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期末テストまで3日と迫った今日は休日だけど部屋に籠もって試験勉強。

カリカリカリッ
部屋にはシャープペンの音だけが響く。
カリカリッ、、、
「のっち、ここ解らん」
「どこですか?」
斜め後ろに立っていたのっちが、問題集を覗き込む。
「これ」
「あー…これは、、、」
−…
え?!フリーズ?
「…すみません、私も解りません」
「のっちぃー…ちゃんと高校卒業してるよね〜?」
「はい…すみません…」
「まぁ…のっち高校のとき執事見習いで、そっちの方が大変だったもんね。良いよ、明日先生に聞く。」
「役に立たず、すみません…」
のっちは眉をハの字にして、肩を落とす。
「大丈夫だよ〜、気にしないで」
「…お嬢様、やはり家庭教師の先生についてもらった方が、、」
「ヤダ」
「即答ですかW」
だって、のっちに勉強見てもらう方が良いもん。
そりゃ…ちょっと、勉強の方は弱いけど、、、。
なんと言うか、、、お金じゃ買えないもの?
priceless、、、的な?
んー…わかんにゃい。
「ゆかお嬢様?手が止まってますよ」
「はーい」

再び静かな部屋に響くシャープペンの音。

数学の問題を解きながら、自分の集中力が切れそうなのを感じていた。
(レモンティーが飲みたいなぁ…)
カリカリッ
(…チョコレイトも食べたい…)
カリカリカリカリッ
(てか…のっちとお喋りしたい…)
なんて、斜め後ろに立つのっちを意識してしまうと…
カリッ…
「…」
ダメだ。完璧に切れた。
「休憩されますか?」
「うんW」
流石!わかってるね。

「紅茶飲みたい」
「はい」
「あと、チョコレイト食べたい」
「はい」
「それから…」
「はい?」
「いや、なんでもない」
のっちとお喋りしたい、なんて言えない。
だって、なんか…子供っぽいし。
「では…」
のっちはクシャって笑って、
「今すぐ、準備して参ります」
紅茶を入れに、部屋を出て行ってしまった。

静かだった部屋が更に静かに…いや、冷たくなっていく感じ。

寂しいの?
まさか…そんなんじゃないよ。
私は、ペンを置き、ゆっくり立ち上がってキングサイズのベッドに飛び乗るように横になる。
「のっちぃー…」
意味も無く呼ぶ声は、ゆかの心を刺激して広い部屋にスッと消えてしまう。
「のっちぃー…」
ベッドに顔をうずめて、また名前を呼ぶ、冷たい部屋に消えてしまわないように。


「のっちぃー…」
ベッドに顔をうずめて、また名前を呼ぶ、冷たい部屋に消えてしまわないように。
「のっちぃー…のっち、のっちのっちのっち…」何度も何度も…。
「のっち、のっち、のっち、のっち」
呼ぶ声は段々大きくなる。
「のっちぃー!」
「はい?」
予想してなかった返事に慌てて顔を上げる。
「どうかしました?」
眉をハの字にして、私の顔を覗き込んでいた。

「気分悪いですか?」
のっちは私のおでこに手をあてる。
「熱は無いみたいですけど、、、」
「勉強頑張りすぎたんですね」
のっちはまた、クシャって笑った
「のっち」
私は起き上がり、のっちに抱きついた。
「お嬢様!」
のっちの肩口に額を押し付けるように、ギュッとする。のっちはけして、抱きしめ返してはくれないけれど、それでも良い。
「…みたい」
「はい?」
「紅茶…飲みたい」
「…はい」
「チョコレイト…食べたい」
「はい」
「それと…それから…のっちとお喋りしたい…」
「はいWW」

ゆか、絶対顔真っ赤になってる。
そんな顔を見られたくなくて、のっちをキツく抱きしめる。
「ゆかお嬢様?」
「何?」
「痛いです」
「…」
本当、のっちは…
「ゆかお嬢様?」
ゆかの顔を覗き込もうとしたのっちからスルリと離れた。
「?」
「のっちのアホ」
「え?!」

なんなんよ…もうー…。
「アホ…アホって…」
思いっきり肩を落とすのっちを後目に、ソファーに座る。

「のっちぃー紅茶ぁー」
「はい…」
涙目のまま、ティーポットにお湯を注ぐのっち。
まったく…空気の読めん困った執事じゃ

「どうぞ」
「ありがとう」

口にした紅茶の香りがスッと鼻を抜けた。
「のっち紅茶煎れるの上手いね」
「ありがとうございます」照れたように笑うのっち「のっちも座りなよ」
「いえ、私は」
「なんで?ゆかとお喋りするんでしょ?」
「私は"ひつじ"ですから」って言えてないし…。
「…てか、ずっと、思ってたんだけど、立ちっぱってしんどくない?」
「まぁ…正直最初は…」
「じゃあ、座りな?」
ポンポンッとゆかの隣を叩く。
「慣れましたから…大丈夫ですよ」
ハの字眉で困ったように笑う。
「ゆかの命令ですよ〜」
「…」
「逆らったら、お仕置きですよ〜」
「失礼します」
ペコッと会釈をして、遠慮がちに隣に座るのっち。
そんなにお仕置きが嫌なんかなぁ…。
ちょっと、寂しいんですけど…。
今度は優しくしてあげよ


「のっちぃ」
甘えた声でのっちに体を寄せる。

のっちが体を強ばらせた。そんなに警戒しなくてもW
でも、のっちの温もりが伝わって来て安心する。しばらく、このままが良いなぁ…なんてW
「あの〜ゆかお嬢様?」
「ん?」
「紅茶飲まれましたら、お勉強の続きですよ」


本当、空気の読めん執事…






最終更新:2009年02月23日 05:32