「大好き」
口ぐせのように、あなたは繰り返す。
もう、なんど聴いたかな?
そんなのわかんないや。
でもね
数えきれないくらい、きゅんとさせられたんだよ?
それだけは、わかってる。
ほんとは、嬉しくて仕方ないくせに
天邪鬼なあたしは
なんどもそれを、受け流してきた。
いつだって、まっすぐなあなた。
そのキラキラにずっと恋焦がれてた。
まさに、あたしの一等星。
まぶしすぎるその輝き。
大好きなくせに
ちゃんと、受け入れられなかったんだ。
まだまだ、未熟だった恋心。
初めての「大好き」も
あまりにさらっと言うもんだから
びっくりしちゃった。
ずっと、「大好き」だったくせに
あなたのように、素直になれなくて・・・
一度、タイミングを失ってしまうと
それを取り戻すのことは、とても、困難で。
素直になるきっかけを、うまくつかめないまま
時間だけがすぎ、
なんで、そんな簡単に「大好き」って言えるの?
ゆかは、その一言が伝えられなくて
こんなにも、もどかしいっていうのに。。。
ホントに好きじゃないから、“簡単に”言えるのかな?
そんなふうに思ったりして
あなたを試すようなことを、たくさんしてきたよね。
その気にさせるようなことを仕掛けては
その腕から、するっと抜け出すような・・・
愛想をつかされても仕方ないような言動。
自分だったら、絶対にムリ。
なのに、変わらずあなたは
「大好き」を繰り返してくれた。
—だって伝えなきゃ、きっと死ぬほど後悔するもん
この前、あなたがくれたコトバ。
ココロん中の靄が晴れ
見つけた答えは、驚くほどシンプルで
当たり前のことだった。
はっきりと見えていたその答えの周りを
あたしはどれだけの遠回りをしてきたのかな・・
キモチが決まると
今までのもどかしさが嘘のようにカラダが動き始めた。
『今から、会えんかな?』
『いいよ』
『じゃ、いつもの公園で』
『了解』
さて
一等星を、つかまえにいこう。
待ち合わせの公園には、もうすでにあなたの姿。
「おまたせ」
すると、いつものようにへらっと笑う。
—やるときはやるんよ
ほんと、その通り。
あなたは、やればできる人。
ただ、なかなかスイッチが入らないだけ。
「で、どしたん?急に」
そりゃ、聞かれるよね?
でも、いざってなるとうまくコトバがでてこない。
「なんか、のっちに会いたくなって、さ」
まずは、ゆっくりと手を伸ばす。
まだまだこんなもんじゃ、あの星には届かない。
「そっか・・」
そう言って、のっちはゆかの頭にぽんと手をのせた。
これは、のっちのくせ。
たぶん、本人は気付いてないだろうけど・・
ゆかが考えすぎちゃって、動けなくなりそうになると
いつもこうしてくれる。
大丈夫だよ、って。
コトバには決してしないけれど
その手のぬくもりが、そう言ってくれてる気がして
ゆかのココロは、すごく落ち着くんだ。
歩き出そうとするあなた。
よし・・
少しかかとを持ち上げて、軽く背伸び。
「のっち?」
そう言って、ゆかは手を差し出す。
その意味を瞬時に理解し、手をとってくれるのっち。
一等星に触れる指先。
でもまだまだ、、、あともう少し。
ゆっくりと歩きだす。
何度も歩いた、二人お気に入りの散歩道。
伝えたいのは、たった一言。
なのに、やっぱり
「ゆかのこと、、、好き?」
あなたにきっかけをもらおうとする
ずるいあたし。
「大好きだよ」
そのコトバで、あたしはぐっとジャンプする。
「ゆかも、のっちのことが好き、みたい」
“みたい”って・・・
なんで、ストレートに伝えられんかなぁ。。。
見上げたのっちの瞳は、いつも以上に大きくて
驚きが溢れ出ていた。
だって、ゆかが初めて「好き」って言ったんだもん。
「・・・んなこと言ったら、チュウしちゃうよ?」
そのコトバには、少し茶化した空気が含まれていたけれど
その瞳をみれば、ホンキで言ってるってことくらいわかる。
「いいよ?」
もちろん、ゆかもホンキ。
のっちは、一瞬
まいったなぁ、て表情をして
少し首を傾げて、ゆかにキスしてくれた。
そして、ぎゅっと抱きしめられる。
やっとつかまえた一等星。
「大好きだよ、ゆかちゃん」
「うん、わかってるって」
あぁ、なんで「大好き」って言えないんだろ。。。
「何度も言わせてよ?」
「もう、仕方ないなぁ」
ううん、、、何度も何度も言ってよね?
手の中の一等星。
再び見つめると
さっきよりも、熱くて深い口付け。
あ、違う。
つかまえたんじゃなくって
ほんとは、とらえられてたんだ。
ずっとずっと、、、
そう、出会った瞬間から。
最終更新:2009年02月12日 15:29