アットウィキロゴ
※er







シーツに広がった黒髪が綺麗で、思わず目を細める。
さらさらと流れる前髪を掻き分けて額にそっと唇を押し当てると、ゆかちゃんがくすりと笑った。
「…なんで笑うん」
「だってのっち、キンチョーしとるじゃろ?」
「し、しとらん!」
「嘘つくの下手じゃね、のっちは」
「……だって…壊しそうじゃけぇ…」
同じ女の子なのかと思うくらい華奢で、きつく抱きしめたら壊してしまいそうで。
こうして至近距離にいるのに、消えてしまいそうに儚いから怖くて。
「ゆかはそんな簡単に壊れんよ」
「…わか、っとる…けど、」
「―ほら。大丈夫じゃけぇ」
でも、ゆかちゃんはそんな怖じけづくのっちに笑いかけてくれた。
だから。

「…ゆかちゃん」
「ん、」
絶対に大切にするからね。


「―はぁ、っ…の、っちぃ…」
頭の中に流れ込む、甘いアマイ声が確実に理性を壊していく。
あんなに誓ったのに、大切にしたい気持ちと、壊してしまいたくなる気持ちの狭間で揺れてる。

「…ゆかちゃん…?」
ふと、ぎゅっとしがみついてるゆかちゃんが、すり、と頬ずりをしてきた。
「どうしたん?…怖いん?」
もしかしたら知らずに怖い顔をしてたのかもしれないと思い、華奢な背中をそっと撫でると首が横に振られた。

「…のっち、…すき」
「――…うん」
ああ、耳元で流れる甘い声に、とろけて消えてしまいそうだ。

でも。ゆかちゃんとなら、それも幸せ。


ゆかちゃんが一際甘くて高い声をあげててっぺんまで登ったあと、横になった身体を背中から抱きしめた。
「…のっち」
「ん…?」
「こうしてると、なんだかとろけてしまいそうじゃねぇ…」
「…ん」
「そうなったら…しあわせじゃねぇ…」
「ん…」
絶対にひとつにはなれないのに、なんて口には出さなくても分かってる。
でも、今だけは願っても罰は当たらないでしょう?神様。


泣きたいくらいの幸せと切なさを抱えながら、二人で眠りについた。
どうか、夢の中でもゆかちゃんに会えますように。







最終更新:2008年10月10日 13:41