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『…12位はやぎ座のあなた!』

テレビの占い
ゆかのリモコンを持つ手が止まる。
占いなんて久々じゃ…

『今日のあなたは独りよがり。思いは口に出さないほうがよさそうです!』

「思いって…なんね」

ぶっきらぼうに呟いたつもりの言葉が不安げに宙を漂う。
振り払うようにテレビのスイッチを切った。
今日は、生徒会の仕事の他に日直もある。
…急がにゃいけんわ。

もう1人の日直はのっち。ちゃんと朝はやく来る……はずないか。
これから1人でこなすであろう仕事量に軽い目眩を覚えた。


「のっち!?」

予想に反してのっちはもうすでに来ていた。

「どうしたん!?珍しいこともあるもんじゃね!」

のっちはそんなゆかの反応を見越したように得意げに笑った。

「のっちはやれば出来る子なんよ」
…なんて、飄々とあ~ちゃんの受け売りを口にする。
ヘタレ王子、ご機嫌じゃね。
2人で教室の掃除に取りかかりながら一応、聞いてあげる。

「のっちどうしたん?良いことでもあったん?」

「さすがかっしーじゃねぇ!あのね…あ~ちゃんが,のっちの事見直したって!!」

「ほぉ…」

「しかもね……」
ゆかの中の見えない手がそっと耳を塞ぐ。

あ~ちゃんのことを話すのっちの声が聞こえんように。

哀しいほどきつくきつく。


「…かっしー聞いとる?」

「ん!?…聞いとるよ。」
慌てて耳元にある心の手を外した瞬間。

「やっぱのっち、あ~ちゃんじゃなきゃいけん!」

笑顔の、のっちから放たれる不意打ちの言葉。
避ける術もなく胸に突き刺さった。

これがどういう事か、ゆかはよくわかっとる。

…じゃけぇ、ゆかは…
……ゆかだって…

のっちじゃなきゃいけんのよ

なんで、あ~ちゃんなんよ…?
いつもなら抑えられる言葉が溢れてくる
口を開けば外に出ちゃいそうで思わず唇をかんだ。
でも
気持ちが前に走りだす。

「のっち、ゆかは…」


「え…?」

笑顔で振り返ったのっちの顔がみるみるうちに曇った。
ゆか、どんな顔しとんのじゃろ。

「かっしー?どうしたんよ!?大丈夫!?」

ああ…今、口に出そうとしとったのはのっちを困らせるゆかの独り言。

受け止めてもらおうなんて…今日のゆかはやっぱり独りよがりじゃね。

「…何でもないけぇ。ゆか、生徒会があるんよ。後頼んでい?」

「あ、うん。」

「そろそろ、あ~ちゃん来るじゃろ。頑張って日直やった事褒めてもらいんさいよ」

のっちのはにかんだ顔を横目に見ながら廊下にでた
真っ正面から見れるには後どれくらいじゃろか。

………泣く?
自分に聞いてみる。

ああ、

…胸が苦しいよ。


end






最終更新:2008年10月10日 13:29