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(N)

ゆかちゃんを受け入れる

とは考えたものの、実際は面と向かって
好きだって言われた訳じゃないんよなー…
しかもゆかちゃんが告白してくるなんて考えられん

どっどうしよ…
いきなりいきづまったじゃん
そもそも受け入れるって何をどうしたらいいん?
今の状況を一旦整理すると


今のままじゃ、いつかまた、ゆかちゃんは壊れちゃう

またあんな顔させちゃう

それだけは本当やだ

だからのっちはゆかちゃんを受け入れる

それでいいんだよね?


(K)

「連絡なんかせんから」

ゆかが望んだことなのに
…素直に喜べない

のっちは優しいから、
ゆかの我が儘に付き合ってくれてるんだろうな…
もしかしたら本当は、連絡したかったのかもしれんよね
ゆかが…あんな事言っちゃったから

のっちが我慢しなきゃダメになっちゃったんじゃ

ゆかは…最低じゃ
のっちの自由を奪う権利は誰にもないのに
ゆかになんか、ないのに


ごめんなさい


本当にのっちが好きなら
本当にのっちの事を想ってるなら
ゆかはのっちを忘れるべきなんだろう


それが簡単にできたらどんなに楽だろう


あれから数日がたって、今日は久しぶりのオフ
お買い物でもしようかな、なんて考えてたら携帯が光った
…メールだ

ディスプレイに流れる名前を見て、驚いた


のんのん


…のっちからじゃん

普段全くと言っていいほど
メールをしてこないのっちからのメール
こないだの事もあり、正直、開くのが少し怖い

左手で画面を隠してギュッと目をつむった

なんだろう、なんだろう
たいしたことなかったらいいな
きっと大学の課題のことか何かだ
きっとそうだ

息を止めて、メールを開く
ギュッとつむった目もそっと開く

少しづつずらした左手から見えた文字は
ゆかの想像をはるかにこえていた


『話しがあるから、今から家にこれん?』



来て、しまったよ…
話しって何?ゆかなんかした?…したか

こないだの事かな…?
やっぱ連絡したいとか言われるのかな…
それともまた何に悩んでんの?とか聞かれんのかな…

どっちにしろ、あまり話したくないのばっかだよ

部屋の前まで来たものの、思わず立ちすくんでしまう

…やっぱ帰ろうかな

なんてことが頭によぎるけど
逃げたらいかんよ、ね…

自分を落ちつかす様に、
すぅっと深く息を吸い込んだ…よし

意を決して、チャイムを、押す
扉の向こうから、かすかにはーいってのっちの声

開くドアが、スローモーションに見える

「いらっしゃい」


ゆかの思いとは裏腹に
眩しいくらいの笑顔ののっち

「入って」
「…おじゃまします」

久しぶりに入ったのっちの部屋
のっちにしては片付いているなと思ったら
部屋のはじっこに寄せてあるだけだった
…のっちらしい

そののっちはと言うと、そこら辺座ってて、
と言ってキッチンへ消えてしまった

そう言われても、緊張して立ち尽くしてしまう

これから何を話されるんだろうか
またのっちの前で泣いてしまうんだろうか
それは避けなきゃいけないのに


「ぼーっとして。どしたの?座りなよ」
キッチンから戻って来たのっちの手にはマグカップが2つ

はい、どーぞってゆかに渡して
自分はソファーに座った
なんとなくソファーには座りにくくて、
ゆかはソファーにもたれ掛かる様にしてその前に座る

「なんでそっちー。ソファー座りなよ」
「…ここでいいよ」

変なのって言ってからコーヒーをすする音がした
ダメだ、のっちの方見れん


それからしばらくは、たわいもない話しが続いた

大学のこと、お仕事のこと、昨日見た夢のこと

そんな話しが続いて、

のっちは一体何が言いたいの?
と言う気持ちと

このまま何もなく終わればいいのに
と言う気持ちがごちゃまぜになる


いつくるか分からない本題の陰に怯えながらも
のっちから与えられる話題に乗っかっていると


ついにのっちの口から爆弾発言が飛びだした


「…そんで今日なんで来てもらったかなんじゃけど、」
「のっち!」
のっちが言うより先に出てしまう

のっちから出る言葉を待つのが怖い

「こないだのアレ、忘れてくれていいから」
「……アレ?」
「のっちが連絡したかったら連絡していいよ」

とっさにゆかから出た言葉は、
半分は本当で、半分は偽りのもので

こんな事言うつもりじゃなかったのに…
自分から火に油を注いでどうすんのよ


「…何それ」
いつもとは違う、少し低い声が響く
「…言葉の通り、だけど…」

のっちはまゆを少しハの字にする
なんでそんな顔するん

「本当にいいの?」
「…うん」
「………嘘」


その言葉に、心臓がとびはねた
嘘って、なんよ
…どういう意味?


「…嘘じゃな、」
「嘘でしょ」

何?なんでそんな事言うの?

「ゆかちゃん…無理せんでええから」

「のっちね、知ってるんよ…ゆかちゃんの気持ち」

ドクンっドクンっ、と心臓が脈打つのがわかる
ゆかの、気持ち…?

「今日来てもらったんは、その事についてはっきりさせたかったからで。
…気付いたんは最近なんじゃけどね…………」
何も言えないゆかに、のっちは言葉を続けるけど
頭に入ってこない


ゆかの気持ちって…何
なんの気持ち?

ねぇのっち、何を言ってるの?
あまりの急展開に頭がついていかん


「ゆかちゃんさ」

待って

「のっちのこと」

言わないで

「好き、だよね?」


完全に思考回路が、切れた







最終更新:2009年01月25日 18:44