今日の4限目は、先生が出張ってことで
課題プリントが出ていた。つまり自習。
すごくいい天気だったこともあり
プリントとお弁当、そしてカメラをもって
屋上に上がった。
ささっと、プリント仕上げて
写真でも撮ろうっと。
—社会科教員の部屋、屋上の向かいだから、よく見えるんだよ?
ふと、先生の言葉を思い出す。
向かいの校舎に目をやる。
確か、社会科の教室は、、、、3階だったっけ?
3階の一番端。
あ、いた。
次の時間は授業なんだろう。
忙しなく、資料やらなんやらを準備してる先生の姿が見えた。
窓際に置かれているコピー機を操作してる
先生と目が合う。
なんとなく、手を振ってみた。
ヒラヒラと振り返してくれた。
と、同時に
—さ、ぼ、り?
そう、口元が動いた。
慌てて、左右に首を振り
—課題!自習!
と、プリントを見せて、必死でアピール。
ま、教室抜け出してる時点で
さぼりみたいなもんなんだけど・・・
ふーん、と
いじわるそうな表情を浮かべ
コピーした資料片手に
先生は授業へと向かって行った。
あっらぁ、、、、さらっと流された?
ま、いいけど、さ。
さてさて、課題を早く仕上げようっと。
あ、そういやぁ
先生が授業してるとこって見たことないなぁ。
そりゃ、受け持ってもらえてないから仕方ないんだけどさ。
てか、他の生徒といるところ見たことないや。
部活での姿しか・・・
どんな感じで授業してるんだろ?
っ!
2年生の授業だったら、
ここから見えるんじゃないの!?
えっと、2年生の教室は
2階だから、、、、、
再び、向かいの校舎を眺めだすと
「のっち」
後ろの方から、聞き覚えのある声がした。
「あ、あ〜ちゃん!どうしたん、授業は?」
あ〜ちゃんは、のっちの違って
授業をサボったりはしない。
「あんたこそ、なにしてるん、こんなとこで」
ゆっくりとのっちに近づいてくる。
「や、のっちは、この時間、先生が出張で自習なんよ」
「ふーん、、、自習でも勝手に教室から出たらあかんよね?」
「うぅ、、、あ、はい・・・」
ほんと、おっしゃるとおりです、はい。
フェンス越し、あ〜ちゃんが隣に並んだ。
「いったいここから、誰を眺めてたんですかね?」
「えっ・・・・」
えっと・・
思いがけない問いかけに、コトバを返せないでいると・・・
「なーにが、急に写真に興味が出てきた、よ?」
「・・・」
「目当ては、先生だったんだ?」
あ、そっか・・
ちゃんと、伝えるべき時がきたんだ。
そう思った。
あ〜ちゃんと向かい合う。
「うん、そう」と答えた。
あ〜ちゃんは
悲しそうな表情をした、、、
気がした。
「どうせ、いつもの一目惚れなんでしょ?」
「確かに、、一目惚れだったけど・・」
「何度それで、失敗してるん」
「うん、いっぱい失敗してきた、ね」
「も少し、学習しなよ…」
確かに、
だいたい、一目惚れで
結局、うまくいかない、、、なんてことは
よくあった。
けど・・・
「確かに、のっちも最初は、
またいつもの一目惚れかなって思ったよ。
けど、、、今回は違う。そんなんじゃ、ないんよ…」
うん、
これは、この想いは違う。
「女の人じゃん・・」
「うん・・・」
そだね、自分でもびっくりだよ。
「それに、、、先生だよ」
「うん・・・」
「うまくいくわけない」
うん、、、、
「わかってる」
でも、関係ないんだ・・・
「相手になんかされないことくらい覚悟の上だよ」
「・・・」
「ただ、のっちは、どうしても先生の近くにおりたいんよ」
そう、それだけなんだ、、、ほんと。。。。
あ〜ちゃんは
なにか言いたそうな表情を浮かべた。
ぐっと、そのなにかを
堪えた、、、ように見えた。
「・・・あ〜ちゃんは、のっちが傷つくのを見たくない…」
傷つく、、、っか・・・
「うん、、、ごめんね、心配かけて・・・
けど、どうしてものっちは、今は少しでも先生といたいんよ」
今さら、引き返せないんだよ。
それ以上のことは
言えなかった。
そして、あ〜ちゃんも
それ以上
なにも言わなかった。
あ〜ちゃん?
今なら、わかるよ。
きみが言いたかったこと。
そして、言えなかった、わけも・・・
あの時、“それ”を
聞いていたら、
なにか、、、、変わっていたのかな?
うぅん・・・
ごめん。
それでも、きっと
この運命は変わらなかった、よ。
最終更新:2009年03月17日 17:09