N-side
小鳥のさえずりがちゅんちゅん、と遠くなった意識の中で聞こえた。
朝、だ。
「眠・・・っ」
マジでオールするとかのっち、ばかだな。
瞼がちょー重いです、はい。
腕の中ではずーっとコワレモノみたいにぎゅっと抱きしめられてるゆかちゃんが眠ってる。
すやすやと気持ちよさそうな寝顔にふふっと笑みがこぼれる。
- ってのっちはそれで何時間も暇をつぶしてる、っていう。
あー、心底のっちって変態だな。
「・・・・んっ・・・ぁ」
ゆかちゃんの長い睫がぴくっと動く。
ゆかちゃんのその小さな声がさっきの行為をフラッシュバックさせる。
「・・・・・・・っ//」
それがのっちの思考をパンクさせる。
いや、でもそれじゃあだめだ。
ゆかちゃんが起きちゃう。
あ、やばい、どうしよ。
今、何でこの状態になってるかの言い訳考えないと・・・って
「おはよ、のっち」
「お、おはよ・・・」
いやもう、これね。
反則じゃないかと。
腕の中で眠りを覚ました姫がまだ眠そうな目の閉じかかった笑顔で、おはよ。なんて・・・
殺人マシーンですよ。凶器ですよ。
「・・・どうしたん?かお、あかい」
「ま、まあ・・・それは・・・」
置いといてください。
とゆーか、ゆかちゃん半分分かってると思うんれすけど。
「のっち、変なの」
「そ、そうかな?」
ゆかちゃんはそうだよ、と言うとのっちの服をギュッと掴んだ。
あ、そういうのはマジで止めてほしいと言うか・・・
危険ですよー。
のっち、狼になっちゃいますよー。
「・・・・・・・・・っ//」
いかん。
今、自分で墓穴掘ったって!
のっちのあほー。
これはさすがに自分でもフォローできんよ。
「なにー?顔、やらしいよー?」
「ちょ・・・これはち、違うと言うか・・・」
のっち、やっぱ変、とふふっと笑った後、起きよ?と言った。
腕を解く。ゆかちゃんが上半身を起こす。
今ゆかちゃんの体を覆っているのはボタンの全て開いた服。
だめだ、それはだめだ。
そう思ったのっちにとどめが。
それは。
ベッドの上にぱさっと落ちたゆかちゃんのぶ、ブラ・・・
フロントホックで、行為のあとに胸に被せてはおいたんだけど、
ホックなんか止めれんかったんよー。
だ、だって、胸触っちゃうし・・・。
あれだけ胸揉んどいて・・・っていうのは言わないでくださーい、わーわーわー。
のっち、あの後はすぐさまヘタレのっちに戻ったんじゃけぇ。
「あ」
ゆかちゃんはそう言って自分の胸を見下ろし着ていた服のボタンを留める。
ちょいちょい、ちょっと待ってくださいよ。
どうせならブラジャーつけてからボタン留めてくださいよ・・・。
「・・・・・・・・//」
「もー、顔赤いって!昨日ののっちはどこいったんよー」
消えました。
昨日ののっちはもう居ないんだよ、ゆかちゃん。
昨日ゆかの裸見たくせに、とゆかちゃんはぶーっと呆れ顔でベッドから降り、立ち上がったとたん顔をしかめた。
付け足しの一言にかーっと顔が熱くなるものの、ゆかちゃんの表情が気に掛かり、問いかけた。
「//・・・・・ん?どーしたん・・・?」
「ん。こし・・・ちょっと、痛いかも」
っかーーー//
だめー、もう思い出させないでー。
恥ずかしすぎて死んじゃうー。
「あー、のっち、照れてるう」
「そ、そりゃ・・・」
ゆかちゃんはそう言うとベッドに両手を着き、のっちの顔をを覗き込んだ。
そしてまた顔が火照る。
だって、ボタンつきの服が少し大きめなのと、のーぶらじゃーなせいで・・・
ちらっちら、胸が見えてるんだよおおお!
「てかさー、あんな技どこで覚えたんー?」
「・・・わっ、わっ、わぁざあ?」
「とぼけちゃってー。ゆか・・・激しいのっち、好きだよ?」
「・・・・・・・・・・・//」
もう、止め。
止めだ!!
その目、のっちを瞬殺。
とゆーかこ、これはだな・・・
別にのっち、ヤり慣れてるとかじゃなく・・・
「ねぇってば!」
「は、はい!?」
「だ・か・らっ、どうやって覚えたの?ゆか、あそこまで教えてないよ?」
イタズラっぽく笑った後、不意に覗いた不安げな顔。
空気が変わる。
それはきっと見間違えなんかじゃないんだろう。
のっちの気のせいでもないだろう。
多分、だけど・・・心配してくれてるんでしょ?
どんな人と体を重ねてきたのか・・・って
だから、大丈夫だよ、ってそう諭すようにに頭を撫でた。
「うん、そうだね」
「誰に・・・教えてもらったん?」
揺れている。
ゆかちゃんがのっちを想って揺れている。
のっちはゆかちゃんしか見てない、ってそう言ってるのにね。
そんなゆかちゃんが可愛いから特別に教えてあげる。
ホントはやだよ?
だって、それ言っちゃ、のっちかっこ悪い、ってきっとゆかちゃんに笑われるもん。
だけど、ゆかちゃんが不安そうにしてる顔見るほうがやだもん。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「もー!のっち、あんたどこまで変態なん?」
「や、や・・・それはさ・・・」
全てを告白するとゆかちゃんは少し呆れながら笑顔になった。
いいんだそれで。
のっちが変態扱いされようがなんだろうが、ゆかちゃんが笑ってくれたら良いんだ。
だって、のっち実感したもん。
ゆかちゃんがほんとにのっちを想ってくれてるんだ、って。
「何のために学校通っとるん?」
「そ、それはー・・・」
だけど、その後はカンベンだって。
のっち、タジタジ。
だって、ゆかちゃんはお得意の小悪魔に変身してしまったから・・・。
でもさ、みんなもさ・・・
保健の授業で習ったそれらしい知識を繋ぎ合わせたら、
ああいう時どうすりゃええか分かるじゃろ?
(続く)
最終更新:2009年02月23日 05:31