(N)
もう考えんのはやめた
ゆかちゃんに直接聞く
のっちはアホじゃけえ、他に方法が思いつかんかった
ゆかちゃんの抱えてるもの全部、のっちも抱える
ゆかちゃんがしてる辛い思い
のっちと分けたら半分になる
取り除きたいのは、涙を流すゆかちゃん
もうあんな顔絶対させん
目の前で固まってるゆかちゃんを
とりあえずどうにか解凍しなくちゃ
のっちもソファーから降りて、
ゆかちゃんの横に座った
「ゆかちゃん、あの、…ゆかちゃん?」
少し俯いてるゆかちゃんの顔を覗き込むと、目が合った
瞬間、ガバッと立ち上がったかと思えば
「おじゃましました!」
ってえー!何その展開
ここで帰っちゃうの?
「ちょちょっ、待って!」
とっさにゆかちゃんの手首を掴む
「ちゃんと話ししよ?」
「いや、でもゆか…帰るから!」
そう言ってあたしの手から逃れようとする
…軽くパニック起こしとるねこれは
「ダメだよ、帰さん」
立ち上がって、肩に手をかける
そのまま下へ力をかけると、
ゆかちゃんはソファーへ、すとんっと座った
のっちも隣に座り、少し体を斜めにし
ゆかちゃん側に寄せる
のっちの想いを伝えたいんだ
大切な君の、力になりたい
「ゆかちゃん、…もう一人で悩まんでいいから」
「ゆかちゃんの気持ち、ちゃんと聞かせて?」
(K)
のっちの言葉に、
どんな言葉で返せばいいのかわからない
バレてたんだ…恥ずかしい
いつから知ってたんだろ
何でバレたんだろ
ゆかは今、どうするべきなんだろうか
のっちの言葉に、素直に従っていいのかな
何も答えられずにいると、のっちはぎゅっと
ゆかの手を包み込んできた
交わる温度に
その視線に
ゆかは、抗えなかった
「のっち…」
「…好き、だよ」
ずっと罪悪感を持っていた感情
ストレートに口にしたら
驚くほどに簡潔で
決して許されるものではないこの想いは
のっちの耳にどう届くの?
「…好き…っだよ、のっち…」
涙と共に溢れ出す言葉
のっちはそっと、頬を伝う涙の粒を
一つ残さず拾ってくれる
「ありがとう」
そう言ってくれた
ゆかの気持ちに、ありがとうって
「もう悩まんでいいけえ、
ゆかちゃんの気持ちはわかったから」
泣かないでって、頭をなでてくれる
その手の温かさはまるで夢のようで
今まで感じたことのある体温より、
もっともっと温かくて心地よかった
(N)
ゆかちゃんの口から聞いた好きって言葉は
思ってた以上にくすぐったかった
頭を撫でる手を背中に落として
ポン、ポンとリズムを取る
泣かないでいいから
のっちはゆかちゃんの気持ちの敵じゃないよ
そう手のひらにこめて伝える
だんだん落ち着いてきたのか、
もう涙は零れなくなった
むせた後のような、少し荒い息づかいで、
細い肩が上下する
すっと、ゆかちゃんの手が伸びてきたかと思うと、
のっちの服の袖を掴んでちょっとひっぱる
か、可愛い…
「……のっちぃ、っ」
「ん?」
「…好きだよ」
心臓がビクっとはねた
何…?なんでこんなに可愛いの!!
「…好きなの…」
「…うん」
「好き…好きなんよずっと」
「う、ん…」
「…好きなん、」
「わーかったから!あっあんま言わんで…」
「…っごめんなさ、」
「いや、そうじゃなくて…てっ、照れるけえ…」
言葉にした途端、はっきり自覚してしまった
これは、うん。めっちゃ照れる!!
「…はい、もう泣かんでっ。
なんかほっとしたらお腹すいた。なんか食べよ!」
この空気がなんだか恥ずかしくて、
話をそらそうとするけど
「…好き」
「…、」
「好き」
ゆかちゃんの言葉はやまない
心臓がドコドコいってるのがわかる
血が体中をかけめぐってるのもわかる
最終更新:2009年02月12日 13:59