「のっち〜朝だよ〜」
「のっちぃ〜あしゃだよ〜」
あったかい布団に包まって安眠を貪ってたら、体が揺すられるとともに可愛い妹達の声がする。
「う〜ん…あと5分…」
ごめんね二人とも…。可愛い妹達といえどもやっぱり人は睡眠には勝てないのだよ…。
「もぉ!…よし、ゆかちゃんやっちゃえ!」
「うん!のっちぃ〜」
ぼんやりとした頭でなんだなんだと思ってたら、隙間からゆかちゃんが布団の中に潜り込んできた。
「えへぇ〜、のーっちぃ」
至近距離でふにゃっと笑ったかと思ったら。
「ふぐっ!」
目の前が真っ暗。分かるのはゆかちゃんがのっちの顔に抱き着いてる事だけ。
「ぎゅ〜っ」
「もが〜!!」
ちょっ、苦しい苦しい!体で鼻も口も塞がれて息が出来ん!
堪らずぽんぽんと背中を叩いたら、ゆかちゃんの体が離れた。
「…おきたぁ?」
再び至近距離でちょこん、と首を傾げたゆかちゃん。
くっそー…そんな仕種してからに…悔しいけど可愛いから許しちゃうじゃん。
「お…起きました…」
「さっすがゆかちゃんじゃ!えらいえらい」
あ〜ちゃんがゆかちゃんの頭をよしよしと撫でて褒めてあげると、ゆかちゃんは嬉しそうに「やったぁ〜」とはしゃいだ。
我が家の朝はいつもこんな感じ。
ちなみに家族構成としては父親、只今単身赴任中。長女のっち、只今中学二年生。次女あ〜ちゃん、只今小学六年生。
それから三女ゆかちゃん、只今幼稚園に通ってる4歳児。
なんでゆかちゃんだけ歳が離れてるのかというと、実は亡くなった義母の連れ子。
でものっちもあ〜ちゃんも本当の妹のように可愛がってるし、ゆかちゃんもうちらを本当の姉のように慕ってくれている。
「のっち、朝ご飯出来とるよ」
「うん。ありがとう」
にこっと微笑むあ〜ちゃん、我が妹ながら天使のようだといつも思う。
だってあの笑顔は反則だよ、可愛すぎるっちゅーんじゃ!
「…何ニヤニヤしとるん。ね、ゆかちゃん、キモいお姉ちゃんじゃねー」
「なっ…!」
「きもぃおねぇたんじゃねー」
「ちょっ、あ〜ちゃん!ゆかちゃんが真似しとるじゃろ!のっちショック…!!」
なんで朝から妹達にキモい言われなきゃいけんの…。
ガックリと肩を落としてたら、しばらくしてフッと目の前が暗くなった。
「ぅ…?」
…ゆかちゃんお気に入りのウサギのぬいぐるみにちゅーされとる。
「あ〜ちゃんも、ゆかも、ゆかのうしゃぎしゃんも、のっちだいしゅきじゃけぇげんきだして」
「あ、あ〜ちゃんは別に…!ゆ…ゆかちゃんが、のっち可哀相って言うとったけぇ…」
「あ…ありがとうあ〜ちゃぁ、ぅごふっ!!」
顔真っ赤にして必死に弁明してるあ〜ちゃんが可愛くて、ちゅーしようとしたら枕が高速で顔に飛んできた。
「あ〜ちゃんじゃなくて、枕にちゅーしんさいや」
「ゆかもちゅぅしゅる〜」
「じゃあのっちとしよっか〜」
「ゆかちゃんに何しよん!」
「ぅぶっ!!…ま、また枕…」
あ〜ちゃん…野球選手になれるよ、そのコントロールは…。
布団に倒れるのっちですが、可愛い妹達に囲まれて今日も幸せです。
「ねぇねぇあ〜ちゃん、のっちおこさんのぉ?」
「そのまましばらく寝かしときんさい。その方がうちらの為じゃけ」
…たぶん。
#01END
最終更新:2009年01月13日 10:11