『題名:ごめん。
今週の週末、先生同士の研修で出張することになりました。
という訳で約束してたイチゴ狩りが行けなくなりました。
すいません』
先生から最悪なメールがきた。
なんだ?この内容・・・。
てか、前から思ってたけど、先生のメール事務的すぎる・・・。
絵文字のひとつくらい入れてくれたっていいじゃない。
あー、すごいショック。ほんとショック。
1ヶ月前の約束で楽しみにしてたのに・・・。
やっと先生のスケジュールが空いて行けると思った矢先の出来事だよ。
しかも、イチゴ狩り今週で終わりなのに・・・。
来年まで待てないよ。バカ!!
この気持ちをどうしていいかわからないので、とりあえず先生に返信。
『今日、先生の家行っていいですか?』
『職員会議があるからいつもより遅くなると思います。それでもいいならどうぞ』
あたしは一旦家に帰って着替えてから、先生の家に向かった。
合鍵を使って家の中に入って、先生を待つ事約3時間。
やっと先生が帰ってきた。
あたしはおかえりも言わないで、ソファーでつまらないテレビを見てる。
「おー、あ〜ちゃん。いりゃっしゃい。飯食った?」
「・・・まだ」
「んじゃ、これ一緒に食べよ」
先生の手には二人分の牛丼。
「イチゴ狩り、ごめんね。また来週行こうよ」
先生は牛丼をほおばりながら、優しく言った。
「だから、来週はもうやっとらんのよ!今週で最後なの!次は来年になっちゃうの!」
あたしは牛丼じゃなく、先生に喰ってかかった。
「え?そ、そうなん?ごめん・・・。でも仕事だから、しょうがないけ・・・」
「わかっとるよ。そんなん・・・」
頭ではわかってるけど、心がついていかないんだよ。
あまり我がままを言ってしまうと、先生を困らすので堪えた。
『出張中、のっちの部屋勝手に使ってええからね』
このメールを残し、先生は出張へ行ってしまった。
あたしは出張のせいで予定がなくなって、やる事もないからメールの通り先生の家に行くことにした。
先生の部屋には海外ドラマのDVDや、テレビゲームやら暇つぶし道具があるから、一人でいてもそれなりに過ごせる。
部屋に入ったら、相変わらずの散らかりよう・・・。
これはDVD観る前に掃除かなっと思って、掃除機を取り出す。
いい天気だから布団も干そうかな。
えーい!!こうなったら徹底的に掃除してキレイにしてやる!!
それに掃除して体を動かしてれば、ネガティブな事も考えないで済むしね!
我ながら、ナイスアイディア!!
あたしは無我夢中で、掃除をしたら疲れてしまった。
お天道様に当てた布団はフカフカ。
その布団にダイブする。
うーん、気持ち〜。
あたしはゴロゴロ布団の上を動き回る。
布団には太陽の匂いの他に、先生の匂いがする。
その匂いを嗅いで、あたしは急に先生が恋しくなった。
「先生、今なにしてんのかな?」
「来年のイチゴ狩り一緒に、行ってくれる約束してくれるかな?」
天井に向かってブツブツ独り言。
そして、ウトウト・・・。
!!??あれ・・・もしかして寝ちゃってた!?
何故か目の前には先生の姿。
あ〜、まだ夢の中か・・・。先生がここにいるわけないじゃろ?
出張中なんだから・・・。
チュ。
おでこに柔らかい感触・・・。
え!!??これって夢じゃないの?
「掃除してくれたんだ。チョーキレイじゃ。ありがとう」
ハノ字眉の顔の先生が目の前にいる。
「え?え?な、なんで?出張は?なんでここにいるん?」
あたしはビックリして、たぶん鳩が豆鉄砲くらったような状態。
「あ〜、途中抜け出してきちゃった」
外が暗くなっているので先生は、カーテンを閉めて、蛍光灯をつけながら、おどけた感じで言った。
「なんで?」
「う〜ん、つまんなかったから?」
嘘だ。
先生がそんな無責任な人じゃない事くらいわかってる。あたしが我がまま言ったからだ・・・。
「嘘・・・。また、あ〜ちゃんが先生の事こまら・・・」
先生はあたしの言葉を遮ってキスをした。しかもちょっと強引で濃厚なキス。
キスを止めると先生はおでこを、あたしのおでこにくっ付けてこう言った。
「あ〜ちゃんのせいじゃない。のっちがあ〜ちゃんに会いたくなったから抜けたの。あ〜ちゃんのせいじゃない」
『あ〜ちゃんのせいじゃない。』って言葉は本当は違うって事はわかってる。
でもその言葉に甘えてしまう自分は、まだ子供もなんだと感じる。
あたしはいつまで先生に甘えっぱなしなんだろう・・・。
「イチゴ狩り行けなかったけど、買ってきたから一緒に食べよ?」
「・・・うん」
テーブルにはスーパーの袋に入ったイチゴのパックが置いてる。
先生がイチゴを食べさせてくれる。
すごく甘くて少し酸っぱかった。
「来年は必ず行こうね」
「来年の約束してくれるん?」
「うん?しちゃダメなん?」
「それって来年も、あ〜ちゃんと一緒にいるってことだよ?」
「そーだよ?え!!もしかしてあ〜ちゃん、のっちと来年まで居たくないん?」
先生はベットで寝転がってたのに、急に体を起こし驚いた様子。
「違うよ、逆・・・。先生があ〜ちゃんと居ると困るんじゃないかと思って・・・」
「のっちがあ〜ちゃんの事、困った存在とかそういう風に思ってると、考えてんの?」
先生は真面目な顔に変わった。
「だって、こうやって我がまま言ったりして、仕事まで支障きたしちゃったりさせてるから、あ〜ちゃんはのっちを困らせてるだけじゃ」
「・・・もっと困らせてよ。もっと、身動きが取れないくらい困らせてよ・・・」
そう言って、先生はあたしの肩を抱き、キスをした。今度はさっき食べたイチゴのような甘酸っぱいキス。
先生はあたしの中を先生でいっぱいにする。
あたしも先生の中をいっぱいにした。
これは二人だけの愛の行為。
先生・・・
来年のイチゴ狩りまでには大人になるから
もう少しだけ、先生の優しさに甘えて困らせていいかな?
— Fin —
最終更新:2009年03月17日 17:22