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大手企業の社長令嬢なんて、蓋をあければ至って普通の女の子。

コンコンッ
鏡で服装チェックをしていたら、ノックの音。
「どうぞー」
大きな扉が開き、見慣れた顔
「お嬢様、朝食の準備が出来ました」
私の執事。
「のっち」
「おはようございます。お嬢様」
「名前は?」
「あっ!失礼しました。"ゆか"お嬢様」
眉をハの字にして謝るのっちが可愛くて、ついイタズラ心が目を覚ます。
「今度名前呼んでくれなかったら、お仕置きねv」「ゆっゆかっお嬢様…」
「ふふっW」
顔が真っ赤なのっちの脇をすり抜け歩き出す。
「ほら〜早く行くよ」

「あっ、待って下さい!ゆかお嬢様!」


「どうぞ、ゆかお嬢様」
のっちが椅子を引いてくれて、
「ありがとう」
お礼を言うとクシャって照れたように笑う。

この感じがゆかは好き

だだっ広いテーブルに次々と運ばれてくる朝食。
食事はお抱えシェフが作ってくれる。
どれも美味しそうだけどやはり、一人きりで食べるのは味気ない。
(もう何年も一緒に食事してないなぁ)
ふと食べる手が止まってしまった。
ゆかの側に立っていたのっちがそれに気づく。
「御主人様も奥様も一緒に食事が出来なくて寂しがっておられましたよ…」
気付いてくれたのは嬉しいけど、その優しい気遣いが余計に切なくさせる。
「良いよ…もう」
「ゆかお嬢様…」
眉をハの字にさせて呟く。ちょっと、ゆかより寂しそうにせんでよ。
もう…
「じゃあ、のっちが一緒に食べてくれる?」
しんみりしてしまった空気を変えるために、のっちに冗談ぽくおねだりしてみる。
「そっそんな!一緒なんて…私如きが…怒られます」
慌てて首を振るのっちが可笑しくて
「ふふっW」
「あー…ゆかお嬢様…からかうのは止して下さい」
困ったように笑うのっち。
「あははっ…。…でも、本当に大丈夫」
「…はい、ゆかお嬢様が寂しくないのなら」
うん…
のっちが側に居てくれるから寂しくないよ
なんて、思ってても言ってあげないけど。

「ゆかお嬢様?」
「ん?」
「あの…少しぐらい野菜もお食べにならないと…」
とサラダを取り分け始めるのっち。
「えー、嫌」
「ゆかお嬢様ぁ〜」
「のっちが食べてよ」
「いやいや…お嬢様の」
「ゆか」
「すみません。ゆかお嬢様のお食事ですし…」
「要らにゃい」
「お嬢様ぁ〜」

ほらね?一人で食べてても充分楽しい朝食でしょ


結局、サラダを一口も口にせず食事を終えて無駄に広いリビングのソファーに座る。

「ゆかお嬢様、車の準備が出来ましたので」
「うん、わかった」
読んでいた雑誌をのっちに渡す。
「お帰りは何時に?」
「うーん…」
「では…「のっちも行く?」
「はい?」
「のっちも一緒に買い物行く?」
「いや、お邪魔でしょう。折角お友達と…」
「あ〜ちゃんだから平気だよ」
「しかし…」
「のっちはゆかが心配じゃないの?」
「心配です!」
「じゃあ、一緒に行こ?」「…」
「命令ですよ」
「はい、お供させていただきます」


(続くかもしれない)






最終更新:2009年02月23日 05:02