N-side
「お風呂入ってきなよ、ゆかちゃん。のっち、食器とか洗っとくからさ」
「んー、了解。でも、任せちゃって良いのー?」
「どうぞ、どうぞ。今日はゆかちゃんがお客さんなんじゃけぇ」
のっちがそう言うと、ご飯作らせといてそれ言うのー?ってイタズラっぽく返すゆかちゃん。
確かにそうだけどね、のっちはゆかちゃんの料理が食べたかったし仕方ないの。
「じゃ、入ってくるけぇ」
そう言い残すとお風呂場に消えて行くゆかちゃん。
うん、可愛い。
いつ見ても可愛い。
「一緒に入りたかったけど・・・」
いいんだ。
ここでゆかちゃんに一緒にお風呂入りたい、なんて言ってもしキレられでもすれば・・・
その後の「約束」が無くなってしまう。
よーし、我慢だのっち。
もうちょっとすれば、ゆかちゃんの全てが待っているんだ。
そうだ、あと少しの我慢なんだ・・・
「のっちー!」
「・・・っあ、は、はいー?」
っわー、ビックリしだあ・・・。
お風呂場からのっちを呼ぶゆかちゃんの声。
何事か、とてけてけお風呂場に向かう。
「ゆかちゃん、どうし・・・っだはっ!」
脱衣所の扉を開くと、生まれたままの姿をタオル一枚で隠してるゆかちゃん。
だめだよ、それは・・・
ショッキングすぎる・・・
殺傷力ありすぎだ・・・
「もー、そんなジロジロ見んでよ・・・目がやらしー」
「あ、ああ、ごめん・・・。で、どうしたん?」
大分と恥ずかしがっているゆかちゃんに少し期待する。
- もしかして、一緒に入ろ?って言われちゃったりするのかな?
なーんて、変態のっちは考えちゃってます!!
「・・・お湯、溜まってないんだけど」
「え?」
ふたを開けられた湯船の中は空っぽ。
おかしーなー・・・ちゃんと用意したはずなんだけど・・・。
「もー、お風呂の栓するの忘れるとか・・・どこまで、抜けとん?」
「あ・・・すいません」
だー。
のっち、やってしまったー。
のっちの家のお風呂は自動だから、ボタンをポチっと押せばかんりょーなんです。
うん、でもそれはちゃんとお風呂の栓をしていたら、の話で・・・。
よくやるんよね、このミス・・・。
水道代無駄になるし、のっちも服脱いでから気付く、って事よく有ります。
そんときは・・・凄いショックです。
「どーすんのよー。寒いー」
「ほんっとすいません・・・。今すぐお風呂用意するんで・・・」
「だから、どうしろって?下着も脱いじゃったし、用意できるまでまたそれ着けるとかやだよ?」
えー、あー、本当にどうしましょうか?
普通に考えてあと、15分ぐらいは時間がかかるし・・・
シャワーだけはさすがに寒いよね。
のっち、脳みそフル回転中です。
でも。
無い頭使っても、意味、無いみたいです・・・。
「むー・・・・・・・・・」
「・・・もう、のっち。一緒に入るよ」
え?あれ?
何でそうなっちゃうんですか・・・?
いや、別に嫌じゃないんですよ?
むしろ嬉しいって言うか・・・。
「いいの・・・?」
「ばか!目がいやらしいんだって・・・」
「違うんだからねっ」
「はいっ?」
「この寒さがどれほど辛いか、あんたも感じんさい!」
「は、はい・・・」
「分かったら、早く脱ぐ!」
わー、ゆかちゃん、目がマジだ・・・。
うん、ムードとか、そういうの無いね。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「・・・せまい」
「すいません・・・」
変に言い合いが長引いたせいか、2人でシャワーを浴びていたら湯船いっぱいのお湯が溜まったみたいで。
今、こーやって入っているわけなんですけども・・・
ち、近い。
2人で隣同士体育座り。
ゆかちゃんの体と触れているのっちの右半身が
湯船を沸騰させてしまうんじゃないかってくらい熱いです。
あーもう、のっち死んでも良いかも。
いや、むしろ、殺してください。
「のっち、今、変なこと考えてたでしょー?」
「え、えっ?ちがっ・・・の、のっち、そんな変なことは・・・」
「ほーんとかなあ?」
ああ、死にそー。
のっち、幸せすぎて天国行っちゃいそうです。
ただ今、そのイタズラな視線がのっちのハートをずっきゅんずっきゅん、打ち抜いてます。
てか、のっち、嬉しいはずなのになんか焦っちゃいます。
ドキドキしすぎて、かっこ悪いです。
「ほっ、ほんとに・・・だって!」
「へー。・・・それじゃ、こうしても・・・?」
ゆかちゃんの両腕がお湯の中でスッと伸びてのっちを捕まえた。
まるで抱きしめられてるような体勢・・・というか抱きしめられている。
「っ・・・・・・・・・//」
「うわー、顔真っ赤ーw」
止めてください。
言わないでください。
仕方ないでしょ、ゆかちゃんのむ、胸がちょ、直接のっちに・・・当たってるんじゃけぇ。
「・・・・・・降参です」
「あら・・・狼にはならんのか」
あのねえ・・・。
のっち、ド変態ですけど、悲しいことに度胸ないですから・・・。
でも、なんとなくゆかちゃんががっかりしてるように見えるのはのっちの気のせいなんだろうか・・・?
「・・・・・・・・・//」
「・・・それにしてもひどいなあ・・・これ」
のっちが何も言い返せぬまま、黙り込んでると
ゆかちゃんは優しい笑顔でそう言って左腕はのっちにしっかり抱きついたまま
右手でのっちの胸についたキスマークを撫でた。
それは、ダメなんじゃないですか?かしゆかさん・・・。
のっちの体のあちこちから、悲鳴が聞こえてくるようです。
浴槽の中と言うこともあって、結構体勢に無理がある。
- とゆーことで、ゆかちゃんの頭がのっちの肩にぴたっと密着する。
うん、無理な体勢、バンザイ!
「・・・う、うん」
「・・・でも、ゆかもがんばったんだよ?」
慣れないことはするもんじゃないね、ってそう付け加え
てへ、っと笑ってのっちを見上げるゆかちゃん。
う、上目遣い・・・。
大体、てへ、って・・・可愛すぎるじゃろ?
小悪魔だー、ほんと小悪魔だー、この子は。
あー、体温が上昇しすぎでのっち、倒れそうです。
幸せな眩暈がします。
「・・・・・・・・・//」
「もー、照れたいのはこっちだって//」
顔が真っ赤なのっちを見てゆかちゃんも顔を赤く染めた。
だー、かわいい。
可愛すぎるぞ、ゆかちゃん。
「・・・そ、そろそろ出る?」
「んーそだね、出よっか?」
のっち、もう、のぼせちゃって倒れちゃいそうなんで。
てか、ゆかちゃんにのぼせちゃったよ。
さっきまで、ゆかちゃんと一緒にお風呂入りたいなーなんて思ってたけど、
実際入ってみると、のっちには100年早いと思い知らされました。
もう、耐えられません!
幸せなんだけどね・・・このままだとのっち早死にしそうだから。
腕が解かれると、ゆかちゃんより先に立ち上がった。
そして、湯舟から出ようとするといきなり右手を掴まれた。
「のっち・・・」
「・・・ん、ん?」
「・・ゆか・・・もう、のっちしか見てないから・・・」
さっきまで散々ドキドキしてたけどさ。
その言葉に完全に止め刺されたよ。
——だから、たまには仕返ししなくちゃ——
「・・・のっちはとっくの昔から、ゆかちゃんしか見えてないよ」
(続く)
最終更新:2009年02月23日 04:51