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N-side

あー眠たい。
ゴシゴシ目を擦ってから、うんと背伸びをする。
隣には愛しい愛しいゆかちゃんの姿。

寝顔はやっぱりかわいーもんじゃね。
何より一番大好きな子だし。
最高の朝ってこういうことを言うんだなー。

そーっと、規則正しく寝息を立てるゆかちゃんの髪を撫でる。
相変わらずさらさらで指先が切れてしまいそう。

「いやー、でも、信じられん」
まさか、ゆかちゃんがのっちのこと好きだった、なんて。
そんなオーラ全然出てなかったもん、今まで。
のっちは全開だったけど、ゆかちゃんにはなんか伝わってなかったぽいね、悲しいことに。
いや、でも、のっちって分かりやすい、ってよく言われるんだけどな・・・。
ゆかちゃんは、意識しすぎて、分かんなかったんだな、多分。
そうだ、のっちが輝きすぎてたんだなーw
でも、好きじゃなかったら、あんな時間に家押しかけないって、普通。

「ま、結果良ければ全て良し、か」
両想いとか考えにも無かったから。
てか、まずこっちから告白なんてありえんかったし。
ゆかちゃんがのっちを好きになっちゃう、って言った時はビックリしたな、さすがに。

「とりあえず、歯でも磨こ」
それから、朝ごはんでも作ろっかな?
出来るのっち、ってやつをゆかちゃんに見せ付けてやる!

      • ゆかちゃんのベッドから出ると、何か違和感が。
視線を下に下ろしてみる。

「ええっ!?」
すこし・・・どころじゃなく、えらく乱れたのっちの衣服。
前のボタンが上から2,3個外れてて・・・

きっ、きっ・・・キスマークっっ!?


「いや、まだ、ヤってないし!」
ってまず、そっち方向に考えちゃう、変態のっちです、はい。
でも、昨日は確かに何も無かった・・・はず。
あ、思い出した。


のっち、そういや、ゆかちゃん家来る前、ちょびっとお酒飲んでたんだっけ・・・

うわあ、絶対的な不安要素だよ、これ。

ちょ、ちょっと確認だ。
ゆかちゃんの状態を見てみればはっきりするはず。

お願いします、ちゃんと服を着ていてください・・・。

パラリ・・・
祈りながら布団をめくる。




「・・・っ良かったあああ」

布団を再び掛けなおし、ゆかちゃんに背を向けると
はあああ、と声が出るほどのため息を吐いた。
服、着てた。
だよねー。
だって、のっち、ジェントルマンじゃけぇ。

でも。
これは何?

のっちの開いた胸元にちばめられたキスマーク。
いち、にぃ、さん・・・
結構な数だよ、これ。
ゆかちゃん、どうしたの・・・?

昨日、のっちとゆかちゃんは結ばれた。
もちろん、恋人関係という意味で。
下ネタ的にじゃないからねっ!


昨日は・・・
ほんとのキス、とやらをベッドの上でして
それから、なんだか恥ずかしいね、って見つめ合って・・・

たはー、幸せですなー。
      • っておいおい、のっち、今はデレデレしてる場合じゃないんだ。

んで・・・寝た、と。
あちゃ、ほんとに何も無い。

うん、キスで十分だったもんな、お互い。
てか、普通そうだよね。
告白した日に最後までいっちゃうことなんて普通考えもしないって。

ま、のっちの場合最後までいっちゃっても、文句ないし。
てかむしろかんげ・・・いしないよ!まったく、けしからん!
誰だ、最後までいっちゃっても、文句ないとか言った奴は!!
ったく、そんなやつ見つけたらのっちがぶっ飛ばしてやるう。

「・・・っち、のっち」
「んっ、ああ!?」

びくんと体が跳ね返る。
仕方が無い。
なんたって、寝ているはずだったゆかちゃんが後ろからのっちを抱きしめてるんだもん。
      • おまけに変なことも考えてたし。
腰あたりにそっと回された細くて華奢な腕が可愛らしい。

「おはよ」
「う、うん。お、お、お、おはよ」

きゃー、そんな可愛い声で挨拶しないでー。
      • というかあ、あのね、ゆかちゃん。
そんなにくっついちゃったら、ね。
そ、そのーなんていえば良いか・・・む、胸がさ、のっちの背中に・・・

「噛みすぎー、昨日とは大違い」

ふふって笑うゆかちゃんの振動が背中に伝わる。
幸せ・・・だけど、何かがちがーう!!

「ゆかちゃん?」
「なあに?」

出た、これは小悪魔モードだな。
語尾に「はあと」がついてるよ。
のっち、見事に罠にかかってしまいそうです!

「一つ聞きたいんだけどさ、この・・・き、き・・・」
「キスマーク?」
「そ、そう!!・・・これは、ゆかちゃんが?」
「そーだよ」

そーだよ、って。
何でこんなにつけられてるのに、起きなかったんだ。
あー、もー、のっちのばかー!!
起きてたら、そっこー襲い・・・って、違う!違うよ!

「な、なんで、こんなに・・・?」
「・・・嫌、だった?」
「やじゃない、やじゃない!!」

即答ですよ。
そんな声、反則だ!拷問だ!


「ゆかの、のっち」

      • チーン。

「ゆかの、のっち、だから」

      • チーン。

ダメです。
隊長、もうだめです!
      • のっち、ゆかちゃんのためなら死んでも良い。


「もう、離れちゃ、や・・・」

すとーーっぷ!
外れます、何か外れちゃいますよ、樫野さん?

「のっちに惚れ、ちゃったから」

ぷしゅ〜。

言葉が出ません、嬉しすぎて。
ちなみに体も動かない。
鼻の下は伸びるばかりですが。

「・・・のっち!聴いてる?」
「っは!ああ、うん・・・」

聴いてますよ、聴き逃すもんですか。
ゆかちゃんからのそんな言葉、多分貴重なものになりそうだし。
あー、日頃からテープレコーダ隠し持っておくべきだった・・・。

「昨日ね、ちゃんとはまだ言ってなかったから、一応・・・」

そういうことか。
あー、のっち、もうギブアップだわ、マジで。

「好きだよ、のっち」
「・・・のっちも好き。愛してる」

だー、何言ってんだ、のっちはー。
ほんとはこんなこと言えないヘタレチキンなのっちのくせにー。
昨日だってそうだ、ゆかちゃんと初キスしてから変なスイッチ入っちゃったんだよ。
調子狂うし、ほんと知らんうちに押し倒しちゃいそうだって。

「ねえ、のっちぃ」
「んー?」


「・・・ゆかの全部、知りたくない?」

あれ、デジャヴ?
なんか昨日の晩と同じ様な展開じゃないですか?
立場逆転だけど。
てか、腰が砕けそうなんすけど。

いやいや、でも、今は朝ですよ。
こんなに清々しい朝でーすーよー。
やらしいことなんてしちゃったら小鳥達に怒られちゃいます、そうです、朝なんです。


「・・・知りたい、です」

ごめんなさい。
怒られる前に謝っときます、すいません。
こんな朝から、ゆかちゃんとけしからんことやっちゃいます。







「・・・のっちのばーか」
「へっ?」

気付くとのっちの腰から腕を解いたゆかちゃんが目の前に居て・・・

「まだ、のっちには早すぎるけぇ、お預けじゃ」

ゆかちゃんの細くて長い人差し指が伸びてきて、鼻の頭をつんつんとつつかれた。
      • か、可愛い・・・。

って、おおい!
からかわれただけ・・・。
罠が大掛かり過ぎて・・・気付かんかった。

「のっち!」
「はい〜?」
「露骨過ぎ。ゆかとエッチしたいって顔に書いてある」
「な、な、な・・・」

ゆかちゃんは艶やかな目をしてそっとのっちの右頬を撫でる。
お預けとか言いつつも、誘ってるんですかー!?
とゆーか、ゆかちゃん!
なんでそーいうこと、口に出しちゃうんですか!?
てか、のっち、そんなに本能丸出しですか!?
のっち、もう・・・恥ずかしくて、恥ずかしくて・・・・

「焦ってるとこ見ると、図星だね」

そう言ってけらけら笑うゆかちゃん。
さっきの色っぽい表情はもう無い。
可愛いけども。
      • また、罠だったのかー!
小悪魔だ・・・小悪魔過ぎるぞ、ゆかちゃん。

「うー、うー・・・」
「ほら、唸ってないで。今日仕事だよ?ご飯食べたら家でるよ」
「・・・はーい」

ああ、早速凹むなあ。
なんかもう、凹んじゃうよ。
はあー。
もう、ため息ばっか出るよー。
罠ばっかだしぃ。
バカなのっちは見事全部はまってるしぃ・・・。


「のっち」
「なにぃ?」

二人向かい合ってテーブルに着く。
ゆかちゃんの手製の朝食を目の前に手を合わせようとしていたときだった。

「・・・のっちの、ゆか、だからね?」
「へっ?」

いきなりの言葉に素っ頓狂な声を上げる。
また、罠かー?
ゆかちゃんはいただきます、と呟くとお箸を手に取り朝ごはんを食べ始めた。
え?
なんか、ゆかちゃん、しんみりしてない?
むー、なんなんだ、この雰囲気は、空気は・・・?
これは、やっぱり、罠か?罠なのか!?
      • ま、もう、こうなったらのっちは罠を避けることをやめてやる!
おびえるほうが疲れるけぇ、もうどーんと受け止めてやる!
漢、のっち、おおらかな人間になります!!

のっちもいただきますをして朝ごはんにありつく。
今朝はいろいろあったけぇね、お腹はすいてたんだよ。
      • んー、んまい!!
ゆかちゃん、料理上手すぎる!
あんな爪して・・・
人は見かけによらず、じゃよ、全く。

「のっち」
「はい!?」

あー、なんかもうのっち機嫌直っちゃったし。
まず、ご飯で機嫌直すとか、犬以下だし。

「今晩までに勉強しておいてよ」
「え・・・?」

あれ、べんきょーつったって、大学で課題なんか出てたっけー?
もしかして、いつもゆかちゃんに頼ってばっかだから、怒ってる?
でもやだよー。
今日はお仕事でしょー?
帰ってきてやれば時間は有るっちゃあるけど、疲れてるだろうし、
なにしろのっち、べんきょー、大っ嫌いだし。


「今日の夜、のっちの家、行くから、ちゃーんと予習しておいてよ」

何、何?
てか、課題じゃなくて、予習・・・?
そんなこと、したこと無いよ?
まず、のっちがゆかちゃんに教えてあげなきゃいけないの?
無理、無理。
絶対わかんないから、止めといたほうが良いって。
これ、ほんと。
ゆかちゃんのためを想ってのことだから!!

「いやっ、ゆかちゃん。のっち、きっと理解力無いから、
次の単元よしゅーしたって、ゆかちゃんに教えてあげられるほど
にはなれないと思うんよ。だから、べんきょーはかんべ・・・」
「なーに、言ってんのー?」

くすりと笑うゆかちゃん。
まったく、次の罠はなんだって言うんだー・・・。









「・・・ゆかの全部教えてあげるけぇ・・・予習、しといてね、って言ったの」

そういうとゆかちゃんはぽっ、と頬をきれいなピンク色に染めた。
      • 罠にわざとかかるっていうのも、悪くない。

(続く)





最終更新:2009年02月23日 04:10