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Side K
軽いノリで聞いた私に、あ〜ちゃんが出した答えはもちろん・・・。

少し悩んだあ〜ちゃんが話し出す気配・・・。
『・・・ゆかちゃんが、良いなら・・良いよ?』
『ふぇ?』
なんで?あまりに予想外すぎる答えに、間抜けな声を出してしまった。

『ホントに、良いの?』
思わず確認する私。
それにコクンと頷くあ〜ちゃん。

どうしよう。何て言って良いか分かんないよ。だから、変な質問してしまった。
『どぅ、して?』
告白しといて、何を聞いてるんだか私は。

『どの好きか、分かんないけど・・・ゆかちゃん好きだから。それにやっぱり・・・。』
あ〜ちゃんの顔にまだ残ってる涙の跡を伝って、また流れていく雫。
『ゆかちゃんまで、一緒にいられなくなるの・・・ぃやだよぅ・・っ。』
泣きついてきたあ〜ちゃん。

そっか、断ったら私と一緒に居れなくなっちゃうって解ってるから。
だから、付き合うって言ってくれるんだ。

——どの好きか分かんない・・・。

きっとあ〜ちゃんの「好き」は、私の「好き」とは違うんだと思う。
でも、「付き合う」という関係になっても良いと思えるくらいの好き。

このまま付き合っちゃったら、あ〜ちゃんに無理をさせちゃうかもしれない。

なのに、まだまだ子供な私は、自分の気持ちを優先してしまった。


あ〜ちゃんをそっと抱きしめて
『ありがとぉ、あ〜ちゃん。私・・ちゃんと好きになってもらえるように、がんばるから。』
『・・・う゛ぅ、がんばら、くても、ゆかちゃんなら、好き・・なれる。』

ほら。さっそく無理させちゃってる。
『あ〜ちゃん、いいんだよ。急がなくて良いから。ゆっくりで良いから。』
『うぅ。』

参ったな。笑顔が見たいのに、泣かせちゃってさ。
この泣き顔のまま、あ〜ちゃんを一人で帰らせるのはさすがに酷だから、あ〜ちゃんの家まで送ることにした。

ほとんどしゃべらなかったけど、その間ずっと、あ〜ちゃんと手を繋いでいた。
歩いてる時も、電車の中も。
しかもコレ、以外にもあ〜ちゃんから繋いできたのだ。

これって、ちゃんと脈ありでいいのかな。期待しちゃうよ?
本当に好きになってくれるとかって。

あ〜ちゃんの家に着いた頃には、あ〜ちゃんの泣き顔も元に戻っていた。
『ゆかちゃん、わざわざ家までありがと。遠回りさせちゃった。』
ニヘッと苦笑い。

やっと笑った。
『平気だって、たまには良いでしょ。これくらいは。あ〜ちゃんと手ぇ繋げたし。』
改めて言うと、なんだか照れくさいのは何でかなぁ。
『今までも繋いだことあるのにね。照れちゃうや。』
そう言って照れ笑いのあ〜ちゃん。


うん。やっぱりあ〜ちゃんは笑顔が一番だ。
『だね。』
妙にくすぐったい空気が流れる。

『これから、ヨロシクネ?あ〜ちゃん。』
『あたしの方こそ。』
誰かと付き合うなんて初めてだけど、幸せにしたい。

ん?そういえば
『あ〜ちゃんも、付き合うのって初めてだよね〜?』
『ん、うん。』
『そっかぁ。じゃあ、初めて同士だね?』

そして、ちょっと考えて。たぶん、悪戯な笑いをした私から一歩引くあ〜ちゃん。
でも、繋いだ手をくいっと引っ張って。

柔らかいあ〜ちゃんのほっぺに、軽くキスをした。
『ゆっ、ゆかちゃん!』
顔を赤くしてあ〜ちゃんが言ってくる。

『へへ、今日の記念だよ?』
『は、恥ずかしいよぅ。』
私の唇が触れた所を抑えながら顔を背けてる。
あ〜ちゃん可愛いんですけどw

『ゆかもドキドキしちゃった。』
『もぅ、ゆかちゃんてば〜。』


ホントのキスは、ちゃんと好きになってもらうまではしない。
約束も守る。
例の人が、見つかるまでの恋人だって。

でも、もしかしたら、その日はこないんじゃないかって・・。
三年間探して見つからないんだから、ずっと見つからないんじゃないかって、心のどこかで思ってた。
ずっと、あ〜ちゃんと恋人でいられるって。この時はそう思った。

『じゃあ、また連絡するね。』
『うん。気をつけて帰ってね?』

あ〜ちゃんに手を振って、来た道を帰っていく私。

条件付とはいえ、あ〜ちゃんと一緒にいられるのが嬉しくて、帰る途中もきっと私はニヤニヤしていたに違いない。

そんな感じで始まった私達の関係は、思いのほか順調にいっていた。

あの日までは・・・。


—つづく—






最終更新:2009年01月13日 10:15