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「あ〜ちゃんー!かっしー!!」
あたしは目の前にいる二人の後姿に声を掛ける。
二人に追い付こうとして駆け足になる。

「あー、のっちおはよう」
あ〜ちゃんはいつものようにニコニコと笑顔で答えてくれる。
「はよー」
ゆかちゃんは素っ気無かった。
「二人ともおはよう!!」
あたしは元気よく返事して、あ〜ちゃんの隣に並び一緒に登校する。

あ〜ちゃんに食堂で声を掛けてもらってから早1ヶ月、あたしは二人とつるむようになった。
学校も遅刻せず来る様になった。これも、あ〜ちゃんとかっしーが友達になってくれたおかげだよな〜と思ってる。

なんたって、二人といるとすごく楽しい。
昔からの幼友達って感じがする。実際あ〜ちゃんとゆかちゃんは、小学校からの親友みたいだけど。

でも、時々ゆかちゃんの態度が、あたしに対して冷たい気がするんだよな・・・。
これはあたしの気のせいだけかも知れないけど。
さっきだって素っ気無い挨拶だったし・・・。
考えすぎなのかな?・・・そうだ!考えすぎだ。
折角友達になった子をそういう風に思っちゃダメ。

ゆかちゃんの素っ気ない態度も気になるけど、それよりあたしはもっと気になるコトがあった。

それは、あ〜ちゃん。

あ〜ちゃんは、とにかく明るく博愛主義者でみんなに優しい可愛い女の子。
まるで太陽のような子。
一緒にいておもしろいし楽しい。嫌なことも、あ〜ちゃんといると吹っ飛ぶ。
気づいたら、日に日にあ〜ちゃんの姿を目で追ってる自分がいる。

そう、たぶんあたしはあ〜ちゃんを友情以上の感情で見てしまっている。


正直、女の子にこんな気持ちを持ったことはなかったけど、これはきっとそういうことなんだと思う。
あ〜ちゃんと知り合ってからベタだけど、人生がバラ色になったって言ってもいいくらい本当に楽しい。
めんどくさい大学も、あ〜ちゃんがいるから通ってる。
つまらない講義も、あ〜ちゃんが一緒だから受ける。
あたしは、あ〜ちゃんを中心にして過ごしている。

あ〜ちゃんは、あたしの太陽だ。
あたしは太陽の光で輝ける月。
あ〜ちゃんが放つ光であたしは満月になれる。

でも、あ〜ちゃんに対するこの友情以上の感情は、誰にも気づかれないように封印。
あ〜ちゃんとゆかちゃんにバレたら、きっと友情が壊れてしまうから・・・だからこれは、あたしだけの秘密の感情。

三人で校舎まで歩いてると、あ〜ちゃんが中庭に止まってる特殊な車を指差しながら
「ねぇねぇ、あの車何?」
と訊いてきた。
「さぁ?なんだろ?」
「あー、あれ献血の車じゃよ」
ゆかちゃんがあ〜ちゃんの問いに答えた。

「献血?」
あ〜ちゃんが訊きかえす。
「うん。なんか今日から3日間居るらしいよ?」
ゆかちゃん、ものしりだな。
「ね!うちらも献血してみない?」
「「は!?」」
あたしが誘ったら、二人ともビックリしてハモってしまった。
「う〜ん・・・。ゆかちゃんどうする?」
「・・・いいんじゃない?これって、やったらジュースとかもらえるんじゃろ?」
「よっしゃ!やろうやろう」
あたしは半ば強引に二人を献血車へ連れて行った。



数分後・・・・
「結局献血出来たの、のっちだけだったじゃん」
ちょっと不機嫌なあ〜ちゃん。
「だね。ゆかとあ〜ちゃん、血が軽くてダメだって言われたもんね〜」
ゆかちゃんはまた素っ気無く言う。
「あー、ごめんごめん。のっちが貰ったジュース二人で飲んでいいから。そ、それはそうと、うちら三人とも同じ血液型なんだね〜」
あたしは二人をなだめながら、話をはぐらかす。
「同じA型だけど、三人とも性格バラバラだけどね」
ゆかちゃんは、今流行ってる血液型での性格分析を否定するかのように言い放った。

「三人で一緒に事故った時は、もし血が足りなくなっても安心じゃね」
あたしはおどけて言う。
「のっち、それ変。三人で事故ったら三人とも血が足りんじゃろ?てか、そもそも一緒に事故りたくなんかないしw」
あ〜ちゃんがすかさずツッコむ。
「それに輸血出来るの、のっちだけじゃん。ゆか、のっちの血はいらんよ」
ゆかちゃんも、あ〜ちゃんに加担する。
「えっ!?な、なんでのっちの血いらんの?」
「だってのっちの血、輸血されたら遅刻癖がつきそうなんだもん」
えぇ、ゆかちゃんそれはヒドくないw?
「あ〜ちゃん、それわかるー。あと忘れ物癖にもなりそうw」
えぇ、あ〜ちゃんもかよw
「あと、カレーしか食べなくなっちゃいそうw」
「あと、あと、揚げ物揚げ物肉のローテーションじゃろww」
「コラコラ、きみたち言いすぎw」

よかった、ゆかちゃんが普段みたいに明るくなって。
やっぱり、三人でこうやってふざけ合ってるのが一番いいな〜。
ずっと三人でこうやって笑い合っていけたらいいな〜。


そう、あたしはこの時はまだふざけ合ってたコトが、こんなに重要になるなんて思ってもみなかった。
あたしが封印してた感情を開けてしまったから、きっとあんな事になったんだ・・・ごめんね。
また、三人でふざけ合って笑い合える日はくるのかな?







最終更新:2009年03月17日 18:08