◇N-side◇
…
夏休みも終わり、新学期に突入。二人と過ごす時間は本当に楽しくて、毎日毎日一緒に遊んでいる。
学校帰りにフラフラ町へ行ったり、休みの日には一緒に遊んで買い物したり…。
毎日楽しい日々が続いているんだけど、もっともっと楽しみな事がある。
それは、のっちの誕生日!そう!9月20日はのっちの誕生日なのれす!!
誕生日プレゼント何かなぁ、凄く楽しみだなぁー。
◇A-side◇
『会議中、入るべからず』
そう扉に掛札されたゆかちゃんの部屋の中、あ〜ちゃんとゆかちゃんは大きく息を吸った。
「「せーのっ…!」」
二人で一斉に財布をひっくり返した。チャリンチャリンと軽い音がして、テーブルの上に転がる小銭達。
「ひゃく…にひゃく…」
「さんびゃく…よんひゃく…」
「ごひゃく…ろっぴゃく…」
「ななひゃく…にじゅう…はち…」
小銭を数える指がわなわなと震えた。ゴクリ、と息を飲んだ。空気が張り詰める。
「も、もう一回、数えてみよっか?」
「う…うん…」
二人で輝く小銭に指を差して、一個一個数えていった。やっぱり何回数えても一緒だ…。
あ〜ちゃん達二人の今の財布の中の金額、合わせてなんと…728円也。
冷たい汗が頬を伝った。
「これじゃ…のっちの誕生日プレゼント買えないよ…」
「うん…」
三人で毎日のように遊んでいて、お金を使い過ぎてしまったんだ。あたし達、高校生ですから!バイトもしてないし、月のお小遣いなんてイッパイ貰える訳じゃないし…。
それにしても合わせて728円てどうなんよ。酷い、酷過ぎる。
「どうしよ…」
「…どうしよっか」
何か良い考え、良い考え…。うーん、思い付かない…。
のっち口には出さないけど、凄く楽しみにしてるし。誕生日プレゼント期待してますって顔に書いてある。
恋人同士になって初めての誕生日だもんね、今までとは訳が違う。
しばらく二人で深く考え込んでいると、ゆかちゃんが何かを閃いた。
「良い事、思い付いた!」
「え、何何?何を思い付いたん?」
「絶対にのっちが大喜びする、お金の掛からないプレゼント」
ゆかちゃんの大きな黒目がキラキラ輝いている。うしし、と笑ってハムスターの小屋を覗き込んだ。
「ちょろー、ふーくん、ご飯の時間だよー」
そんなゆかちゃんを見つめて、あ〜ちゃんはただキョトンとしていた。
◇K-side◇
良い事を思い付いちゃった。のっちの大喜びする顔が目に浮かぶ。
「あ〜ちゃんも協力してくれるよね?」
「もちろん協力するよっ」
鼻息を荒くして、やる気満々なあ〜ちゃん。心強いなぁ。てゆーかあ〜ちゃんに協力してもらわないと困るんだけどね。
「で、何プレゼントするの?」
笑顔で首をかしげるあ〜ちゃん。ゆかは可愛いハムスター二匹にヒマワリの種をあげ、小屋の扉を閉じると、あ〜ちゃんに向き直った。
あ〜ちゃんの目は輝いていて、ゆかの言葉を凄い期待度で待っている。
「プレゼントは、ゆか達だよ」
口を開いたまま、あ〜ちゃんは大きなお目めをパチクリパチクリ。あーあ、フリーズしちゃった。
◇2-16:End◇
最終更新:2009年01月13日 11:18