最後の高校生活が始まった。
彼女は、樫野先生、というらしい。
社会科の担当。
得意なのは、倫理。
なんて、マニアックな・・
部活は、写真部の顧問を任されたみたい。
あの日の光景が、脳裏に浮かぶ。
キレイな指してたなぁ・・・
残念なことに、3年生の授業は
受け持たないということだった。
ということは、、、、、
数日後のお昼休み。
いつものように、屋上でパンをくわえていた。
「のっち!」
「んぁ?」
振り返ると、唯一の親友の姿。
「あ、あ〜ちゃん、どうしたん?
そんな慌てて」
「どうしたん?じゃないわ!
どういうことなん!?」
「えっ、なにが?」
「写真部にうつったって、ほんまなん!?」
「あぁ、、、、うん、ほんと」
「なんでなん!?」
どうして、か。
別に、あ〜ちゃんならほんとの
理由を話してもいいんだけど
「…なんでって、、、急に写真に興味がわいたから?」
自分でもまだ、整理しきれないキモチがあったから
とりあえず、そう答えた。
「・・・・」
「…な、なんなんれすか、その目は?」
「へぇ、、、急に、ねぇ」
「そ、そう。写真らっ!って」
「なんで、そんなに噛みよるん?」
「えっ、んなことは、な、い、、よ」
「・・・・」
あ〜ちゃんの視線が痛い。
しばらく沈黙が続いた。けど
「まぁ、別にいいんだけど、あ〜ちゃんは」
そう言って、のっちの隣に腰をかけて
お弁当を広げだす。
「チームメイトの子たち、落胆してたよ」
「…」
「最後の夏だし、今年こそは全国へって
意気込んでたじゃん?みんな」
「…うん」
ほんと、そればかりは申し訳ないと思ってる。
けど・・・・
「ごめん、どうしても自分のキモチに嘘をつけなくって…」
「そうなんだ…」
あ〜ちゃんはそれ以上、つっこんではこなかった。
ただ、「のっちが決めたことなら、あ〜ちゃんはいいんだよ」って。
いいんだよ、か…
ほんとの、理由を話した時にも
そのコトバが聞けるかな?
放課後。
写真部の部室に向かった。
時間的に、もう活動は終わってるだろう。
それでも、先生が残っていてくれれば・・・
「失礼しまぁす」
そっと、扉を開ける。
あ、、、、いた。
先生は、なんかよくわからないけれど
いろんな道具を整理していた。
「・・・部員の子、、かな?」
「あ、まぁ、一応…」
「…もう、活動終わっちゃったよ?」
「あぁ・・・」
ふふっ。
窓から差し込む夕日が逆光で
表情はよくわからなかった。
けど、その甘くやわらかな声は
あたしの頭ん中を痺れさすには十分、で。
「・・・もしかして、大本さん?」
「えっ?」
「あ、違った?」
「いや、そうです、、、けど・・」
「さっき、部員の子たちが騒いでたから」
「はぁ・・」
「3年生なのに、転部したんだってね」
「まぁ・・」
一歩、二歩。
先生が近づいてくる。
「はじめまして。今年から顧問を任された樫野です」
はじめまして、、、か。
うまく、答えられないでいると
「なんて、、ね。はじめまして、じゃないよね?」
えっ・・
「この前、桜の木のとこで会った人だよ、ね?」
「…覚えてたん、、、ですか?」
「もちろん」
そう言って、くしゃっと笑った
その姿は、あまりに愛しくて
あぁ、この人のそばに
ずっと、ずっと
いたいって
そう思ったんだ。
先生?
勘のいいあなただから
きっと、このときから、
あたしのキモチに、気付いてたんでしょ。。。
最終更新:2009年02月23日 04:23