「よし、じゃぁ、今日は
写真講座を開いてあげるね」
そういって、先生は頭を撫でていた手をおろし、
部屋の奥、さっきまで写真を眺めていた机まで
あたしの手をひっぱっていく。
「写真講座?」
「そ、今ね、みんなが撮った写真をチェックしてたの。
もうすぐ、また展覧会もあるから、ね」
並んで、座る。
「へぇ」
「へぇってw他人事みたいな返事して!」
「あ、あたしもですか?」
「一応ね、部員なんだから。
ま、自由って言えば自由なんだけど」
「あぁ・・」
「うわぁ、やる気ないねぇwま、いいけど。
で、写真についてのあれやこれやを、
一緒に見ながら、教えてあげようと、ね」
「お、いいですね」
「じゃ」
そう言って、先生は写真片手に話し出した。
この場合は、光の加減が・・・とか。
構図一つで、これだけ見え方が違うんだよ・・・とか。
これは、現像の時に・・・とか。
よくわかんない話もあったけど
写真について話してる先生はほんと楽しそうで
それを間近で見られるだけで幸せだった。
そしてなにより
さっきからずっとつながれている手。
この手の意味は?
聞きたかった、けど・・・
それを聞いてしまうと、離されてしまいそうで・・・・
「ねぇ、のっち、聞いてる?」
「ん、うん。聞いてます聞いてます」
あ、また
“のっち”って呼んだ。
うーん・・・
「で、最近、写真撮ってる?」
「あぁ、、今日はちょこっと撮りましたよ」
「なに撮ったの?」
「空、、、とか?」
「へぇ、そっかそっか」
「うん、なんかとっかかりがつかめたっていうか」
「うん」
「あんまり考えすぎてもダメなんだなって」
「うんうん、そうだと思う」
「て、まぁ、友達の受け売りなんですけど、ね」
「友達って、、、もしかして、あ〜ちゃん?」
「えっ?」
「ん?あぁ、、、一緒にいるとこよく見かけるから」
「あぁ・・」
「仲、いいんだね」
「まぁ、幼馴染ですから」
「そ、なんだ」
あ、、
「先生って、生徒のこと、愛称で呼ぶんだ?」
「えっ?」
「いや、今、あ〜ちゃん、、、て」
「…あぁ・・・そういうわけじゃないけど、、
みんなに、呼ばれてる子はねぇ、、つい・・
あの子、みんなの人気者でしょ?」
「ま、確かに・・・」
「基本的に、先生は生徒のことはちゃんと名前で呼ばなきゃ、ね」
「そ、ですか・・」
じゃ、のっちは?
とは、聞けなかった。
「今日も、一緒に、屋上にいたね」
「っ!?よく知ってますね?」
「あれ、知らなかった?社会科教員の部屋
屋上の向かいだから、よく見えるんだよ?」
「えっ、そうなんだ・・」
「ふふ、、、だから、たまにのっちのこと
こっそり見てるんだよねww」
うわっ、恥ずかしい・・・
あ、でも
見られてるってことは
先生の様子も見れるってことだ。
なんて、不純な思いがひょこっと顔を出す。
「あぁ、、よからぬことを考えてるなぁw」
「いいぃ、や、いや、、んなことないっす!」
「はは、わっかりやすいなぁ」
あ、なんかスイッチは入っちゃった・・
繋ながれた手、指先を絡め直す。
抵抗はされなかった。
第一段階クリア。
先生の瞳を見つめる。
「先生?・・・キスしても———
「ダメ」
即行ですか、、そうですか、、、、
でも、ここで引き下がれない!
「じゃ、抱きしめてもいいですか?」
「うぅん、どうしよっかなぁ」
繋いだ手を、ぐっと胸元に引き寄せる。
先生は、仕方ないな・・て表情して
「…いいよ」って。
そのコトバを合図に
さらに、先生を抱き締めた。
先生?
最初から最後まで
主導権は、あなたの手の中だったね。。。
最終更新:2009年02月23日 05:48