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Side K
その日もあ〜ちゃんは、友達と会えなくなるからって泣きっぱなしで・・・。
こんな日まで、あ〜ちゃんに告白をしてくる輩が結構いる。・・・て私も一緒じゃん。
もちろん、あ〜ちゃんは全員断ってたけど・・・。

玄関を出て帰り際に、またかぁ・・・と思ったら、今回は自分だった。物好きもいるものだ。
ポカンとしてたら、あ〜ちゃんがその子に気を遣って、先に行こうとしたから、
グイッとあ〜ちゃんの腕を掴んで、
『ごめんなさい。私、好きな人・・いるから。』

それだけ言って、そのままあ〜ちゃんを引っ張って、校門の外まで来てしまった。

『ちょ、ちょ、ゆかちゃん。そんなに急がなくても・・・。』
あ〜ちゃんの声に、ふと立ち止まって手を離す。
『あ、ごめん。』
『もぅ、もうちょっと浸りながら校門を出たかったのにな・・・。』
ちょっとイジケ気味に言ってくるあ〜ちゃんに
『ごめんね?』

ぷくっと膨れ顔から、ニコッと笑顔になって
『なんちゃって〜。そんなことしたら、また泣いちゃいそうだから、コレで良かったかも。』
その顔に安心して、ほっと胸をなでおろす。


『それにしても・・・』
『ん?』
『ゆかちゃん、何で言ってくれなかったの?』
何か気に入らない様子。
『何が?』
『好きな人がいるって・・・。』

おっと、それですか。
『あぁ、それね。』
『それねってぇ。ね、誰々??あたし知ってる人?』
知ってるも何も、ご本人様ですけどね。

『う〜ん。すぐに分かるよ・・・。たぶん。』
『ぇえ〜、今教えてくれないの?』
『すぐだよ。ホントすぐ・・・。』
『うぅ。気になるよぅ。』
『へへ、ナイショw』

しぶるあ〜ちゃんを何とか納得させて、その場から歩き出す。
帰り道でもやっぱり、高校の思い出とかの話になって、また泣き出しちゃったあ〜ちゃん。
『も〜、あ〜ちゃん泣いてばっかりだね?』
『うぇ・・うぅ・・。』

泣き顔まで可愛いなんて、敵わないよ。もぅ・・。
そろそろ、あ〜ちゃんとの分かれ道だっていうのに。


私が、なだめるようにあ〜ちゃんの頭を撫でていると、涙で顔を濡らしたままこっちを見てくる。
『でも、ゆかちゃん同じ大学だから良かったぁ。また一緒に居られるもん。』

      • 告白してあ〜ちゃんに断られたら、私はきっと一緒には居れないだろうな。
やっぱ、やめようかな・・・。

『?どうしたの?』
急に黙った私を心配して聞いてくる。

いや。断られても言うって決めたんだから。
『・・・ねぇ、あ〜ちゃん。』
『なに?』
『ゆかの、好きな人ね?』
『うんうん。なに?教えてくれるの?』
さっき、聞きたがってたから喜んでる。

やばい、緊張してきたw
『あのね?好きだったの・・・いつの間にか。』
『・・うん。』
あ〜ちゃんの目が「誰?」って訴えかけてきてる。

『あ〜ちゃんのこと・・・。』

言ってしまった。もう後には引けない。


『な、に?』
驚いて、すぐに聞いたことが把握できてないみたい。

『私が好きなのは、綾香ちゃんなの。』
久しぶりに呼んだなぁ。綾香ちゃんて。

そう言われたあ〜ちゃんは、困惑している。

『例の人・・・見つからないんでしょう?』
『・・・うん。』
完全に下を向いてしまったあ〜ちゃん。

『三年間、探して見つからないんだもん。そろそろ、卒業しても良いんじゃない?』
こんなこと言ってズルイと思うけど、今は気にしていられない・・・。あ〜ちゃんごめんね?
心の中で謝りながら、何も答えないあ〜ちゃんをそっと抱きしめる。
抵抗することなく、あ〜ちゃんはすっぽりと私の腕に収まった。

『ゆかのこと、嫌いじゃなかったら・・・ゆかにしちゃいなよ。』
きっと断られると思って、あ〜ちゃんが答えてくれるまで、今の感触をぎゅっと自分に刻みつける。

だまって答えを考えていたあ〜ちゃんが、私から少し体を離して話し出す。
『ありがと・・・あたし、ゆかちゃんの事好きだよ?・・・だけど、あたし諦め悪い、からさ。ちゃんと見つけたい。だから・・ごめんなさい、ゆかちゃん。』
だよね。私も良く知ってることだ。

でも、最後の抵抗を試みる私。
『知ってる。じゃあさ〜、その人が見つかるまで付き合うのはダメ?』
これはただの私の悪あがきだから、早く断って?覚悟できてるから・・・。


—つづく—







最終更新:2008年12月23日 01:37