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Side N
仕事も終って、家に帰ると。
最近のちょっとした楽しみがコレ。

自分で作った梅酒を一杯だけ飲むのが、小さな幸せ。

一口飲んで。
くはぁww。やっぱ自分で作ったのは格別じゃね。

あ。そういゃ〜、あ〜ちゃんにまだあげてなかったな。
いっつも持っていくの忘れちゃって、何度か催促されとる気がする…。

明日はちゃんと持って行こう。

そう思って準備、準備〜と動き出したら。携帯が鳴る。

お♪あ〜ちゃんじゃ。

「もしも〜し?」
『あ、出た。』
「そりゃ、出るじゃろぅ。で?どうしたん?」
『のっち今家じゃよね?』
「ん?そうじゃけど。」
『あの〜、今玄関とこにおるんじゃけど…。』

へぃ?

「ちょ、ちょぉっと待って?」
マジで?
『やっぱ、まずいよね?』

いやいやいや!そんなことないよ!
「待って待って。今開けるけぇ。」
帰っちゃいそうな雰囲気だったから、携帯を持ったまま急いでドアを開けると。
えへへってちょっと申し訳なさそうに立っているあ〜ちゃんの姿が。


「急にごめんね?」
「んや、別に。てか嬉しいに決まっとるじゃろ?」
なんたって、好きな人が来てくれえるんじゃもん。

まずは、部屋に上がってもらって、お茶でもと思って用意しようとしたら。

「あー!のっちの梅酒!」
「え?ああ、それね。仕事帰った後のお楽しみにしとるんよ。」
「良いなぁ。はよ、うちにも頂戴よぅ。」
ぷくっと膨れて言ってくるあ〜ちゃん。

「たははぁ。明日持って行こうと思っとったんけど…。今日持ってく?」
「やだ。今飲む。」
「ぇえ?」
「だって、今日来たんもコレ飲みたかったからじゃし。」
あたしの飲みかけのコップを弄びながら、そう言うあ〜ちゃん。

「あ〜ちゃん梅酒好きなん?」
「知らん。」
「えww。あ〜ちゃんお酒は?」
あ〜ちゃんも二十歳になってから、ちょっとは飲んでるだろうから…。

「まだ、何も飲んどらんよ?」
「あ〜ちゃんちって、お酒飲めなかったっけ?」
「違ぁうよ。のっちがはよぅくれんから…。」

あたし?
「えっとぉ…何で?」
梅酒を飲んだわけでもないのに、顔を赤くしてるあ〜ちゃん。
「最初に飲むのはのっちの梅酒って、決めとったけぇ…。」

ムハッ。なんという…。
「じゃぁ、飲む?」
「うん。」
可愛く頷くあ〜ちゃんにきゅんとしちゃったじゃないかよ。


あたしは、あ〜ちゃんの分のコップを手に、あ〜ちゃんの隣へと座る。
そのコップに、テーブルに置いてあった梅酒を注いで、あ〜ちゃんの前に置く。
「はい、どうぞ。」

「ありがと。」

あ〜ちゃんの反応が楽しみで、ついついじっと見ていたら。
「何そんなに見とるん。あんま見られると飲み辛いんじゃけど。」

「お?ああ、ごめんごめんw。人に飲んでもらうのってあんま無いからさ?」
「ま〜、別にぇえけど。」

そう言いながら、コップに口をつけるあ〜ちゃん。
初めてのお酒に、ちょろっと舐めるような一口。

「…ん、結構甘ぃんね?」
「うん。氷砂糖使うけぇね。」
「へぇ〜…。うん、おいしぃ。」
もう一口飲んでから、へにゃっと笑ってそう言う。
にへへw。あ〜ちゃんが美味しいだってw

誰に言われるより嬉しいやw

「なぁに、ニヤニヤしとるん!」
「ん?だって、あ〜ちゃんに喜んでもらえたけぇ。へへ。」
「こんなに美味しいんなら、もっとはよ頂戴よ!」
もう。なんて言いながら、グイグイ飲んでいくあ〜ちゃん。
二杯目に突入…。

「あ〜ちゃん。あんまペース速いと後でくるよ?」
「ふへ?そしたら、泊まってくけぇ。問題ないじゃろ。」
「あぁ…なら良いか…ってぇ!それマジ??」
「にゃんよ?迷惑なら帰るけぇ…。」

あ、あれれ?なんかあ〜ちゃん…。
「酔っちゃった?」
「ふぅん?…酔っとらん。」
「いや、でも目が…。」
「酔っとらん!」


いやいや。酔っ払いはみんなそう言うらしいけぇ。

……てぇ。

何だコレ?

いつの間にか、あ〜ちゃんがあたしの腕に絡んできてるんすけど。

「ぅぅwの〜っち…。」
「あ、あいぃ?」
な、なんか。ちょっとやばい?

今度は、とろんとした顔で見上げてきて。
「もっと、酔わせてよ…。」
「え、っと…。じゃあ、もういっp。」

そう言って梅酒に手を伸ばそうとしたら、ぐっとあ〜ちゃんの体重が掛かってきてあっけなく押し倒された形…。

「あの、あ〜ちゃん?」
初めて見る赤く酔ったあ〜ちゃんの表情に、ドキドキする自分。
「…酔わせてよ。」
そう言って唇を落としてくるあ〜ちゃんに、身動きがとれない自分。

あ〜ちゃんからにしては、長めのキスにクラクラしてきた。
こんなあ〜ちゃんは初めてかも…。

唇が離れて、その潤んだ瞳で見つめられて今度は…。
「あ〜ちゃんを、のっちで酔わせて?」

うはぁww
なに、この破壊力!反則過ぎじゃろ!

あ〜ちゃんの唇は、さっきよりも深くあたしを求めてきて…。

酔わせてって言うけど、あ〜ちゃん。
あたしがあ〜ちゃんに酔っちゃいそうだよ。

でもたまには、こういうあ〜ちゃんも良いかも…。
梅酒…いっぱい作っておこっと。


<酔わせて>fin






最終更新:2009年02月23日 04:29