら嬉しい。
「大事にするんよ?」
「うん。」
頷いたのっちの表情は頼もしくて。
ちょっとだけ、あ〜ちゃんがどうしてこんなアホの子が好きなのか解った気がした。
ほんのちょっとだけだけどね。
「でも。」
「ん?」
「結果的にゆかちゃんが背中押してくれたから、ああいう気になれたけぇ。…少し、情けない。」
「だからそんなに眉が八の字なん?」
ちょいちょいとのっちの眉間をつつく。
こくりと頷くのっち。
ほんと、真面目なんじゃから。
「ねえ、もしかしたらあ〜ちゃんともども勘違いしてるのかもしれんけど、結局ゆかは手を貸しただけよ。最終的に選んだのは全部二人なんよ。自信、持ちなさい。」
のっちはそれでも不安そう。
なんだろうね、男の子みたい。
本当は不安で不安で仕方ないのに、大好きな人の前では精一杯虚勢をはって。きっとあ〜ちゃんの前では大丈夫だよって笑うんだろうな。
「のっち。のっちなら大丈夫。ゆかが保障するけぇ、間違いないよ。だいたい、もう五年ごしくらいの片想いじゃろ?」
「ちょ、な、な、なんで知って…。」
途端に慌てだすのっち。
「ゆかは何でも知ってるの〜。てか、ばればれよ?」
「じゃ、じゃあまさかあーちゃんも…。」
「どうかねえ?ああ見えてあ〜ちゃん天然じゃから。」
「二人とも何の話しとるん〜?」
「あ、あ〜ちゃん、のっちが…。」
「何もない!!」
うん、何も変わらない。
ゆか達三人はやっぱりこんな感じでやってける。
「何でもなくないじゃろ、っていうかのっちうるさい。」
「え、う、うう…。」
「痴話喧嘩ならよそでやってね。」
「「ゆかちゃん?!」」
というわけで、この件は一件落着。
になるかはわからないけど。
とりあえずは、めでたしめでたし、かな。
あーあ、ゆかにもはやく王子様があらわれないかなぁ。
あんなヘタレな王子様は嫌だけどね。
㉂Final(side ksyk) END
最終更新:2008年12月23日 01:25