のっちに手をひかれ、引っ張られながら控え室を出る。
車に乗り込むと、あ〜ちゃんは助手席でじっと窓の外を見ていた。
窓に反射して見える潤んだあ〜ちゃんの瞳。
のっちは車に乗ってからも私の手を離さない。
ミラー越しに一瞬あ〜ちゃんと目が合う。
…すぐにそらされた。
のっちは私の手をぎゅっと握りしめ、
力強い瞳で真っすぐ前を見つめている。
ねぇのっち…
ほんまに大丈夫なん…?
私は静かに涙を流した。
次の仕事はラジオの収録。
いつも私とのっちが隣同士に座り、
あ〜ちゃんと向かい合うかたちで収録する。
『三人あわせて!Perfumeです!』
目を閉じ声だけ聞いていれば
いつもと何も変わらないはちゃめちゃなラジオ。
ただ…あ〜ちゃんは視線を俯かせたまま、一度も私たちの顔を見なかった。
そしてのっちは、移動中も収録中も
私の手を一瞬たりとも離さなかった。
収録を終え、今日の仕事はすべて終了。
車に戻る途中のスタジオの廊下。
『あ〜ちゃん待って。』
私たちと顔を合わさないよう、足早にスタジオを去ろうとするあ〜ちゃんを
のっちが引き止めた。
あ〜ちゃんは無視して足を止めない。
のっちは私を引っ張り、あ〜ちゃんの前を通せんぼした。
『…!何なんよ…。』
あ〜ちゃんは目に涙を浮かべている。
のっち…何をするつもりなん?
私は真っ赤な顔で俯くしかできなかった。
『ずっと手繋いでから!何の嫌がらせなん!!…』
あ〜ちゃんの頬を涙がつたう。
こらえきれず、私の目からも涙がこぼれ落ちた。
『話があるけぇ、今日のっちの家泊まりにきて。』
『いっ、嫌じゃ!あ〜ちゃんは話すことなんかない…。』
『いいから来て!』
のっちはもう片方の手であ〜ちゃんを引っ張った。
『何なんよ…!何なん…ほんまに…。』
涙する私とあ〜ちゃん。
私はただ、力強く掴まれたこののっちの手を信じるしかなかった。
(続く)
最終更新:2009年01月13日 11:01