ソロの撮影を終え、控え室に戻る。
次の仕事の時間が迫っている。
早く着替えないと。
あ〜ちゃんはすでに車に向かったみたい。
のっちは何やら部屋をウロウロとしている。
どうやら、指輪をなくしてしまったらしい。
スタッフさんもみんなもう移動してしまった。
『ねぇ…まだ見つからんの?』
『うん…無いわけはないんじゃけど。』
『時間ヤバイよ。あんた、カバンの中もっかいよーく見てみたら?』
もう見たもん…とぶーぶー言いながらゴソゴソとカバンをあさるのっち。
すると目が大きく見開く。
『あ、あった!!!!』
私はため息をついた。
のっちは昔から本当におっちょこちょいで危なっかしい。
だけど…大事な場面ではちゃんと守ってくれる…。
『ゆかちゃんごめんね!急ごう。』
ふと目が合う。
のっちと二人の空間。
自然に引き寄せられる二人。
答えはひとつ…。
顔を近づけ唇を合わせる。
その時。
『あ〜ちゃん携帯忘れ……!』
!!!!
私たちの目には、固まるあ〜ちゃんの姿があった。
『あ〜ちゃん携帯忘れ……!』
言葉を失い固まるあ〜ちゃん。
昔、三人でいる時ふざけて頬にキスしたりしたことはあった。
だけど…今誰もいない二人きりのこの空間では、
どう考えても誤魔化すことはできない。
『な…何してる…の…。』
『あ〜ちゃん、ち、違うんよ!』
慌てるゆかちゃんをよそに、
あ〜ちゃんは携帯を手にとり走っていってしまった。
『のっち…どうしよう…。』
今にも泣き出しそうなゆかちゃん。
だけど、私はどこか落ち着いた気持ちでいた。
『ゆかちゃん…大丈夫。のっちに任せて。』
『でも…』
『大丈夫じゃけ。』
ゆかちゃんの手を握った。
『ごめん急いで〜!』
スタッフさんの呼ぶ声がした。
私は決意をして、ドアを開いた。
(続く)
最終更新:2008年12月23日 01:35