"お疲れ様でしたー"
その言葉と同時に
楽屋へ走り出す
後ろから聞こえてくる
足音の主はきっと君
「ねえっ」
ほら、やっぱり。
私の愛しい貴女の声だ
「ねえっ、まって」
強い力で腕を掴まれ
思わず足が止まる
「待ってよ…」
「いやっ離して」
必死な君をよそに私は
振り返ろうとさえしない。
「聞きたい事があるの」
振り返れるばずがない。
「離して…」
だって今君は、
ハの字眉で大きな瞳を
潤ませてるんんでしょ?
そんな姿みたら…
「なんでのっちの事避けるの?」
震える声で聞いてくる君
「またその質問…」
わざと大きな溜め息をつく
早く私を嫌いになるように
嫌な女を演じるために…
「避けてないから…ゆか疲れてるから帰るね」
逃げるようにそこから立ち去る
振り返らないように…
抱き締めてしまぬように…
腕に残る温もりを消さぬように…
長い廊下を走る。
息をしようとしただけなのに
「のっちぃ…」
溢れ出た言葉はやっぱり愛しい君の名前
k-side
最終更新:2009年02月12日 14:12