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Side N
数日が経って、久しぶりにあ〜ちゃんと帰りのバスが一緒になった。

先に乗っていたあたしを見つけて、寄ってきてくれる。
「のっち、また立ってるの?」
「え、あ、うん。」
席が空いてても、どうしても立って乗ってしまう。あたしはそんなに苦にならないし。
もっと、お年寄りとか妊婦さんとか、そういう人に席を譲ってあげたいから。
なんて言ったら聞き場はいいけど、ホントはそういう時にすぐに声を掛けれないから。

だったら最初から立ってた方が良いかなって。

「今ガラガラだよ?」
確かに周りを見ても、ぽつぽつ人が居るだけ…。
「あはは・・。そうなんだけどね〜。」

よいせ。って言いながらすぐそこの席に座るあ〜ちゃん。
「でも、のっちがそうしたいんだもんね?」
「ん?」
「席。空けときたいんでしょ?」

あ〜ちゃんの言葉に驚いて、言葉を返せなかった。
まだちゃんと話すの2回目なのに、ホント、人を良く見てる子だな〜。
「あれ?違った、かな。」
焦りだすあ〜ちゃんにようやく
「ややっ、そじゃなくて、なんで分かったのかなってビックリしちゃって。」

「え、あ〜、んっと、なんとなく?のっちってそういう人かな〜って。優しいんだけど、不器用?って感じ。」
「そう、かなぁ。」
そんな風に言われたのは、初めてかも。
でも、分かってくれる人がいると、なんだか嬉しい。それに何だか照れる。


「そーだよぉ。周りには伝わりにくいと思うけどw」
にゃははって笑って言うあ〜ちゃん。
「あ〜ちゃん、痛いトコ突くねぇ。」
笑ってたかと思うと、すごく優しい表情をして
「でも・・・伝わる人にはちゃんと伝わってるの。のっちの優しさ。」

その表情にほけ〜っと見入ってたら、どうやら口が半開きになっていたらしく。
「のっち、口開いてる。」
あ〜ちゃんに笑われて口を閉じる。は、恥ずかしぃw
「あぐっ。」
「のっち、おっかしぃ〜。」
笑われてるけど、あぁ、やっぱこの笑顔が良いんだよね。なんて思ってるあたし。

バスを降りてからも、色々あ〜ちゃんが話をふってくれて、色んなことを話した。

「あ〜ちゃんて家族大好きなんだね。」
「分かる?」
自分の弟をイケメンとか、妹超可愛いって言う人、あんまりいないと思うよ?
携帯で写真まで見せてくれて。
「家族の話する時、すっごい嬉しそうだもん。なんかオーラが滲み出てるよ。」
「うん!ホント大好きだもん。一緒で幸せ〜。」

そんなあ〜ちゃんを見てる、あたしが幸せだよぅ。

あ〜ちゃんと話してる時間はあっという間に過ぎていく。
マンションの前まで来ると、思い出したように聞いてくるあ〜ちゃん。


「あ〜、そうだ。のっち。」
「何?」
「今度、一緒にカラオケ行かない?」
「え?あたしと?」
「でしょ。のっちに聞いてるんだから。」

マジで?
あ〜ちゃんからの突然のお誘い。
やばぁい!嬉しいんですけど。

「無理なら、イイんだよ?あと友達二人来るし…。」
すぐに答えられずにいたら、少ししょんぼり言うあ〜ちゃん。
「む、無理だなんて!そんな事ないよ!行くよ!あ〜ちゃんと行きたい!」
あ。
思わず、あ〜ちゃんの肩を掴みながら、ポロッと本音が。

「あっと・・のっち?そんなに必死にならなくてもぉ…。」
必死なあたしが可笑しかったみたいで、笑いを堪えてる様なあ〜ちゃん。
何て言っていいか分からずに、いや〜とかその〜って言ってると。
堪えられなくて笑い出すあ〜ちゃん。

「あはははw。も、のっちオモシロw」
「あ〜ちゃん、そんなに笑わなくてもぉ・・。」
肩に置いた手を下ろしながら言うあたし。ダメダメじゃん?
「ごめん、ごめん。のっち。あとぉ、ありがと。」
「え、何が?」
あたし何かお礼言われる事したっけ?

「あたしと行きたいって、言ってくれて…。」
ちょっぴり照れてるのか、頬を赤くして言ってくる。

思い出して、あたしまで恥ずかしくなってきた。
「あぁ・・うん。」
そんな答えしか返せなくて、もっと気の利いたことでも言えたら良いのにな・・。


もう一度、ありがとうと言ったあ〜ちゃんの表情が、一瞬悲しそうに見えたのは気のせいかな?
「じゃあ、日にちとか決まったら、連絡するね?」
「うん。」
まだ、あ〜ちゃんとアドレスを交換してないから、ココでようやく無事に交換…なんか嬉しいぞ。

あ〜ちゃんと二人じゃないけど。いや、二人じゃ緊張するからちょうど良かったかも。
ん。そうだ!
「ねぇ、あたしも、もう一人一緒に良いかな?」
折角のチャンスだし、ゆかちゃんも誘っちゃおう。

「・・うん。多いほうが楽しいもんね?」
少し迷ったみたいなあ〜ちゃん。もしかしたら分かっちゃったかな?
あたしが一緒にいるの、ゆかちゃんしかいないもんね。

伝えようか迷って、結局言えないまま別れてしまった。

とりあえず、ベットに寝転んでゆかちゃんに連絡。
それからしばらく、さっき登録したばかりのあ〜ちゃんのアドレスを見ながらニヤニヤ。

これは、やっぱり恋というモノなのですか?

とりあえず、片思い決定だけど。
あたしは、いつもそうだ。届かない相手ばかりを好きになってしまう。
なんだろ?なんかの呪い?

そうこうしている内にゆかちゃんから返信が来た。

—— 良いよ〜。

ゆかちゃんにしては、簡潔な内容。勝手に決めちゃって怒ってるかな?
続いて、あ〜ちゃんからのメール。

ディスプレイに浮かぶ名前を見て、嬉しくなる。
内容は、カラオケの日時と場所が書かれていて。
あと、「今日いっぱい話せて嬉しかった」だってw。
いやいや、あたしこそ嬉しかったですよ。カラオケまで誘ってもらっちゃってさ。

ニヤニヤ、ベットで悶えながら怪しさ満載だなと、一人で認識。
それにしても、華やかなメールだよ。あたしなんてほとんど文章だけなのに…。
ちょっと、あたしもがんばってみようか…。いや、やっぱ無理だわ。

はぁ〜。それにしても、めっちゃ楽しみだよぅ。


—つづく—






最終更新:2009年01月13日 11:14