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Side N
それにしても、このままじゃ、あ〜ちゃんの家にも帰れんし。
ゆかちゃんが言うように、仕事だって出来ん。

とりあえず今日は泊まる予定だったから、良いとして。
明日…も幸いなことにオフだから問題ないね。

ちゅうことは、明日中になんとかしなくちゃいけんいうことか。


ちびあ〜ちゃんも目を覚まして、今はゆかちゃんと遊んでる。
というか、何か話してる。

やっぱり気は合うらしい。まぁ、見た目が変わっただけで、あの子はあ〜ちゃんだもんね。

それにしても、目を覚ました時の、ちびあ〜ちゃんの反応はなんだったんだろ?

なんか起きそうだなと思って、顔を覗きこんでんたんけど。

まだ眠そうに目を擦って、ふっと視線が合ったら、しばらく動きが止まって。
で、急に持っていたクマさんのぬいぐるみを、ばふっと顔に押し付けられて。
何事かと思ってる間に、そのまま、ゆかちゃんの後ろへと隠れちゃったんだよね。

さっきまで、膝の上にあった温もりがなくなって寂しいです…。
なんて、しょぼんとクマさんとイジイジしてたら、またトコトコやってきて。

「ちょっと、あ〜ちゃんびっくりしたんょ。ごめんなしゃい。」
ちょっと言い難そうにしながらも、でも謝ってくれて、今度はあたしの手にあったクマさんで撫で撫でしてくれた。

うぉぉおおwwなんてカワユイんだw
抱きしめたい衝動に駆られてると


「…あ〜ちゃん?」
ゆかちゃんが呼ぶ声。それに反応してちびあ〜ちゃんが振り返る。
「えっと。一応はじめまして。わたし、ゆか。ヨロシクね?」
「ゆかたん?」
「そ、ゆかたん。」

おぅ。ゆかちゃんの笑顔が眩しいです。
そして、同じようにニコッと笑うちびあ〜ちゃんの笑顔も、最高じゃないっすか!

しかも…ゆ、ゆかたんっ!なんか良いかも…。
試しに呼んだら怒られたぁ…。可愛いのにぃ。

……とまぁ、そんな感じで今に至るわけで。

クマさんに視界を遮られる直前に見えた、ちびあ〜ちゃんの表情はビックリというか、
なんか照れたように見えたんだけどな〜。
でも、目が覚めて、あ〜ちゃんちの風景と違ってビックリしたってのもあるだろうし…。
うぅww分からん!

一人で、う〜、とかあ〜って唸っていたら、近づいていたちびあ〜ちゃんに気付かなくて。

「にょっち!」
勢い良く抱きついてきたちびあ〜ちゃんに負けて、床に倒れてしまった。

しかも、にょっちって…。
「テテ・・。あ〜ちゃん、なんでにょっちなん?」
軽く打った頭を撫でながら聞いてみる。
「う?ゆかたんが、その方がにょっち喜ぶ言ぅちゃけぇ。」
「ぇえ?ちょっと、ゆかちゃん。変な呼び方教えんでよ〜。」
「だって、ちびあ〜ちゃんが言うと可愛いじゃん?」

ま、そうですけども。

「…にょっち、ぃやなん?」
悲しげな表情で見てくるちび〜ちゃん。
「いっ、ぃや!そ、その、ね?あ〜ちゃん。そういう訳じゃなくてじゃな?」
そ、そんなうるうるなお目目で見つめないでぇw


「…にょっちって呼んでくらはい。」
「にぇへへぇ。にょっちじゃにょっちぃ〜♪」
あたしの上で足をぱたぱたさせて喜んでる。

負けた…。
お父さん、お母さん…のっちは完敗しました。今日からにょっちになります…。

ぷぷって笑うゆかちゃんの声。
「のっち、ホンマちびあ〜ちゃんに弱々じゃね〜。」
「しょうがないじゃろ?こういうあ〜ちゃんには慣れとらんのよぉ。も〜。」

「?あ〜ちゃん?」
あ〜ちゃんという名前に反応するちびあ〜ちゃん。
「ん?そうだよ?あ〜ちゃんよりもっとお姉さんのあ〜ちゃんの事。」
「おりゅの?」
「うん。あ〜、でも今は会えないけど。」
「しょうなん?」
「ふへへ、そうなの。」

「おっきあ〜ちゃんどんな人ぉ?」
とりあえず起き上がって、再びちびあ〜ちゃんを膝の上に座らせる。
「一言で言ったら可愛いに尽きるんけど…。」
そう話し出すと、なぜか恥ずかしそうにしてるちびあ〜ちゃん。
名前が同じだからね。てか実際は本人だけど。

「あと気配りが凄いし、料理が上手い。それからよく泣くんだけど、にょっち的には笑顔に負けんくらい泣き顔も可愛いと思っとる。」
本人を目の前にしてるけど、記憶が無いおかげでスラスラ言葉が出てくる。
なんかもう、言いたいこと言っちゃお。
「…んでぇ、にょっちはそんなあ〜ちゃんがだ〜い好きなんよ。」

きっと、本来のあ〜ちゃんには伝わらないけど。
目の前のちびあ〜ちゃんに、最高の笑顔を送る。

ちびあ〜ちゃんは、恥ずかしそうにクマさんをギュッて抱きしめて、ぼそっと何かを呟いた。


「ん?何?あ〜ちゃん。」
「なっ!にゃんでもにゃい!」
よく聞こうと思って耳を近づけた所に、思いっきり叫ばれて耳がww

そんなあたし達のやり取りをみて、さっきから笑ってるゆかちゃん。
も〜、他人事なんだからぁ。

あぁ、でも、この感じ。やっぱあ〜ちゃんだな〜。



ぐぅ〜・・・・。

ん?
音のした方へ視線を向けると、そこには顔を赤くしてあたしを見上げるちびあ〜ちゃん。
「にょっちぃ…おなかしゅいたぁ。」
「あ。」
ちびあ〜ちゃんの言葉に、買出しを忘れてたのを思い出した。

「うわ〜。やっばい。買出し行っとらんけぇ、何もないんよ…。」
「うそぉ。マジで何もないん?」
「ん〜、かろうじてカレーが作れるくらいじゃと思う。」

そう言うとちびあ〜ちゃんが、あたしの膝から立ってトコトコ台所へと歩いて行く。
そして、いつもあ〜ちゃんがするみたいに、冷蔵庫をがバッと開けて中を確認。
指差し確認が終ると。こっちへ向き直り。

「カリェーともぅ一品、あ〜ちゃんちゅくっても、ぇえ?」
「ぅん・・・。ん?ちょちょちょ、待った!あ〜ちゃん危ないけぇ、にょっちがちゃんと作るけぇ。
あ〜ちゃん待っとってよ。ね?」
なんの違和感もなく言ってきたちびあ〜ちゃんに、なにげなく返事したけど。
慌ててちびあ〜ちゃんに駆け寄って、部屋へと連れ戻す。


「ぇえ?あ〜ちゃんちゅくるぅwちゅくりたぃw」
「ぃや、でも危ないしぃ…。」
ジタバタするちびあ〜ちゃんを必死に抑えながら、助けを求めてゆかちゃんに視線を送る。

「のっち、折角だし作ってもらえば?」
「ゆ、ゆかちゃ〜ん。でも〜。」
なんでよ!何故ちびあ〜ちゃんの味方なんよ?

「あ〜ちゃんの手作りじゃよ〜?何の問題があるんよ?」
「そりゃ、美味しいのは折り紙付きじゃけど…。」
「心配なら、のっち手伝えば良いじゃろ?」

まだ迷いながらちびあ〜ちゃんの方を見ると…。
あ、ダメだ。
めっちゃおねだりな目で見られてたぁ。

「ぅ〜わっかりましたよぅ!にょっちも手伝うけぇ、あ〜ちゃんにお願いします。」
「わーい!やったぁ〜。ゆかたんありがとぅ。」
手をぱちぱちしながら喜んでるちびあ〜ちゃん。

そんなちびあ〜ちゃんは椅子を台にしながら、あたしの心配を余所にチャキチャキと料理が進んでいって。
ん〜〜。あたしはいるんだろうか?と悩んでみたりして…。

ちびあ〜ちゃんに指示されながら、あたしは野菜を切る担当に…。

そんな感じで、あっという間にカレーを煮込むだけになり…。
はや…。

「にょっち、どぅしたん?」
軽く落ち込み気味のあたしに声を掛けてくる、ちびあ〜ちゃん。
「心配いらんかったな…と思って。ちゃっちゃと終ったし。」

「しょれは、にょっちが手伝ってくれたけぇに。」


Side K
のっちとちびあ〜ちゃんがカレーを作ってる間、あたしは一人テレビを見ながら待っていた。
そろそろかな〜と思いながら、台所を覗いてみると、なぜかしょぼくれてるのっち。
きっと、あ〜ちゃんの手際が良すぎて、しょぼくれとるんかな。

あ、のっち頭撫でられてる。
あ〜ちゃん、あんなにのっちデレデレにしちゃって…。
普段やってあげたら、もっと喜ぶのにぃ。まぁ、出来たらとっくにしてるかぁ。

天真爛漫で、誰とでもワイワイして、『カッコイイ!』とか『可愛い!』『大好き!』っていろんな人に言ってるけど。
好きな人となると話は別らしく。途端に、そう言うことが出来なくて、逆に悪態をついてしまう。
特にのっちとは昔から一緒に居るからっていうのもあってか、そうなり易いみたい。
あたしもそうだけど、あ〜ちゃんののっちに対するソレには敵わないと思う。

のっちはのっちで、あ〜ちゃんとは反対に、聞いてる方が恥ずかしくなるなるようなことをポンポン言ってあ〜ちゃんに怒られる始末。

お。あ〜ちゃんが戻ってきた。
「カレーできた?」
「ぁと、にょっちが煮込んでくれるけぇ、もぅちょっとだよ?」
預かっていたクマのぬいぐるみを渡すと、大事そうに抱えて隣に座ってくる。

「それにしてもさ〜。のっちデレデレし過ぎだけどさ〜…。」
途中で止めると「ん?」て顔で見てくるあ〜ちゃん。

「あ〜ちゃんものっちに甘すぎじゃない?」
途端にボンッて音が出そうなくらい真っ赤な顔になって、手元のクマさんに顔を埋めるあ〜ちゃん。

「だ、だってぇ、いちゅものあ〜ちゃんじゃぁ出来んけぇ…。ちびっちゃい内なら良ぃかにゃってぇ…。」
つまり、ホントはいつもしたいと…。いやぁ〜、のっちちゃんと愛されとるねぇ〜。

クマさんの手をクイクイいじりながら、恥ずかしそうに言ってる姿が異様に可愛い。
のっちじゃなくても萌えるよコレ?

「じゃけぇ、にょっちには絶っっっっ・・・対!あ〜ちゃん記憶あるのにゃいしょにしとってね??」
必死な顔でお願いされちゃった。ちびあ〜ちゃん良いかも…。ってあたしはのっちかい!
そうは思ったけど、勝手に口が動いちゃって…。
「じゃあ、代わりにあ〜ちゃん抱っこさせてぇ?」

なんてお願いしたら、なんだかよく分からない顔をしながら「ええよぉ?」って言ってあたしの膝の上にちょこんと乗っかってきた。

ゃん♪あ〜ちゃん可愛ぃぃ♪
やっぱ、あ〜ちゃんの抱き心地良いわ〜。

…あ。そうそう、そうなんよ。あ〜ちゃんの記憶。
実はちゃんとあったりなんかして。
だから、のっちには悪いけど、今までのちびあ〜ちゃんに関する、あ〜ちゃんとあたしの台詞と行動はほとんどお芝居だったんよね〜。


—つづく—






最終更新:2009年02月12日 16:10