一緒に暮らし始めて
改めて気付いたこと。
ゆかちゃんは、独り言が多い。
ほら、今だって。
雑誌をぺらぺらめくっては
なにか、呟いている。
「あぁ、、やっぱ・・・」
「でもな、、こっちの、、、かな?」
あたしは、ゲームに興じながらも
耳は、大好きな甘い声に傾いていく。
ゲームの音を、少しずつ下げていく。
「あ、これカワイイ〜」
「挑戦してみたい気もするけどなぁ。。。」
「や、でも、無難にやっぱ、、、黒?」
「う〜ん、、、」
新しいのが欲しいって言ってた、コート、かな?
ゆかちゃんなら、何着ても似合うのに。。。
なんて言ったら、きっと
もっとちゃんと考えてよ!って
いつものごとく、叱られちゃうんだろな・・
ゆかちゃんの心配もよそに
同棲生活は、思いのほかうまくいってる、と思う。
確かに、ひとりの時間てのは減ったけれど
こうして、同じ空間にいて
別々のことをする。
この時間が
あたしにとっては、
たまらなく幸せ、なのだ。
ふと、ゆかちゃんの独り言は
かまってもらえない、寂しさなんかな?
なんて、思い上がったこと考えちゃうけれど
「あ、なんか、甘いもの食べたくなってきたなぁ・・」
「そういえば、この前買ってきたクッキー、まだ残ってたじゃん」
とことこと、キッチンに向かっていく、ゆかちゃん。
「あった。じゃ、、、コーヒーでもいれよっかな?」
あ、間違えた。
ゲームに集中しなきゃ。
今、いいとこなんだもん。
「のっちぃ?コーヒー入れようっか?」
「あ、うん」・・・生返事。
「あ、でも、ゆか、紅茶飲みたいから、紅茶ね」
じゃ、聞かないでよ!?
普通なら、こんなふうになるんかな?
でも、あたしは
いちいちそんなこと気にしないし
第一、これも、ゆかちゃんの独り言にすぎない
てこと、ちゃんとわかってるから、ね。
「あれ?のっちのカップどこだっけ?」
あぁ、、いつものとこに片付けてないや。
「あ、絶対また、あそこに置いたままじゃないのぉ」
はい、その通りです。
「やっぱり〜」
申し訳ない・・・
画面の中のゲームはどんどん進む。
耳には、心地のよいBGM。
大好きな人の甘い声が紡ぐ
やわらかな、メロディ。
思わず、頬が緩むのが自分でもわかる。
「あれ?のっちって、、砂糖いれったっけ・・・」
うん、、ちょっとね。
「あ、そだ。ゆかより、少し多い目だ」
そだね。その通り。
「・・コーヒーは、ブラックのくせに」
いいじゃん、べつにww
ダメだ。
いいとこなのに、全然集中できない。
なのに
どうしようもなく、幸せ。
「のっちぃ?」
「・・・」
「のっち!」
あ、もう独り言じゃないみたい。
「ん?」
ゲームをセーブし、オフ。
視線は、大好きなゆかちゃんに。
「紅茶、入れたけぇ、、ちょっと一服——「ゆかちゃん?」
「なに?」
「可愛いね。大好きだよ」
「っ!?ちょっ!き、急に、なに言いよん!?」
あ、耳まで紅くなったww
やっぱ、最高にかわいいや。
ずっとずっと
きみから、紡ぎだされる
メロディに酔っていたいよ。
最終更新:2009年02月12日 15:53