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SIDE-N

いつからこんな関係になったのか。


「んっ…ん、あ…っ」

私の下にいる彼女は、指を身体に這わせる度に甘く鳴く。
彼女の自慢の真っ直ぐな長い髪。
それが乱れると私の胸は一層高まる。
彼女を犯しているようで。

「やぁっ…んっ」

そう。
彼女ではない、彼女。
もっと乱れさせて彼女の中に少しでも彼女を見つけようとする。
無駄だとは知っている。
でも、止めることはできないから。


彼女の息が荒くなる。
私はふとあの日を思い出す。
あぁ、あの日からだ。
多忙な日々に心身ともに疲れきっていた私は、
何も考えず誘われるままに彼女の家へ向かった。
部屋に入ると普段とどこか雰囲気が違う彼女がいた。
自分でも欲求不満だったんだと思う。
ベッドに座っていた彼女を黙ったまま押し倒していた。
彼女に向けられない欲求を、彼女に向けて吐き出して。
彼女との初めての行為のあと、謝ったら『誘ったのは私なんだから』と笑われた。
その通りだ。
後になって気づいた。
彼女の部屋に入った途端した、むせかえるような芳香は香水なんかじゃなかった。
彼女が醸しだす妖艶な雰囲気だ。
それが私を狂わせた。

でも図られていたとわかると気が楽になった。
あの芳香を感じる度に私は自分の欲求を吐き出すことにした。
彼女だってそんな欲求を持っている訳で。
仕事柄、その欲求を満たすのはなかなか難しいし。
一人じゃ虚しいし。
お互い欲求を満たし合うならそれでいいか、なんて。


「…あ、あ、んっ…」

締め付けが強くなる。
そろそろ…かな。
指を動かす速度を速める。
もっと乱れて。
彼女に彼女を重ねる。

どんな声をあげるだろうか。
彼女程甘ったるくない、でも私の好きな声。
どんな姿で乱れるのだろうか。
彼女程華奢じゃない、丁度良い肉付きの身体。
想像すると自分の芯が熱くなるのを感じる。

「んっ…あ、あ…」

残っている欲求を吐き出すように、一気に責めたてる。


「や…っ、あ…ちゃ…んっ」

…え?
今、彼女が発した名前は。
間違いなく彼女の名前。
突然のことに驚きを隠せなかった。





最終更新:2009年02月12日 17:23