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今日は先生とデート!
付き合って半年、初めて外でちゃんとしたデートだ!わーい、すごく嬉しい。
本当は『待ち合わせ』をしたかったんだけど、昨日先生の家にお泊りしたからそれは出来ないんだよね・・・。
まっ、先生とデート出来るんだからそんな贅沢言ったら怒られちゃう。

あたしは家から持ってきたお気に入りのワンピースに着替えてお化粧中。
「あ〜ちゃんは化粧しなくても全然可愛いのに〜」
あたしにそう言いながら先生は寝癖を直してる。
「先生がそうでも、あ〜ちゃんが嫌なの!」
だって先生はなんでも可愛いって言ってくれるから、それに甘えてちゃダメな気がするんよね。あれ?これってノロケw?
先生に飽きられないように、あ〜ちゃん努力するの!

「準備出来ましたか〜?」
人さし指で車のキーが付いたキーホルダーをクルクル回している先生。
いつの間にかあたしよりも早く準備が終わってた。
「あっ、はーい。」
「んじゃ、行こっか」

先生の家を出て、下の小さな駐車場へ向かう。
先に助手席のドアを先に開けてくれてあたしを乗せ、またドアを閉めてくれる。
まるで英国紳士みたいな振る舞い。って、本物の英国紳士って見たことないけどw。
ヤバイ、かなりのジェントルマンな先生。これは、惚れ直しちゃうじゃろ・・・。

「シートベルトは自分で締めてね〜。」
「はーい」
「では、しゅっぱ〜つ〜しんこー!!」
先生のユル〜い掛け声で車は走り出した。


走り始めて気づいた事。

ヤバイ!運転してる先生カッコよすぎ!!キャー!!
横顔の顎のラインがたまらん!キャーキャー!!
ハンドル握ってる手も腕のラインもヤバイ!キャーキャーキャー!!
しかも運転が上手!!キャーキャーキャーキャー!!
左手でギアをカコカコ動かしてる動作もヤバイ!!キャー・・・・!!

あたしが脳内で興奮してたのを知ってか知らずか、先生が話しかけてきた。
「あっごめん。つまらんよね・・・」
そう言って先生の左手がカーステレオに伸びた。
流れてきたのはあたしの大好きなaikoさんの曲だった。
でもなんで?先生ふだんはaikoさん聴かんのに・・・。
あたしが不思議そうな顔してたのか、先生が察してその疑問に答えてくれた。
「・・・いやぁね、前からあ〜ちゃんを乗せたいと思ってたから、車にずっとCDを置いといたけ。
今日やっと使命を果たせてよかったわwあ〜ちゃん、aiko好きじゃろ?やっぱドライブにゃ、好きな音楽を連れていかんと」

嬉しすぎて泣きそうになるよ。どんだけ気配り屋さんなん?
「先生、あ〜ちゃんとドライブしたかったん?」
「ん、ま〜ね。のっちの愛車の助手席はあ〜ちゃんの指定席じゃからな。やっと座ってくれたわ」
「ありがとう、先生」
「いえいえ、こっちこそ。でも指定席だから料金高いからね〜w」
「えぇー!?お金とるん?あ〜ちゃん持っとらんよww」
「しょうがないな〜、お金がないなら体で払ってもらうしかないねw」
「先生、それじゃあエロオヤジじゃよwww」

aikoさんの曲をBGMに先生とふざけ合いながら約1時間半ちょい、今日の目的地に着いた。
車で1時間半って結構遠いトコだよね?
「ごめんね。ずっと座ってんの疲れたでしょ?でも、誰にも邪魔されたくないから遠くの水族館にしちった」
先生の言ってることわかるよ。
やっぱり学校の近くじゃアレだから先生、用心したんだね。
「ううん、大丈夫。あ〜ちゃんも邪魔されたくないもん」


じゃあ、あたしも用心しなきゃ・・・
「先生!あの、あ〜ちゃんも提案なんじゃけど?」
「なに?」
「えっと、今日だけは『先生』じゃなくて『のっち』って呼んでええ?」
ハノ字眉になる先生。
先生はあたしが『のっち』って呼ぶのをあまり好きじゃないことは知ってるけど、外で『先生』って呼んだら関係がバレかねないもん・・・。
そう言いたいけど、上手く説明出来ないのがもどかしい。
でもすぐにあたしの伝えたい事がわかったようで
「いいよ。外にいる時はそう呼んで」
と頭を軽く触って言ってくれた。

先生はあたしが説明下手でも、少ない言葉と表情を読み取って気持ちを理解してくれる。
まるでエスパーみたいな人。
あたしはいっつも、それに甘えてしまう。
ごめんね先生、あ〜ちゃん早く大人になるように頑張るからね。

水族館内は休日だけあって、周りは家族連れとカップルばかりだった。
いいな〜、みんな手繋いだり、腕組んだりして、あたしもほんとは先生としたいけど・・・やっぱり周りの目があるからワガママ言えないよ。

先生はそんなあたしをよそに、ひとりで勝手に水族館を楽しんでた・・・。
「おおおー。サメでけーw」
「うわっ、クラゲきしょい」
「蟹、足長っ」
「白くまじゃなくて黄色いくまになってるよww」
「やっべ、水族館すげー!」

もう、楽しんでるのはいいけどあたしの存在忘れてない?
「せん・・・のっち!」
『先生』と言いかけて、先生の服の裾を引っ張る。
「あっ、ごめんごめん。ほら、あ〜ちゃんも見てみ?ペンギンチョーかわいいよ」
拗ねようとしたけど、子供のようなキラキラした笑顔に負けて止めた。


「のっち、楽しい?」
「うん!チョー楽しい!だって水族館初めて来たんだもん」
そうなんだ道理で・・・ハシャギまくってた理由がわかった。
「えっ、あ〜ちゃん、もしかして楽しくないん?」
あたしを気遣ってくれる先生。
「ううん、チョー楽しい。のっち見てるとさらに楽しいよ」
「な〜んだそれ?バカにしてんのか?コラw」
「あはは、バカにしちょるよ〜」
「なにー!」

ハタから見たら、あたしと先生がじゃれ合ってる光景はどういう風に見られてるんだろ?
友達?にしては年が離れてるよね・・・。
姉妹?にしては似てないよね・・・。
まさか、恋人って思われるワケないよね・・・。
堂々と先生と手を繋ぎたい、腕を組みたいだけなのに、出来ないのが悔しい。

「どした?」
不安な思いが顔に出てしまってたみたい。
「ううん、なんでもない!そうだ、あ〜ちゃんイルカのショー見たい!!」
先生に心配させちゃいけん!明るく、明るく!折角のデートなんじゃからね!

「よっしゃ!じゃ、ショー見に行こう!」
先生はあたしの手を取り足早に館内を出た。
先生が手を繋いでくれた。いや、正確には引っ張ってるって言うのかな?
さっきまでモジモジ悩んでたのが吹っ飛んだ。
でもただ手を握られてるだけなのに、嬉しくて泣きそうになった。
先生はあたしを喜ばせたり悩ませたり泣かしたり愛してくれたり、忙しい人だね。

イルカのショーの間、誰にも見えない角度で先生は、ずっと手を繋いでてくれた。

— Fin —





最終更新:2009年02月23日 05:14